第15話

「私は海を泳いで来ますね〜」


「良いけど、強化クラーケンを倒しちゃダメだからね?」


大丈夫だと思うけど、もし倒しちゃったら

ハジメくん達の訓練にならないので一応釘をさしておく。


「そんなに心配しなくても大丈夫ですよ。

なんかビリビリしているクラーケンを倒さなければ良いんでしょう?」


「大丈夫だと思うけど気をつけてね」


「ダンジョンですし、油断はしませんよ。

お土産楽しみにしていてください」


そう言ってイスカは海の中に消えていった。


「気絶した人たちどうしようか?」


女性の相手を俺がする訳にも行かないので

レイラさん達の方はフィア達に任せて

俺は立ったまま気絶しているハジメくんをどうにかするために、ハジメくんの方に歩いていった。


「どうしよう?水ぶっかければ起きるかな?」


「ストーップ!待って流石にそれは残酷すぎです。私が面倒見ますから!」


水をかけて起こすのはサリーさんに止められてしまった。

まぁ彼女が面倒見てくれるならそれでいいや。


そうすると俺は何もやる事ないな

せっかくだし俺もちょっと海中散歩してみようかな。海中をしっかり探索した事ないし。

買っておいた自分の周りを明るく照らす魔道具を収納魔法からとりだし海に近づく。


「ちょっと海の中探検してくる!」


大声でそれだけ伝えて海の中に入っていった。


「水の中でも地上と変わらずに活動できるのほんと便利だよな」


水の精霊なので水中でも問題なく活動出来る。寧ろ水と同化して移動出来るので、水中の方が移動が楽に出来る。



「ライトも有るし、海底まで移動してみようかな」


海底がどのぐらい深いか全く検討もつかないけど見た事ない魔物とか採集物があるかもしれないし。

そう思いながらどんどん深く潜って行った。


途中襲いかかってくる魔物を排除しながら、海底を目指しているけど、全く底が見えない。


多分既にマリアナ海溝より深い位置にいると思うんだけど。


どれだけ深いんだよって思ったけど。

リバイアサンの里がある場所も水深何千万kmとかティアナさんが言ってた気がする。


まぁそのぐらい無いとリバイアサンとか超大型の生き物が泳いだり出来ないよね。


1度気になって精霊界ってどれだけでかいのって聞いたら少なくとも地球の千倍ぐらい?って帰ってきた。


ちなみに俺の支配領域でも地球100個分ぐらいの広さが有るらしいよ?

水の精霊王って言うのも影響していて海や川

、池、湿地帯など水が関係する自然環境が多いらしい。後、永久凍土とかも有るって

ディアーネさんに教わった。

ぶっちゃけ広すぎて訪れてないところだらけだ。

支配領域の探検も楽しそうだなとか考えているとイスカの魔力がこっちに近づいて来る。

合流するつもりだろう。

正直、底が見えなくてちょっと飽きてきてたから話し相手ができるのは嬉しい。


「イスカなんで人化してるの?」


合流したイスカはリバイアサンの姿ではなく人化していた。後、途中で狩った魔物を水流を操作して運んでいたので、それは俺の収納魔法にしまった。


「いや〜、ここがダンジョンだからか魔物がみんな好戦的なんですよ。リバイアサンの状態だと、しっぽ辺りで噛み付いてきたりとかずっと攻撃受けちゃって、鬱陶しかったんで人化した状態で動き回ってたんです」


成程、精霊界の海じゃリバイアサンに攻撃するような魔物いないもんな。

だけどダンジョンにいる魔物はダンジョンの効果なのかそれともリバイアサンを見た事がなかったからか好戦的でダメージは無いけど

攻撃されて鬱陶しかったって事か。


「何か面白い物あった?」


「それが全然です。帰ろうかなって思ってたらコウさんを見つけたので合流したんです。海底を目指しているんですか?」


特に面白そうなものはなかったか。


「イスカは海底まで潜って見た?」


「海底までは潜ってないです。でも、今の水深の10倍ぐらい深く潜ってもまだ底は深そうでしたよ?今回は海中の探索が目的じゃないですし、時間を掛けすぎるとあれかな〜と思って引き返したんですけど、行きます?」


確かにそうだけど、ちょっと気になるよね。


「ねぇイスカ俺がイスカの周りの水流を操作して魔物が近づけないようにするからリバイアサンの状態で全力で泳いで海底に向かうって言うのは?」


「確かにそれなら行けるでしょうか?

コウさんが気になるって言うならそれで海底を目指してみましょうか」


イスカに頼んでその方法で30分ぐらい潜っただろうか?

景色なんて見れない速度で潜ったのでどれぐらいの水深か俺は分からなかったけど。

イスカは水深100万mぐらいですか?

割と浅かったですねって言ってた。

こっちが浅いんじゃなくて

リバイアサンの里の水深が深すぎるんだと俺は思うよ?


「これは凄いですね」


ダンジョンにある海の海底はリバイアサン

であるイスカでも驚くべき光景が広がっていた。


「ハードコーラルが光ってるとはな〜。後、何故か攻撃的な魔物が1匹もいない」


リバイアサンの里では海底の砂に生息する微生物が発光して、まるで浅瀬みたいに明るかったけど、ここではハードコーラルつまりはサンゴたちが光って明るくなっている。


「地球でやったら犯罪だけど、ちょっと採集していこうか」


採集しても光っているのかな?


「私も採集するのには賛成ですが、だいぶ時間もたっています。1度来たから、今度は転移ですぐ来れるでしょう?1度、戻った方がいいと思いますよ」


確かに、フィア達もこの景色は見たいだろうし、一旦戻るか。


読んでいただきありがとうございます。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る