第7話

「まじか〜じゃあマギがフィアを見ているのも面白そうだって言ったのは、無詠唱で身体強化できるようになりそうだからじゃなくて……」


「どんな権能を使えるようになるのかな〜って」


やっぱりそう言うことなのか。

と言うかこんなことって有り得るのか?


(有り得るも何もコウが権能を使える様になったのと同じ方法だよ?コウの場合神界に溢れる世界神様の魔力でフィアちゃんはコウの魔力だっただけだよ)


言われてみれば一緒だ。てか神界に溢れている魔力って全部、世界神様の魔力なのか。


(フェムトちょこちょこ話しかけてくるけど、精霊界で1人お留守番してるの寂しい?)


「そりゃ寂しいよ。ディアーネすら帰って来ないし、シャルロッテちゃんとルージュしか話し相手がいないんだもん」


わざわざ念話みたいので話しかけてくるから、人間界には来ないのかなって思ってたけど、フェムトが目の前に現れた。


「てっきり人間界には来ないんだと思ってたけど…それに精霊界は大丈夫なの?」


人間界と違って管理神がフェムトしかいないからフェムトがここにいる間精霊界は神不在の状態ってことでしょ?


「本体は精霊界にいるから大丈夫だよ。これはこないだ見たくアバター」


「そう言う事ね」


「それより僕たった2日コウと会わないだけで限界なんだけど、アバターじゃあ直接会ってるとは言えないし」


「そうは言っても、権能を半球ドームに使い続けてるから、精霊界に行けないし。

これが解決するまでは我慢してもらうしか」


「そうなんだよね〜。あっそうだった!

ルージュがそっち行きたいって言ってるけどどうする?」


ルージュは戦力になるし来てもらうか。


「問題ないよ〜。むしろ来て半球ドームの攻略を手伝って欲しい」


「分かったよ。また話し相手が1人減った…」


なんかフェムトに悪いことしたかも。

でも、ルージュは来ちゃダメって言ったらルージュが落ち込んでたろうし。


「あるじ〜」


フェムトのアバターが転移魔法を使ってルージュを連れてきた。

めっちゃ流暢に喋るようになってる!


「あるじ、どうしたの?」


「ルージュめっちゃ流暢に喋るようになったんだな?」


「うん!フェムトとずっと話してたから上手になったの!凄い?」


なるほど、話してたら上手になるのは当たり前だな。

それにしても2日程度でここまで流暢に喋れるようになるものなのか?

喋るようようになったこと自体はもうちょっと前だし、別に2日だけで一気に流暢に喋るようになった訳ではないか。

実際、ドンドン聞き取り安くなってきてたし


そんなことより凄いでしょ!褒めて!オーラが凄いでてるルージュを褒めてあげないと。


「ほんとにすごいなルージュ!偉いぞ〜」


言葉で褒めてあげながらルージュの頭を撫でてあげると翼と尻尾を振り回して喜んでる。


「えっと、こっち進めて良いか?」


そう言えば、今度は詠唱魔法化した回復魔法を使ってみようって話だったな。


「じゃあ僕は帰るね〜」


フェムトにそれだけ言ってこの場から消えた。


俺はとりあえず撫でていたルージュを抱き上げて、さも何もなかったように話を始めた。


「回復魔法だったね。どんな詠唱なの?」


「流石にさっき迄の脱線は無かったことにならないぞ?まぁまずは回復魔法魔法だ。

[癒しの水よ彼の者の傷を癒したまえ]これが回復魔法の詠唱だ。今回は効果を下げる為に詠唱を短くした」


「なんでわざわざそんな事を?」


「攻撃魔法もあって自己強化もできて、オマケに回復魔法まで使える。水属性の魔法だけ優遇されすぎになっちまうからな。意図的に回復魔法の効果を低くした。それでも切り傷や刺傷、骨折も治せるから結構便利だぞ。

骨折や深い傷には何度も魔法を使う必要があるが」



それ全然効果低くなってなくない?


「じゅうぶん回復魔法の効果高いと思うんだけど…本当はどれぐらいの予定だったの?」


「コウが使ってたみたいに、部位欠損が治せるレベルだけど?でも、そこまで出来るようにすると光属性が一気に不憫になっちゃうから」


「バランス考えなきゃ行けないのも大変だね。回復魔法の実験どうする?マギがまた自傷するの?」


一応聞きはしたけど、マギが既に短剣を持っているから、そのつもりだろうな。

だけど、マギが短剣で自分の腕を傷つける前にマルタがそれを止めた。


「既に、業務中に怪我をしてまだ感知していない使用人を呼ぶように言ってあるから大丈夫ですよ。ほら」


そう言ってマルタが見ている方を見ると、

アルトさんが屋敷で働く使用人を数人引き連れて中庭にやってきた。


「マルタ様、言われた通り怪我をしていた使用人を連れて来ました」



「ありがとう 、アルト。じゃあ早速、回復魔法を試しましょう。治しますので、どこを怪我しているか教えてください」



使用人に怪我した場所を聞いて、そこに手をかざしてマルタが詠唱魔法を使った。


[癒しの水よ彼の者を傷を癒したまえ]


マルタの詠唱が終わると怪我をしていた部分が水に包まれて、怪我が徐々に治っていく。

そして10秒程でどこに傷があったか分からない状態になり、水球が消えた。


回復魔法の詠唱魔法化の無事成功したみたいだ。





読んでいただきありがとうございます。

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