第5話

「そこまで考える必要は無いんじゃない?」


信仰対象である水の精霊王様と結婚なんて畏れ多いってなるかもしれないし。


「そもそも、俺のことを水の精霊王って信じてないかもしれないでしょ?寧ろ自らを水の精霊王だと自称する愚か者って思われているかもよ」


リンファスでそう言われて色々あったじゃん。

信仰対象にもなってるんだったら、それこそリンファスのときより過激なことをする人がいるかもしれない。


「エルフの大使だって昨日の試合を見るために闘技場に居たんだぞ?そんな事、有り得ないだろ。今日の会議の間に遠回しにコウの好みの女性はどんな感じか聞かれたし」


「わざわざそんなこと聞く?しかも好みを知りたい人物の妻に」


「あぁ、だから奥方に殴り飛ばされていたぞ」


殴り飛ばした?大使の人の奥さんって見た目

15歳ぐらいの女性だった筈なんだけど?

これ以上深く考えるのは良そう。


「多分、本命は王家だけどコウの好みじゃなかったことを考えて何人かタイプの違う貴族令嬢が来ると思うぞ」


ディルフィーニ同じ感じね。

ってそうじゃん!ディルフィーニも誰をお嫁さんにしなきゃ決めなきゃ行けないじゃん。


「エルフの先にディルフィーニのお嫁さんを誰にするのか決めなきゃダメだよね?それにこのタイミングで結婚だ何だってやってる暇無いんじゃない?」


俺自体は権能を使用して半球ドームの範囲が広がらないようにする以外暇だけど。


「それはそうだろう。今回の件が片付くまで婚約だ結婚だって話を馬鹿正直にはしないだろう、エルフの国から来るコウとの調整役が候補の女性だったり、弟子入りしようとしたり、分かりやすいのだとこんなところか?」


ハニートラップ的な感じなの?


「やらかさないように気をつける」


「そうだな。気づいたらエルフを何人も娶ることにならないように気をつけた方がいいぞ。勿論、コウが望んで複数娶るのは問題ないからな?」


今でも5人妻がいて、ディルフィーニとエルフで7人流石にこれ以上は増えないようにしよう。


……前もこんなこと言ってから直ぐに増えた気がするけど。


「後、ディルフィーニに関してはシャルロッテで決まりだと思っていたのだが、別の子にするのか?」


「確かに4人の中だったらシャルちゃんかな〜って思ってたけど、話す機会も1番多くて自然と仲良くなったし」


白髪でツインテールの子で、水槽のレイアウトを手伝っている時に1番自然に話したりできた。

なんか他の子は俺の事怖がってる感じがするんだよね〜。


「だろ?ディルフィーニたちだってその予定で動いている筈だぞ」


(そうだよーシャルロッテちゃん以外の子たちは、なんだか良い感じになってるし。

どうやら、リバイアサンの料理が美味しすぎて自分たちの里に帰りたくなかったみたいだよ?シャラちゃんはリバイアサンに必死で料理を習ってるよ)


最近、定期的にフェムトから念話的なものが来るようになったな。


ディルフィーニたちは今そんな感じなのね。

非常事態だったとはいえ、ほぼ放置状態で人間界に来ちゃったから大丈夫かな?って思ってたけど、自由にやっているみたいで良かった。


後、食ってやっぱり大事なんだな〜って思った。


「まぁそこら辺は一旦置いておいて俺が何をしてたか話をするよ」


俺が使っていた回復魔法と身体強化を詠唱魔法化して貰っていた事を話した。


「それは便利だな!私たちの中に回復魔法が使える者がコウ以外居なかったからそれが増えるのはいい事だ。私たち以外からしても回復魔法が使える人材が増えるのは嬉しいだろう」


今回異世界の神との決戦にもじゅうぶん役にたつだろう。死者0っていうのは無理だとは思っているけど、これで少しでも減ってくれれば良いな。


「コウ!詠唱魔法化が終わったぞ!

あれ?人が増えてる」


ちょうど詠唱魔法化が終わったらしい。

フィア達に詠唱魔法を使ってもらって効果を試してくるのが良いだろう。


「初めましてオフィーリアです。マギ様よろしくお願いします」


「マルタです」


「メルです」


「イスカです」


「あ〜、コウのお嫁さんたちだね。

私はマギ、エステルと一緒に人間界の管理神をまたやることになったから、これからよろしく」


「マギ、フィア達に今作った詠唱魔法を使ってみれればって思うんだけど、どうかな?」


「それが良い!早く中庭に移動だ!」


マギは1人で中庭に走っていった。


流石に神様を待たせるのも行けないだろうと

全員で直ぐに中庭に向かった。


「遅いぞ!やっと来たな。まずは身体強化の方からだ。詠唱魔法だと身体能力を1分間

2倍にするといった感じだ。」


便利だろうけど、使うなら1分で戦闘を終わらせないと身体強化がきれちゃうから

次は戦闘しながら詠唱しないと行けないし、

微妙に使いづらい?


「時間を10分ぐらいに伸ばせなかったの?」


「私も時間は伸ばせたらと思ったんだけど、身体強化率2倍だと1分が限界だった」


それならしょうが無いか。


(フィアちゃんなら1回使えば、感覚を掴んで無詠唱で使えるようになっちゃうかもよ?)


フィアなら有り得そうと思いつつ、フェムト寂しいのかな?と思うコウだった。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る