第10話
「途中 、色々あったけどこれで試合は終了。試合にでた人で一緒に帝都に殴り込みに行きたい人は連れていくから、行きたい人は教えてね〜」
「え!一勝もできなかったのにですか?
コウさんからしたらただ邪魔なだけじゃないですか?」
ストレートに言うねエステルさん、完全にトドメの一撃だよ。その言葉。
フェムトに聞いたところによるとノーライフキング強さ自体も勿論脅威だけど、死者の王らしくアンデットを大量に呼び出して使役する事が1番面倒臭いって教わったから、勝手な行動をしない人である程度実力があれば
連れて行っても良いかなって思ってたし。
ノーライフキングは無理でも他のアンデットを任せるぐらいは出来るでしょ。
「ノーライフキングだけじゃなくて大量に出てくるアンデットの対処もしないといけないだろうから、最初からプラスで数人ぐらい連れていこうと思ってたんです」
「あぁ成程。確かにそれは必要かもしれないですね。少し思ったんですけどわざわざ帝都に乗り込んでノーライフキングと戦う必要って有るんですか?」
え!?どういう事?
「帝都と言うか、帝国領に生きているものは存在しないです。だから帝都ごとノーライフキングを攻撃して消滅させればいいんじゃないですか?」
確かにわざわざ相手の陣地に乗り込む必要は無いんじゃないか?
でもノーライフキングをしっかり倒したと確認出来る方が良いし、やっぱり乗り込んで倒した方が良いのかも?
「遠くから倒すと本当にノーライフキングを倒せたかわからなく無いですか?」
あとから実は偽物でしたとかなったら嫌だし。
「そこは私がしっかり確認しますので安心してください」
エステルさんだと微妙に不安なんだけど、
でも遠距離から敵味方の区別が必要なく、地形破壊とかを気にしなくていいなら俺でも倒せるから直ぐに終わるから楽ではあるよね。
「分かりました。とりあえずここから攻撃してみます」
コキュートスで永久凍土にしても倒せるだろうけど氷像が残って後始末が面倒だし、ちょっと思いついた魔法を使ってみるか。
「ミーティア!」
魔法名を唱える必要は無いけど、言いたい気分だったので叫んでみた。
周りの人も魔法を使ったってわかりやすいし。
「外に出てどうなるか確認しようか」
俺自身も初めて使う魔法だからどうなるか少し気になる。
と言っても直径10kmぐらいの氷の球体を
隕石のように落とすっていう単純な魔法だけど。
「ここから見てても効果が分かる魔法なんですか?」
「そうですねそろそろ見えると思いますよ」
イメージ的には大気圏辺りから落とすイメージだから雲が邪魔でまだ見えない。
と言ってもあと数秒で見えてくると思うけど。
いつ見えるかな〜と空を見上げていると、
炎に包まれて帝都に向かって一直線に落ちていく氷の球体が見えてきた。
大っきいからゆっくり落ちてるように見えるけど実際は結構な速度で落ちてるから逃げるのも難しいでしょう。
どんどん地面に近づいて行きこの場から視認出来なくなったが直ぐに轟音が鳴り響いた。
多分衝突した時の音だろう。
「エステルさんどうなりましたか?」
「直径で100km以上のクレーターが出来ました。当然帝都は文字通り消滅しました。
勿論ノーライフキングも、コウさん今回被害が大きくなり過ぎないように手を回したので帝国領以外に被害が出てないですが、しなかったら甚大な被害が出ていた筈です。
今度からは出来るだけその魔法使わないでくださいね」
確か恐竜が絶滅する理由を作ったと言われている隕石のクレーターが約160kmって聞いたことがある。
今回の魔法で直径100m以上のクレーターができたって言ってたから、下手しなくても帝国領以外にも甚大な被害がでてただろう。
何となくで隕石のサイズを決めたけど危なかった。
対処してくれたエステルさんに感謝だね。
サイズを小さくして使うことも出来るだろうけど、周りの被害が大きすぎるからよっぽどの事がない限りこの魔法は使わないようにしよう。
「よっぽどの事がない限りこの魔法は使わないようにします。ノーライフキングも無事倒したみたいですし、禁術を無力化しちゃいますね」
禁術を無力化する為に逆行の権能を使って
禁術の発動前まで巻き戻して、発動を無かったことにしようとした瞬間、禁術の範囲が広がらないようにしていた停止の権能が解除されてしまった。
一体何が!停止の権能をかけ直さないと範囲がまた広がっちゃうと思ったけど、逆に範囲がドンドン縮小していく。
「一体何が?」
一旦落ち着いてこれ以上変なことになる前に消した方が良いだろうと思い、逆行の権能で
禁術の発動前まで巻き戻した。
禁術によって発生していた紫色の壁は無事に消滅した。
ひとまず、帝国関係はこれで終わりだろう。
でも、まさか権能が解除されるとは思わなかった。
そもそも権能を解除出来る存在なんて神が関わっていると考えるのが普通。
って言うことは……
「まさか!エステルさん異世界の神が封印されてる島周辺を今すぐ確認出来ますか!」
「その程度、勿論可能で…なんですかこれ!?」
やっぱり異世界の神がなにかやらかしてくれたらしい。
読んでいただきありがとうございます。
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