第7話


「えっ!?」


突然フェムトの声が聞こえてきた事にびっくりしてフィアから手を離した。


「上手く行きそうだったのに、何があったんだ?」


フェムトの声が聞こえてびっくりしたと伝えようとフィアを見ると、金色の髪に青色のメッシュが入っていた。

元々は金色1色だったはずなのに。


「私の顔をみてどうしたんだ?」


なにか喋ろうとしてフィアを見た瞬間に驚いて固まってしまったのでフィアに不思議がられてしまった。


「フィアお姉様、実際に見てみる方が早いと思いますよ」


そう言ってフィアに手鏡を手渡した。


「髪の毛の色が少し変わってる?でも

【共鳴】は発動しなかったはずだぞ?」


あれ?割と冷静。


「発動したら、髪や目が青色になるのは予想出来ていたからな。それにしても魔力がもの凄く増えてるし、復元魔法という新しい魔法の適正が手に入ったんだが。もしかして

【共鳴】自体は成功しているのか?」


(そんな訳ないでしょ!本当に共鳴してたらフィアちゃんの魂が消滅してたからね?)


「「え!?」」


またフェムトの声が聞こえたけど今度はフィアにも聞こえているらしい。


(共鳴って言うのは人間と精霊の魂を一体化させて人間を擬似的な精霊にしてパワーアップさせるスキルなんだけど、亜神レベルのコウと魂を一体化させたら相手は消滅しちゃうんだよ。一体化手前で中止したのにフィアちゃんに色々変化が起きてるでしょ?

あと一歩僕のストップが遅かったらフィアちゃんにが消えてたんだからね?

2人とも安易に色々試そうとしちゃだめだよ?)


フェムトの声が聞こえている間、俺とフィアは2人仲良く正座をしていた。

別に正座しろって言われてなかったけど、自然と正座をしてしまった。


「「はぁ〜」」


フェムトからの説明が終わったあと自然とため息が出てしまった。


「出来たら面白いかもぐらいで、試したんだが……割と死ぬ寸前だったみたいだな。

ブラックホールの事と言い、最近ちょっと軽率過ぎたかもしれないな」


フィアは初めてブラックホールを使った時にフェムトにガチ説教されたばっかりだもんね。


怒られた回数で言ったらダントツで俺がトップだったけど。


「まぁ今回はフィアが無事だったから良いとして、今度から気をつけよう。

本当に体に不具合とか出てない?」


「今のところは大丈夫。フェムト様も何も言ってなかったし大丈夫だと思うぞ?」


「本当にフェムトが止めてくれて良かったです。お二人とも集中しすぎて、私が制止しても全く聞こえてなかったようですし」


エステルさんが止めようと声をかけてくれてたらしいけど、全く聞こえてなかったな。

それだけ【共鳴】を成功させようと集中してたってことかな。


それにしても精霊化の出番が来た!って思ったけど、俺は共鳴を使っちゃダメってことがわかったから、またしばらく出番は無いだろうな。


いや、貴族とかに会う時は精霊化を使っていた方が面倒事が回避出来ていいのかな?


「えっと、次に進んでよろしいでしょうか?」


今はそんな事考えている場合じゃないか。


「すみません。メルは大丈夫だよね?」


次はメル対獣王国から来た騎士5名

5人を1人にしぼる時間が無かったからどうしようか?って思ってたら、メルが5人同時でいいと言ったので、まぁそれもそうか

5人同時に相手をしたからってメルが負けるわけないしと許可した。


「準備バッチリです」


問題ないみたいなので、直ぐに試合をスタートしてもらった。


ちなみに対戦相手の獣王国の騎士5名は

自分達が傷すら付けられなかった氷の壁を粉々にしたのを見ている人達なので、一対五という状況でも全く油断していない。

寧ろ連携をとって確実に仕留めるぐらいのつもりで戦っている気がする。

対するメルは相手の連携を軽々崩しいて試合というより稽古をつけているような感じだ。


「あの後もしっかりと鍛えているようで安心しました。今ならあの時の氷の壁に傷ぐらいつけられるんじゃないですか?」


5人の騎士が息が上がって倒れたところでメルがそう発言した。

俺も余程なまくらの武器を使わなければあの時の氷の壁なら傷をつけることは出来ると思う。


あくまであの時の氷の壁ならって話で本気を出して作った氷の壁だったら傷1つ付けられないだろうけど。


「ご褒美に最後に1ついいものを見せてあげます」


そう言ったメルの体が光に包まれた。


光が収まると全長4.5mぐらいの白虎が現れる。

メルは白虎の試練をクリアして白虎の姿になれるようになったからね。

白虎たちは全長5~6mぐらいあったから一回り小さい感じ。

それでもじゅうぶん凄い迫力だけど。


騎士の人たちもこれは予想外だったみたいで

一応試合中というのも忘れてただただ白虎の姿になったメルを見ている。


ちなみにメルに許可を得てしっかりとモフらせていただきました。

見た目的に硬い毛質の毛なのかな?って思ってたけど触るとふわふわしていてとても気持ちいい。


ただメルをモフりすぎて、モフるのは1日1時間までと時間を決められてしまった。


試合の方は騎士の人達が完全に戦意喪失しちゃってるしこれで終わりかな?



読んでいただきありがとうございます。

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