第4話


思っていた流れとはだいぶ違うけど、考えていた通りの流れにはなったかな?

闘技場での戦いをみてそれなりに戦える人を何人か選べば良いや、そう言えば獣王国からも数人連れていった方が良いのかな?

でも獣王国で同じ事をもう1回やるのはちょっと……。


リンファスに転移で連れてきてメルと戦わせてそこから選べば良いか。


とう言うことで獣王国の王城に転移、アウルスさんを直ぐに見つけることが出来たので事情を説明して、直ぐにメルに挑戦する5人を決めてもらった。

リンファスと協議をする為に文官も何人か連れて行って欲しいと頼まれたので有料で連れて行くことにした。

ただで送ると、俺も俺もっていう人が出てくるだろうし。

そしたらアウルスさんがお金だとそれだけ払えば送って貰えると思われる可能性もあるから、宝物庫にある物でお支払いしますって言われたので、確かにと思って宝物庫にある物で払って貰うことにした。


絡まれたりしなかったし、すげー楽だった。


陛下に獣王国の人も数にいれることを説明しないといけないし、ちょっと早いけど闘技場に行った方がいいと思ったので皆で闘技場に移動した。


色々準備をしている宰相さんを見つけたので捕まえて事情を説明。

渋られるかなと思ったけどあっさり許可がでた。

獣王国から来た文官たちの対応もしてくれるみたい。


「ノーライフキングを討伐した後に土地の権利とかややこしくなるから、渋られると思ってたんですが、あっさり許可しましたね」


「ノーライフキングを倒したとして残るのは生命が何一つ存在しない死の土地ですよ?

雑草1本すら生えていない土地を土壌の開拓すると考えるだけで胃が痛くなります。

それに恐らくこの世界で1番人が死んだ土地です。しかも生贄されて…確実に呪われた土地にもなってるでしょう。寧ろ、土地が欲しいなら喜んで差し上げます」


あ〜そりゃそうかそう考えると本当にやってくれたな帝国って感じだな。

作物は育たないし、土地にいるだけで悪霊に呪われるかもしれない。

しかも呪われた土地だから

ノーライフキングを倒した後も、アンデットは発生し続ける可能性も高い。

欲しいって思う人居るのかな?

俺は絶対に要らない。


宰相さんには獣王国から来た文官達をお願いしたのであんまり長話するのも申し訳無いかと思ったので話を切り上げ闘技場の中に入った。


中に入ると既に試合が始まっていた。


「誰が挑戦するか選んでる感じかな?

でもそんな事やってて30分で終わる?」


終わらなかったらおいて俺たちだけで行こう。


「あの試合が最後なのでちゃんと時間に間に合うと思いますよ。お久しぶりです。

コウさん」


「ハジメくんじゃん。エステルさんの訓練は終わったの?」


「はい、概ね終了したって感じです。試合にはエステル様の推薦枠として参加します。

エステル様から…これも経験です。試合が終わったあと卑屈にならないでくださいね?って言われたのが怖いですけど」


多分フィアかイスカと試合するって事だろうな。

心を強くもてよハジメくん。

ほぼ何も出来ずに負けると思うけど。


ハジメくんが言ってた通り約束通り30分で準備は終わり試合が始まった。

こちらの1番手はイスカ、相手はあれは確か文句言ってきた貴族かな?多分だけど。


「貴様がエステル様の事を侮辱したこと忘れていないからな!ここで裁きの鉄槌をくらわせてやる」


「ただ事実を言ったのみです。それに裁きの鉄槌?実力差も分からないゴミにそんな事出来るわけないでしょう?」


「貴様!言わせておけば調子に乗りやがって、あの詐欺師もだ!偉そうにしやがって」


詐欺師って俺のことかな?もう、ノーライフキングの前に俺が人間界を滅ぼそうかな?


「殺す気は無かったですが、気が変わりました。例え闘技場内だからと言って生き返れるとは思わないことです」


そう言ってイスカの姿が変わった。


いつもの人化はヒューマンそっくりで見た目じゃドラゴンって分からないけど、今のイスカは竜人やドラゴニュートと言ったような姿になってる。

そして何故か翼まで生えてる。リバイアサンって翼生えてなかったよね?


「そう言えばコウはあの状態を見たこと無かったな。あれは神獣化と言ってリバイアサンオリジンにしか使えない能力で一時的に神獣リバイアサンの力を使えるようになるらしい」


そんな能力も有るんだね。初めて知った。

それにイスカの事をよく見ると魔力の質が

俺やフェムトに近くなっている。


つまり冗談抜きで一時的にではあるが神獣リバイアサンが使う権能を使えるようになるって事だろう。

神獣リバイアサンってどんな権能を持ってるんだろう?


対戦相手のことをガチで殺す気だなイスカ。


これ、止めた方がいいかな?気は進まないけど。


「このままじゃ本当に殺しちゃうと思うんで、1回止めた方が良いですか?」


エステルさんに向かって一応確認をとる。


「まさかとは思っていましたが、やっぱり

彼女はリバイアサンオリジンだったんですね。それと止める必要はないですよ。

あれは私の名前を使って自分の事を正当化したいだけでしょう。不敬ですし鬱陶しいのでもし彼女が殺さなくても私が神罰で消すつもりなので」


エステルさんの発言に国王含め貴族たちが驚き恐怖している。


みんなエステルさんのことをなんだと思ってたんだろうね?

優しいけど神様だよ?


どちらにせよあの男の運命は決まっているってことだな。


レフリーの合図でイスカと哀れな男の試合が始まった。



読んでいただきありがとうございます。




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