第61話

タルタルソースはマヨネーズの中毒性を考えて一旦保留にすることにした。


みかんウニ、カラーゼリーフィッシュ、海ぶどうと先にやろうと思っていたことが沢山あったのも理由のひとつだけど。


まずは味も気になるしカラーゼリーフィッシュから始めることにした。


「水槽は作っておくから先に捕まえに行っても良いけど、できるまで待ってるの?」


地球のクラゲ水槽を口頭と記憶を読み取って貰ってフェムトに理解して貰ったので、カラーゼリーフィッシュを捕まえて帰ってくれば

水槽も完成していて効率はいいと思うけど、折角だし皆で行こうって思ったのでフェムトの水槽作りが終わってから皆で行くことにした。


「そんなに急いでる訳じゃないし皆で行った方が楽しいと思うんだよね」


精霊王の宝玉を作るための1時間以外やる事は特に決まってないしそこまで効率的に動く必要もないだろう。


「まぁコウがそう言うなら良いんだけどね」


完成するまでフェムトの作業を見ていたら

気が散る方部屋から出ていってと言われてしまった。

フェムトが取り出した透明な板がぐにゃぐにゃ曲がって、クラゲ水槽に近づいていくの面白かったんだけどなー。


ちなみに円形の水槽で水流をループさせて、

その水流に乗ってクラゲがぐるぐるしている

水槽を作ってもらう予定。

何種類か味を作る為にまずは3個作ってもらう。

味しだいでは、もっと増える予定。



フェムトに出て行けと言われてしまったので

フィアたちは何処にいるのかな〜と探していたらみんな中庭で訓練をしていた。


フィアとマルタは魔力制御と魔法制御の練習

メルは白虎の姿での動きを確認していて、

イスカはティアナさんから人化した状態での戦い方を教わっていた。

みんな真剣なので俺の事に気づいてないのかそのまま訓練を続けている。

いや、気づいてるけど敵が来た訳じゃ無いから、話しかけられたりしない限り訓練続行って事だろう。


それに比べて俺ってフェムトに言われないと訓練とかしてないな。

俺も何か練習した方が良いかなと言う気持ちになったので何しようかなと考えてたら、無詠唱なら適正の無い属性も使えると言う話をしたのを思い出して、その練習をする事にした。


「新しい属性をと言うより、前回少しだけ使えた念動魔法を練習するべきか」


適性が無くても使えると言っても普通は何年とかかってようやく発動するようになるレベルらしいので、こないだ発動にはあっさり成功した、念動魔法の練習をするべきと言う結論に至った。


念動魔法の練習だったらわざわざ中庭でやる必要はないので談話室で机の上にスプーンを置いてそれを念動魔法で動かすという訓練をすることにした。


「うーん全然上手くならない」


スプーンを多少浮かすことは出来るけど、それで精一杯、ただ単にスライドさせることすら出来るようにならない。


「イメージの仕方を変えた方が良いのかな?」


今は動かしたい物に自分の魔力を浸透させて物を自由に操るって動かすイメージで念動魔法を使っている。


「操り人形みたいなイメージでやってみるか」


今度は動かしたい物に指から魔力を操り人形の糸みたいにくっつけて、指を動かして操作する。


「最初のイメージよりはこっちの方がだいぶ良さそうだけど、操作するのに手を動かさないといけないのはデメリットかな」


操り人形のイメージで念動魔法を使ったら、ある程度、こちらの意思どうりにスプーンを動かすことが出来た。

だけど、動かすのには指で魔力の糸を操作しなきゃ行けない。

これなら自分で直接動いた方が早い。

どうするのが良いのか考えていると、ふと難しく考えすぎてるんじゃ無いか?と単純な方法を思いついた。


「魔力で腕を再現して、その腕に持ってもらって動かせば良いんだ」


早速そのイメージで念動魔法を使ってみると驚くほどあっさり成功して今までで1番思い通りにスプーンを動かせる。

今なら念動魔法だけでご飯を食べることもできる気がする。


お行儀が悪いし、ご飯を食べるだけなら直接手に持った方が楽だと思うので絶対やらないけど。


この後はだんだん動かすのもを重くしたり、数を増やしたりという感じで練習を続けていた。


念動魔法で同時に色々処理しようとするのは

念動魔法が上手く使えても、俺の頭の処理能力じゃ難しいという事に気づいたあたりで

フェムトが談話室に入ってきた。


「水槽完成したよ〜。大丈夫だと思うけど、1度確認して、フィアちゃん他とはシャワーで汗流してくるって」


「分かった〜」


フェムトと一緒に地下におりて水槽の確認。

形などは注文通りに出来ている。

そのあとは赤く着色した水を入れて水流の確認をしたり、ろ過装置を起動させて赤い水を綺麗にしてろ過装置がしっかり動いているのも確認した。

ちゃんとカラーゼリーフィッシュがろ過装置に吸い込まれないように対策もバッチリ。


「バッチリ出来てるよ。これでカラーゼリーフィッシュも飼えると思うよ」


話を聞いた感じまんまカラージェリーフィッシュっぽいので問題なく飼えるはず。

確認も終わったので談話室でみんなの準備が終わるのを待ってようと思ったらもう既に準備を終わらせて談話室で待っていた。


思ったより水槽のチェックに時間をかけてたみたい。


何はともあれ準備が全部終わったので、皆でカラーゼリーフィッシュを捕まえに向かった。



読んでいただきありがとうございます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る