第62話
カラーゼリーフィッシュを捕まえるため海中を進んで数時間、海中観光も兼ねているので寄り道をしながら、カラーゼリーフィッシュがいる場所の近くまで来た。
寄り道した場所でミドリイシ、スターポリプ、マメスナギンチャク、ハタゴイソギンチャク等のサンゴやイソギンチャクをちょっと採集して水槽に転移で送ったりとかもした。
「ちょっと前に海の色が変わってる場所が有るけど、あそこにカラーゼリーフィッシュがいるの?」
1kmぐらい先に周りと比べて不自然に海の青色が濃い場所がある。近くでカラーゼリーフィッシュが居そうな目立つ場所あそこぐらいだ。
それに生き物の反応が凄く多い。
「海の色が変わってるじゃなくて、あれが全部カラーゼリーフィッシュですよ。餌で味が変わると知らなければ増やそうと思わない理由、納得しました?」
じゃあ色が変わってる場所にソーダ味のカラーゼリーフィッシュが大量にいるってことか。
視力を強化してよく見てみると、地球で見たカラージェリーフィッシュにそっくりなクラゲがかさを広らいて閉じてを繰り返してゆっくり泳いでいる。
数匹ぐらいだったらぷかぷか泳ぐ姿を見て可愛い癒されるってなるけど、何万単位だと流石に気持ち悪い。
確かに増やさなくてもこれだけいるなら、増やそうと思わないよな。
「凄いですよね。もっと凄いのは9割ぐらい食べて減らしても1週間ぐらいでこのぐらいまで戻るんですよ」
繁殖力も凄まじいな。
「そんなに増えるの早かったら誰も食べずに放置してたら海全体がカラーゼリーフィッシュに埋め尽くされる事にならない?」
「不思議な事にあれ以上は増えないんですよ。なんでですか?フェムト様」
フェムトが作った生き物だって言ってたもんな。確かに本人に聞くのが1番早いよな。
「上限を決めてあるからその上限以上にならないようにしたから、海中カラーゼリーフィッシュだらけにはならないよ。上限は広さによっても変わるから、水槽の中がカラーゼリーフィッシュでパンパンになったりとかも無いから安心して」
そんな感じで都合のいい様に調整されてるなら安心。
「一応聞くけど、採集するときに気をつける事ってある?」
「毒もないですし、動きも遅いので気にする事は特にないです。あぁでも長時間触っているとどんどん溶けてしまうので捕まえたらすぐに〆て各自マジックバックか収納魔法にしまった方が良いです」
「そうなの?」
「どうやら体温で溶けてしまうみたいなんですよ。でも、食べる時は逆にその特性のおかげで、プルプルしてるけど口溶けが良くて美味しいんです。
食べたらびっくりすると思いますよ」
多分だけど、ゼラチンに似た様な性質って事かな?
上手く使えばムースとか作れるかもしれない。
この世界、生クリームは有るんだよね。大量生産は無理みたいだけど。
最初にカラーゼリーフィッシュを数匹水槽の中に転移させて、後はそのまま食べる為に〆てマジックバックか収納魔法で回収した。
この回収中にセイレーン、セルキー、アーヴァンクと言った幻獣種達と話したりもした。
セイレーンは人魚、セルキーは毛皮を脱ぎ人間になれるアザラシ、アーヴァンクはビーバーである。
みんな礼儀正しくいい人達だった。
イスカ曰く今回あった種族は大人しい種族だから何事もなく平和に終わった、って言われた。
戦うのが好きな種族は勝ち負け関わらずに勝負を挑んできますよって言われて、そういえばイスカもそうだったなと思い出して、
イスカもそうだったねと言ったらいじけられた。
そんな事がありつつ、カラーゼリーフィッシュもだいぶ集まったので、リバイアサンの里に帰った。帰りは転移魔法で一瞬で帰る。
カラーゼリーフィッシュの味も気になるけど
生きたまま転移させた方も問題ないか気になるので先に水槽を確認しに行った。
カラーゼリーフィッシュは水流に乗って水槽をくるくる回っていたり、ちょっと自分で泳いだりしていた。
今のところは問題なさそう。
ただカラージェリーフィッシュと一緒でクラゲの中では遊泳力があるみたいだから、水流はもうちょっと弱くても良さそう。
完全に水流を無くしちゃったり、弱すぎると
だんだん弱って死んじゃうだろうから弱くし過ぎないように注意をしないと。
「確かにこれはずっと見ていられる気がするな。理由を聞かれると答えられないが」
水流を調整している間、水槽を見ていたフィアがそう感想を言った。
説明出来ないけどなんか癒されるっていうのは同感。
だって海でクラゲ見てもなんにも思わないけど、水槽をくるくる回ってるクラゲを見るとなんか癒される。
なんの違いなんだろう?
カラーゼリーフィッシュ以外に採ってきたサンゴやイソギンチャクも確認したけど問題なさそう。
サンゴなんか元気にポリプを咲かせていた。
みんな水合わせとかしてないのに元気だなー
それともフェムトの魔道具が良い感じに調整してくれてるのかな?
多分そんな気がする。
フェムトの魔道具本当なんでも出来るな〜と改めて思ったコウだった。
読んでいただきありがとうございます。
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