第58話
「この水槽サイズってどれぐらいなの?」
このサイズ水族館でも中々見れないサイズだと思うんだけど、既に海と空間魔法で繋げられているみたいで回遊魚が水槽の中で泳いでいる。今はベアタンク状態なので回遊魚の通り道って感じだけど、砂を入れてレイアウトをすればこの水槽を縄張りにしてくれる魚も出てくるかもしれない。
カクレクマノミみたいな小さい海水魚とかも居着いて欲しいけど、このサイズの水槽だと
居着いてくれても見つからないかも。
そういうちっちゃい魚の観賞用で円柱水槽とか作ってもらおうかな?
そこまでやると別荘じゃなくて水族館作ってる感じになって来ちゃうか。
「高さ15m横50m奥行35mの巨大水槽だよ。水槽の近くにあるパネルから照明の色とか他にも色々操作できるよ」
水槽の前にあるパネル何かな?って思ってたらそういう事か。
ただでかいだけじゃなくて、想像以上に高性能な水槽な気がしてきた。
「パネル操作してみていい?」
「もちろん!わかんない事があったら聞いてね〜」
フェムトからの許可が出たのでパネルを色々弄ってみる。
まずは、フェムトが言っていた照明の操作、
結構色々な色に変えられるし、突然照明の色が変わったら驚いたり、ショック死する海の生き物も居るから、徐々に選択した色に変わっていくようになっていた。
予め色の変化を設定して時間で切り替えることも可能。今は朝、昼、夕方、夜と限りなく自然に近い感じになるように設定されている。
空間魔法の細かい設定もこのパネルから出来るらしい。
パネルの情報によると、この水槽は5箇所のポイントと繋がっているらしい。
それだと生き物が出ていく時に入って来た場所と別の場所に出ちゃったりしないのかな?そう思ってフェムトに聞いてみたら、ちゃんと生き物が出ていく時は入ってきた場所に帰れるようだ。原理をフェムトに聞いてみたけど全く理解できなかった。
パネルでは、各ゲートのON/OFF、サイズ制限の設定などの細かい設定が可能だった。
ただ、ゲートの位置の移動はパネルからでは出来なくてフェムトにやって貰う必要が有るみたい。
そんな感じで他にも人工的に水流を作る項目だったり水温に関する項目だったりと色々ある項目を弄りながら把握した。
「凄い気になったけど最後までとっておいた項目、入水モードって有るんだけど、これは水槽に水を入れるだけのモードかな?」
しかし、それは空間魔法の項目で出来るので多分違うんだろうなと思いつつフェムトに質問する。
「コウも違うだろうなって思ったから質問したんでしょ?まぁ危険は無いから入水モードの項目をタッチして使って見てよ」
フェムトに言われるがまま入水モードの項目をタッチすると、体の周りが透明な薄い膜のようなもので包まれた。
息苦しかったり動きずらかったりは無いみたい。
入水モードってやっぱり自分が水槽に入るモードか、でもどこから入るんだろう?水槽は完全に壁に埋め込まれてるし、水槽に入れるような場所が見当たらないんだよね。
転移で入れってことかな?
「この状態だと、水槽の壁を通り抜けられるからそのまま突っ込めば水槽の中に入れるよ。効果は最大1時間しか持たないからそこは注意が必要だね」
まじで!と水槽の壁を触ると本当に触った手がすり抜けて水槽内にある。
そのまま完全に水槽内に侵入した。
ハリー○ッターの9と4分の〜見たいだーと
テンションが上がって何度か出たり入ったりを繰り返して遊んだ後、水槽の中の探検を始めた。
水の中でも入水モードのお陰で普通に息ができるし、移動も出来る。
俺は水の精霊の特性上、水の中でも地上と変わらず活動出来るけど、フェムトとイスカ以外の奥さん達は今のところ無理だからこの効果はだいぶ重要。
それと魚に近ずいても全く逃げたりする様子がないもしかして入水モード中は魚達から感知されない?
それならこの水槽だと小さい魚が目立たないって言ったけどこのモードで直接近づけば問題なさそう。
この水槽、魔法が使えるファンタジー世界から見てもファンタジーな設備なんだろうな。
入水モードの時間いっぱいまで魚たちをまじかで観察して外に出て来た。
途中黄金マグロが中に入ってきて、つい確保しそうになったけど、この水槽ではそういうのは禁止と決めていたのを思い出して何とか思いとどまった。
魚の食事の為の狩りだったら仕方ないと思うけど、水槽の中で自分たちが狩りをするのはねぇって思うしね。
それに既に黄金マグロは逆光の権能を使えば食べ放題だから冷静になれば狩る必要も無いんだよね。
でも、黄金マグロを見たら反射で狩ろうとするぐらいには美味しいから、ああなっちゃうのも仕方ないと思う。
「水槽どうだった?」
「凄い良かった!これ以上の水槽は無いだろうってくらい」
「本当!良かった〜。居住スペースより水槽に力を入れたかいがあったよ」
ちなみに上の居住スペース部分は10分程度で作り終わって、後はひたすら地下の水槽スペースを作っていたらしい。
「後、コウが入水モードで楽しんでる間、新しい部屋を作ってワインに関するスペースを作っておいたよ」
どうやら相当ロゼワインが楽しみらしい。
こんなに凄い水槽を作ってくれたんだし、早めに取りかかった方が良いかなと思うコウだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます