第57話
イスカにリバイアサンが縄張りにしている海域の希少性を教えて貰った後は対して中身のない話をしながら色々な場所に寄り道をしつつリバイアサンの里に帰った。
「お帰り、大分遅かったけどどこまで行ってたの?」
リバイアサンの里に帰ってきた途端、俺はフェムトにイスカは他の奥さんたちに連れていかれた。怒ってるとかじゃなくて何をしたのか興味があるって感じだったし大丈夫だろう。
「もう家が完成したって話だっけ?」
いくら時間をかけて帰ってきたって言っても
半日ぐらいしか経ってないのにもう家完成したんだ。
「僕を誰だと思ってるの!これぐらい朝飯前だよ」
そうだよなフェムトだもんな。
丁度いいや、ディルフィーニに会ったことを話して庇護下に加える代わりに海ぶどうとそれを育てる人材も用意してくれることになったか話を今のうちにしてしまおう。
「海ぶどうか〜懐かしいな。ディルフィーニが見つけて縄張りにするまではたまに食べてたんだけど、ディルフィーニが縄張りにしてからは1度も食べてないからちょっと楽しみ」
「…それどれだけ昔の話?」
少なくとも数千年レベルの話な気がする。
「フェムト的に海ぶどう美味しかった?」
「美味しいは美味しいけど、地上にあるぶどうにも同じぐらい美味しいものもあったから、なんとしても手に入れるって感じじゃなかったな〜」
成程、ちょっと判断しにくい評価だけど、美味しいのには間違いないみたい。
「で、海ぶどうでワイン作れないかな?って思ったんだけど、どう思う?」
「面白そうだね!いいと思うよ。コウの為だったら圧搾機とか機材を僕が用意してあげる」
「俺も最初はそう思ってたんだけど、海に生えてるぶどうにもワインに発酵させる酵母がちゃんとついてるのかな?って思って」
「実物を見れば僕は判別出来るけど、確かにワインに発酵させる酵母がついてないって事も有り得る話だよね。海ぶどうが出来なくても、ほかのぶどうでワインは作れるし、機材一式は作っておくよ」
海ぶどうがダメだったら、他のぶどうでロゼワインを作ろう。
赤と白はこの世界で見た事有るけど、ロゼワインは1回も見たことないから、もし出来たらみんなも喜ぶだろう。
ロゼワインの作り方の記憶がちょっと曖昧なのが怖いけど。
酒造法が有るから簡単に出来るからってワインなんて作ったこと無かったし。
アルコール度数1%未満はお酒じゃないから、アルコール度数1%未満のワインなら家で作っても犯罪にならないっていう昔の記事を読んで作り方を知ってるだけだから、所々記憶が怪しいんだよね。
「まぁワイン自体は作られてるんだし、もし直ぐに出来なくても少し試行錯誤すればロゼワインも出来るでしょう」
「ロゼワイン?何それ地球にあったワインなの?」
しまった。ロゼワインの事、まだ話すつもりなかったのに喋っちゃった。
「黒ぶどうを使うんだけど、ぶどうを潰した後、発酵させずに少し置いて、そのあと圧搾、発酵させるワインで皮や種ごと発酵させないから赤ワインより渋みが少ないワイン。後、色がピンクっぽくなる」
確かそんな作り方だった気がする。他にもいくつか作り方があったはずだけど、それは覚えていない。決して赤と白を混ぜればロゼワインを作ってるわけじゃない。
「へ〜そんなワインが有るんだ。楽しみだなロゼワイン」
フェムトの中では俺がロゼワインを作るのはもう確定事項見たいだ。
いや、作るつもりだったけどさ。
説明せずに作ってちょっと驚かせたかったな〜なんて思ってたり。
後でフェムトにお願いして皆には黙ってて貰おう。
そんな感じでディルフィーニとあった話をしながら(ほぼワインの話だったけど)歩いて
いたらあっという間にフェムトが作ってくれた別荘に到着した。
「お〜良い感じじゃない?」
サイズ的にはリンファスの王都にある屋敷の半分ぐらい、個人的にはこっちのサイズの方が落ち着く。それでも家として考えるならじゅうぶん大きいサイズだけど。俺も屋敷のサイズにだんだん慣れてきたってことかな?
転移直後だったらこのサイズでもデカすぎるでしょ!って言ってた気がする。
「早く中に入ろう!水槽だって気になるでしょう?」
確かにこの別荘の目玉は空間魔法を使って海と直結させた水槽だからね。
一体どんな感じなのかすごく気になる。
フェムトも自信たっぷりって感じなので
きっと凄いものが出来ているんだろう。
フェムトに連れられて別荘の中に入っていった。
「フェムト地下以外見終わって、水槽がなかったって事は地下がそのスペースって事でいいんだよね?」
ただいま別荘の見学中、地上部分は全部見終わって、水槽のすの字も無かったので、まだ見ていない地下部分に水槽部屋があると言う事だろう。
フェムトはニヤニヤこちらを見るだけで返事はしてくれない。でも地下に向かう階段に向かっているのでそういうことだろう。
地下へ向かう階段を降りると、そこには水族館に置いてあるような超巨大水槽が設置された部屋になっていた。
読んでいただきありがとうございます。
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