第44話

「で、そのレッドドラゴンのルージュを連れ帰ってきたんだね」


火山の火口から帰ってきて何があったか留守番組に説明していた。


「なんと言うか、コウっていつもやることが予想の斜め上を行くよね」


「正直、今回は俺自身全く予想出来なかった。

でも、ルージュ可愛いでしょ?」


「まぁね、レッドドラゴンの時点であれだけ賢いんだから時間はかかるかも知れないけど幻獣種に進化すると思うよ」


フェムトから見てもレッドドラゴンの時点であれだけ賢いのは珍しいみたい。


ルージュは皆に挨拶した後、撫でられたりして可愛がられてペットの地位を無事獲得した。

ちなみに1番熱心に可愛がっているのはメルだ。


「メルって動物好きだったの?」


昔からメルと友達だったマルタに聞いてみる


「あれはこのままだと自分だけ飛行手段がないので、飛んで移動するってなった時に自分が置いて行かれないようにルージュちゃんと仲良くなって背中に乗せてもらおうという

打算ありきで可愛がってます」


だからかルージュがなんだかメルに対してだけ素っ気ないのは。


他の人のは撫でられると尻尾を振って喜んだりするのに、メルの時は尻尾を全く動かさないし、もし表情筋があったら真顔って感じだ。

後でまずは純粋に可愛がってみたら?ってメルにアドバイスしておこう。


「ルージュちゃんはどうやってお世話するつもりかちゃんと考えてる?」


「寝床を作って後は自由にさせるつもりだったけど」


「ぎゃ!ぎゃー」


それを聞いたルージュが突っ込んできた。

驚いたのはルージュが突っ込んできても余裕で受け止められた事。

ルージュより俺の方が力も強いらしい。


「ルージュちゃんも別の所じゃなくて一緒に暮らしたいんじゃない?」


「ぎゃう」


多分、うんって言ってる。

と言ってもなー、レッドドラゴンの中では小さいと言っても5mはあるので同じ居住スペースで暮らすというのはちょっと難しい。


そう言ってルージュを説得しても嫌々と首を横に振るどうしようかと考えているとルージュが突然光出した。


光が収まるとルージュが全長1mぐらいに縮んでいた。


「ちっちゃくなれるんだ。これなら一緒でも良いかな」


「ぎゃーう♪」


「でも、更に半分ぐらいちっちゃくなれない?」


そう言うともう一度ルージュが光って今度は30cmぐらいのミニドラゴンになった。


「これなら完璧だ。同じ家で暮らせるよ」


余程嬉しかったのか小さい体で俺の周りを飛び回ってる。


「後、温泉はどうなったの?」


「温泉は、丁度火の精霊王の支配領域と水の精霊王の支配領域の境界になってる活火山があるんでしょ?そこで源泉を掘るところから始めようかなって」


この際ハワ○アンズ的な施設を作るのもいいかなって思ってる。

俺はアイデアを出すだけで、色々作るのはフェムトにお願いすることになるけど。


「温泉を1から作るってこと?僕は良いけどメルちゃんは試練受けに行きたいんじゃない?」


確かにじゃあ1人で受けてきてって言うのも可哀想だし、それに獣王国にも顔出しとかないと明日メルと行ってこよう。

ルージュはダメって言っても着いてくるかな?連れてったら獣王国パニックになるかな?ルージュは可愛いし大丈夫だろ。


「フェムト様の言う通り試練を受けに行きたいです」


「勿論、温泉より試練を優先するけど、明日は獣王国に行こうと思う、神託があってから会いに行ってないし、装備に使える素材渡しておかないと」


「確かにそうですね。兄にあってもらった方が兄に対していい感情を抱いていない貴族への牽制になりますし、素材だって人間じゃ

到底手に入らない伝説レベルの物。お母様にも会いたいですし、明日は獣王国に一緒に行きます」


「明後日は白虎の試練を受けに行こうな」


「はい!」


俺も白虎に会ってみたいし、フェムトが試練を突破したらメルが白虎になれるって言ってたんだよね。是非モフらせて欲しい。


「で、ルージュの話に戻るんだけど、ルージュってどのぐらい強いの?」


ホムラが普通のレッドドラゴンに比べたら弱いって言ってたけど、どのぐらい差が有るんだろう?

後、実際に戦ってるところを見てみたい。


「同じレッドドラゴンに正面から1対1で戦ったらルージュちゃんは何回戦っても勝てないだろうね」


思ってた以上に差があるみたい。


「レベルを上げれば解決すると思うけどね」


ルージュだけじゃなくてレベルを上げれば大体の悩みは解決するよね。


「それなら今からレベル上げを兼ねてルージュの戦い方を見せて貰うって感じでいいかな?」


「良いんじゃない?僕もルージュちゃんもがどんな進化するか気になるし、レベル上げは積極的に手伝って上げた方がいいと思う。ドラゴンだからレベルを上げ為の必要経験値が多いから時間もかかるし、流石に精霊王よりはレベル上がりやすいけど」


何回か戦闘を見せてもらったらフェムトのメタ○スライムでレベルをある程度上げるのがいいかも知れない。

ひとまずフェムトに相談してみよう。


ルージュもやる気満々みたいだし、どんな戦い方をするのか楽しみだ。



読んでいただきありがとうございます。

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