第39話
泡吹いて気絶してる国王どうしよう?
そうだ!逆行を使って気絶する前まで戻そう。多分できるはず。
「…やっぱりこうなったか」
逆行を使う作戦は無事成功して、国王はすぐに目を覚ました。
「ごめんなさい。流石に詐欺師呼ばわりはイラッと来ちゃってつい殺気が漏れてしまいました」
「詐欺師呼ばわりされたら誰でもキレる。
それが分かってるから、今回誰も着いてきてくれなかったんだ。ちょっと薄情すぎないか余の臣下たち?」
国王もぶっちゃけ始めちゃった。
「まぁ本題に移りましょう。結局、俺の事を詐欺師呼ばわりしてるのはどこの誰ですか?」
「教会の1部勢力とその勢力と付き合いのある貴族達だな」
「対処法考えるの面倒臭いしゴリ押しで行くか、水の精霊達集合〜」
おー思ったより集まった。
部屋の窓から外を見ながら呟く。
王都中に人に見える状態で万単位の水の精霊が現れていた。
「なんでみんなちょっと怒ってるの?突然招集かけたから?」
ディアーネさんが部屋の中に転移してきたので水の精霊達がなんで機嫌が悪いのか直接聞いてみた。
「自分たちのトップを詐欺師呼ばわりされてるからですよ。コウ様だってフェムト様が詐欺師呼ばわりされたらぶちギレるでしょう?」
もしそんな事あったらキレるだけじゃ済まないと思うよ?
「言いたい事は理解した。今は姿を見せるだけで良いけどこの後姿を一旦消して貰って、まだ詐欺師だって言ってたらそいつを凍らせたりして実力行使する感じで」
「そのぐらい皆喜んで手伝ってくれると思いますが、今回は必要ないと思いますよ。コウ様が詐欺師呼ばわりされてキレるのが私たちだけだと思いますか?」
怒ってくれる人はいっぱいいると思ってるけど
「ぶっちゃけ1番穏便に済みそうだったから水の精霊をよんだんだけど」
他のメンツは誰が来てこれ以上に大変なことになりそうだし。
「で、誰が何をしようとしてるの?」
「フェムト様が人間界に直接降臨して
コウ様が本物だって宣言するって言ってました」
「それ大丈夫なの?」
世界神様程ではなくてもフェムトが直接人間界に来たら確実に人間界の魔力濃度がまた上がっちゃうでしょ?
あれ?俺が呼んで既に何回か人間界にフェムト来てるよな?じゃあフェムトは大丈夫なのかな?
「アバターを使って来てるから大丈夫だよ。それに本体で来ても魔力濃度が上がるのは確かだけど、人間が住めなくなるほどにはならないよ。フィアちゃんたち精霊界で一緒に暮らしてるでしょ?」
確かに、フェムトが普段からいる精霊界でフィア達が普通に暮らせてるんだから問題ないか。
「じゃあ、さっさと終わらせて来るよ。長引かせる理由も無いし」
フェムトがそう言って転移で消えた。
そう言えば国王喋らないなと思ったらまた気絶していた。
後で胃腸薬はないから、クジャタの肉渡しておこう。
ワンパターンだけど美味しいものを食べるって結構ストレス発散になると思うんだ。
で、問題のフェムトはどこいったんだろう?
「あっいた」
王都の上空で神威解放してる。
でもアバターだからだろうか神威解放してないいつものフェムトの方が強い神様オーラが
出てる気がする。
それでも効果は凄まじく、街中で人が上空に向かって祈りを捧げている。
「僕は精霊神フェムト今日は文句を言いに来たんだ」
ストレートすぎる。ほら祈っていた人たちもえっ文句?ってなってる。
「僕のコウの事を詐欺師だって言ってる人達がいるらしいね」
わざわざ僕のって言う必要なくない?しかも語尾を強めて…凄い恥ずかしい。
「この際だからはっきりさせておく。コウは僕が正式に水の精霊王と精霊神の使徒に任命している。自分達の王を侮辱されて水の精霊達も怒っているからこうやって集まって姿を表してる。人間界でそれ程大きな災害が起きないのは精霊たちが抑えてくれてるからなのにわざわざ怒らせて何やってるの?
しっかり今回の事に落とし前つけないと少なくとも水の精霊は災害を気にしなくなるだろうし、他の属性の精霊だってそれに続く子も出てくるだろうね。じゃあ僕の言いたいことは言ったから」
そう言い残してフェムトは消えた。
「だそうです。国王陛下」
気絶してフェムトの言葉を聞いてなかったというのは不味いかな?と思ってフェムトが喋り出す前に権能を使って起こしておいたんだけど…国王、一気に十歳ぐらい老けた気がする。
「余、今日限りで王位を息子に継承して隠居しようと思う」
「そう言う話は今急いでこちらに来ている家臣の方達とお話してください。後、馬車を止める場所にシズの羽とかクジャタの牛革とか素材置いていきますので装備に加工するなりして利用してください。肉はここに置いていきますね」
本当はリバイアサンの抜けた牙とか生え変わった鱗とかいっぱい貰ったのでそれもあげようかなって思ってたけど今回は辞めておいた。
素材をあげること自体やめても良かったんだけど、こっちの味方をしてくれる人は強化しておいた方がいいかと思って素材をあげること自体はやめなかった。
精霊界でフェムトが待ってるだろうし、これ以上巻き込まれるのは嫌なのでささっと素材だけ置いて精霊界に帰った。
読んでいただきありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます