第38話
料理長は強敵だった。希少部位だって言ったって元がデカすぎるせいで食べきれない量あるからって言ってもただでさえ伝説の牛肉なのにそれの最高級部位なんていくら量が多くても貰えません許してください。
って言われてしまった。結局シャトーブリアンしか渡さないですってゴリ押しして渡した。
その後は精霊王の宝玉の完成を遅らせる訳には行かないので1度精霊界に戻った、王城に行くのは午後でまだ時間もあるから遅れる事もないだろう。
「精霊王の宝玉、もうちょっと早く作れれば良いのに」
「流石に片手間で作るようなものじゃないからね精霊王の宝玉は」
拘束時間は1時間ぐらいだし、その1時間がとれないぐらい忙しい訳でもないし1回作れば終わりだからそこまで気にする必要はないか。
「城に行くのにはまだちょっと早いな、何して時間潰そう」
料理をしたりするには時間が少ないんだよな〜、流石に料理してて遅くなったとか言い訳したか無いし、でも午後から行くとしか言ってないから別にいつ行っても嘘ついてることにはならないけど、そんなことするつもりは無いしあと1時間ぐらいか、ちょっと早めに行っても問題ないか、直接城に転移するんじゃなくて1度王都の屋敷に転移して屋敷の人にアポ取ってもらってから城に行くし。
「あ!コウさんこっちに帰ってきてたんですね」
「あれ?イスカさんこっちにいるんですか?リバイアサンの縄張りに帰ったって聞いてたんですけど。後、今回は協力してくれてありがとうございました。今度正式にお礼しに行きますんで、何か欲しいものとかありますか?」
「コウさんとの婚約」
「ストレートに来たね。リバイアサン全体がそれでいいって言うならそれでいいけど」
まぁリバイアサン達とは仲良くしといたほうが良いだろうし、
宴会をやった時もイスカさんと俺がくっつくのを期待してるって感じのリバイアサンが多かったからもしここで断って関係が悪くなるのは困る。
それだけじゃなくて、普通に女性として好きだって思える人だし、他の妻達とも仲良くしてるからイスカが妻になって妻同士のトラブルが起きたりとかもしないだろうとか他にも色々理由はあったけど。
でも、これでもう五人目か…これ以降はしっかり断ろう。
「えっ!良いんですか!」
あれっなんかイスカさん、俺が良いよって言ったのに驚いてる?もしかして断らなきゃダメだった?
「今なら全然、別のに変えるのも大丈夫だよ?」
「いや撤回とか絶対しないです!コウさんがやっぱなしとか言うのも許しません。ぶっちゃけ別のを考えてって絶対言われると思ってたので、普通に良いよって言われてビックリしただけです」
「そう?じゃあこれからよろしくねイスカ」
「はい!よろしくお願いします。早速私は里に帰って皆に伝えてきますね」
「今からだと俺は一緒に行けないから明日にしない?」
「コウさんの方が上位者ですからこちらから出向く必要は有りません。コウさんが私たちの里に来るなら、私が報告しに行って、向こうから祝福に来てもらってからになります」
「わかった。リバイアサンの里には1回行ってみたいしその時になったら案内して」
リバイアサンの里、話だけはイスカから聞いたことがあるけど、水中なのに陸と変わらず生活できる場所もあるって言ってたしぜひ1回行ってみたいなと思ってる。
「それで今から里に帰っていつ帰ってくるの?」
「何がなんでも今日の夜には帰ってきます。なのでコウさんもこっちにいてくださいね?じゃあ行ってきます」
「今日は僕の番なんだけどな〜、まぁ夜はイスカちゃんに譲ってあげればいいか。コウ用事をすぐに終わらせて出来るだけ早く帰ってきてね」
努力はするけどそんなに早く帰って来れるかな?なんか色々巻き込まれそうな気がする。
フィア達もフロンにいるから迎えに行ったりもあるし、そこでオルトレーさんと話になるだろうからまた時間かかるし。
「フィアちゃんたちはディアーネに迎えに行かせようだからコウは王都のあれこれをすぐに片付けて帰ってくること」
これはもう何を言っても聞かないだろう。
「わかった出来るだけ早く帰ってくる」
本当はしっかりした手順をふんで王城に行く予定だったけど、全てすっ飛ばして王城に転移した。
「そう何度も掃除中にかち合うとかないか」
転移して来ていいように用意されてる部屋から出て廊下に歩いていた人のコウが来たって国王陛下にお伝えしてとだけ言って部屋に戻った。
部屋で寛いでると国王が1人ですっ飛んできた。
「お久しぶりです。国王陛下」
よく見ると顔色が良くない。今回はまだ何もしてないんだけど?
「大丈夫ですか?その無理をしない方が」
「問題ない。今からコウ殿に伝える事を考えるとこうなってるだけだ。聞いて怒るのは仕方ないと思うが出来るだけ抑えて欲しい」
えっ何があったの?俺基本、妻か精霊を馬鹿にされないとキレないけど。
「コウ殿が水の精霊王など嘘だ。あいつは詐欺師だと吹聴しだしたヤツらがいてな。報告しない訳にも行かず」
「はぁ?」
あっやべぇ、流石に詐欺師呼ばわりはムカついたから殺気が漏れちゃった。
そのせいで国王、口から泡吹いて気絶してるんだけど。
これ帰るの絶対遅くなるやつだ。
読んでいただきありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます