第34話

「普通は権能を報酬にとかしないんだが、お主はあれを封印したまま放置しておくつもりは無いのだろう?」


「それはもちろん。あれで終わる程簡単な相手だと思えませんし、安心して暮らすためにもしっかり消滅させておきたいなって思ってます」


「そうだろう。なら儂からもあれの権能を対処出来る権能を与えて支援しようかと思っての」


ニョグダ?の攻撃回復魔法も効かなかったし、腕を切り落として新しく生やしても治らなかったもんな。

それに対処出来る権能をくれるって言うなら

貰っておいた方が良いだろう。


「そういえばあいつの権能ってどんなものなんですか?」


「侵食と言ったところかの。お主が感知出来なかったのは魔力が流れる地脈を侵食し制御下においてその地脈から攻撃されたからだな。それにしても厄介な権能だ管理神が手をまわしていたのもあって人間界の地脈ほぼ全てが侵食されている。聖王国の後始末と一緒に地脈も正常化しておくがこれ以上酷かったらほかの世界に影響を与えないように隔離して消滅させないといけないところだった」


冗談抜きで人間界消滅の危機だった。


「ちょっと気になったんですけど、世界神様なら今回の件も簡単に解決できるんじゃないですか?」


「あれを消滅させるには人間界に直接出向く必要があるのだが、儂が出向くと儂から溢れる余剰分の魔力のせいで人間界の魔力濃度が精霊界以上になって人が住めなくなってしまう、それでもいいなら確かにすぐ解決出来る」


それは代償がデカすぎる。まぁ新しい権能をくれたりサポートはしてくれるみたいだし、それでじゅうぶんか。


「あれっでも聖王国の後始末やら地脈の正常化をするって言ってましたよね?」


人間界に人間が住めなくなるんじゃ。


「それはあくまで儂が直接人間界に出向いたら場合の話だ。聖職者への神罰や地脈の正常化ぐらい人間界に出向かなくとも出来る。

それでも魔力濃度は倍ぐらいにはなると思うが」


「魔力濃度が倍になった事で人体に影響とか無いんですか?」


「倍ぐらいなら特に問題は無い。ただ魔物が強くなったり、ダンジョンの階層が増えたりぐらいは起きると思うが」


人が住めなくなるよりは全然良いけど、結構

大変かもしれない。

武器防具になるような魔物素材をもっと供給した方がいいかもしれない。


「ちょっと待ってください。今世界神様と直接話してますよね。精霊界で」


「そうだな」


「精霊界の魔力濃度やばい事になってるんじゃ…」


フィア達を連れて来れなくなるのは困るんだけど。


「それは心配いらない。魔力濃度が上がらないよう現在進行形でフェムトが色々やっているからな」


「そろそろ限界だから早く帰って欲しいんだけど」


やけにフェムトが大人しいなと思ってたけどそういうことね。


「じゃあ権能を渡してさっさと神界に帰るか、ほれ」


体の中になにか入ってくるような感覚がした。権能を手に入れたという事で良いのだろうか。

進化したりスキルを手に入れると聞こえる声は聞こえないけど。


「よし無事に権能が馴染んだみたいだな。

あまり時間をかけるとフェムトがうるさいから簡単に説明するぞ。今回渡した権能は

逆行、これなら侵食される前に対象を戻すことが出来る。他にも使い方は色々あるだろうがそれは自分で考えてくれ」


逆行があれば歴史改変とかも出来ちゃうんだろうな。使い方はしっかり考えた方が良さそうだ。


「それとお主が作っていた羊羹とかにせんべいが気になってな。余ってたら欲しいだが」


「その2つだったらストックがあるのでどうぞ」


世界神様に羊羹とかにせんべいを渡した。


「ずっと気になってたんだ。ありがとうな」


世界神様の見た目的に和菓子って似合うよね。今度おかきとか作ったらフェムトに持って行って貰おう。今川焼きとかもいいかもしれない。


「じゃあまたな」


それだけ言って世界神様は消えていった。

結構軽いノリの神様だったな。


「はぁやっと帰った。コウを治してくれたし文句を言いたくないんだけど、魔力が拡散しないように保つの本当に大変だった。コウ世界神様の残った魔力を消費するためにメタ○キング出すから倒して」


メタ○スライムであんなにレベル上がったのにメタ○キングを倒したらどれだけレベルが上がるんだろう。

そうだフィア達に倒してもらんじゃダメなんだろうか?


「フィアちゃんたちはメタ○スライム一体倒せば少なくとも100ぐらいレベル上がるからあとからでも大丈夫。それより僕も魔力が拡散しないように保つの結構限界が近づいてるからどんどんメタ○キングに変換するからね」


フェムトがそう言ってメタ○キングをワラワラ生みだし始める。

それを水魔法でどんどん討伐する。

ドラ○エのメタ○モンスターと違って魔法が聞いてほんと助かった。

あれみたいに魔法が効かなくて硬くて素早いとかだったらめっちゃ手こずってたと思う。


「これぐらいなら大丈夫。コウレベルいくつになった」


「Lv152になった。身体能力が上がりすぎて感覚が掴めない」


メタル○ング狩りの途中位置を移動しようと

足に力を入れたらそれだけで地面が陥没して

盛大にコケた。

しっかり感覚を掴まないとまともに歩くことも出来ない。


「だからさっきから1歩も動いてなかったんだね。手伝うから早く感覚を掴んで歩けるようになろうか」





読んいただきありがとうございます。

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