第33話

「さっきから動く気配は全くなし。今の時点で異世界の神が封印できちゃってるなら良いんだけどそんな訳ないよな」


こっちの行動がバレてたから最悪のタイミングで俺と関わりがある都市が3箇所同時に襲われてるのに、本人は特に移動したりせずそのままな事を考えると既に対策をされた後って考えた方が良いだろう。


でも、フェムトに貰った権能の力を強める魔道具とレベルアップしてる事については知らない筈なので対策されててもなんとかなると思う。


移動しなかったのは単純にこちらを舐めてるからとかだったら楽だけど楽観的すぎるか。


「どちらにせよ接触しなきゃ行けないのは変わらないんだし覚悟決めてさっさと行くか」


今まで以上に警戒をしながら嫌な感じがする魔力を発している中心に向かって移動した。


「そういう系の見た目してる神様か〜」


目の前にいるのは粘性がありアメーバをそのまま巨大化したような異形の存在だった。


「クトゥルフ神話TRPGでニョグダって言う似た様な神様がいたな」


もしかしてほんとにニョグダなのでは?

日本にいた時は人間が考えた架空の神話だって思ってたけど、こんな経験をした後だともしかしたら存在するんじゃ?とか考えちゃう。

ニャル様とかが本当に存在してたら厄介てレベルじゃないんですけど。

少なくとも俺は絶対に会いたくない。


「目の前で呑気に考え事しても、何もしてこないか」


ニョグダ?の前で呑気に考え事してた訳だが

何もしてこなかった。魔力を制御して魔法を使おうとする気配もない。

俺がもっと油断するのを待ってる?

う~ん判断が出来ない。

警戒は最大限しながらニョグダ?に直接権能を使って封印しちゃおう元からそのために来たわけだし。


今ある魔力の9割を使ってニョグダ?だけに権能の停止を発動する。


「あっぶな!」


ニョグダ?権能で封印することにはおそらく成功した。

島全体に漂っていた嫌な感じがする魔力が

ニョグダ?周辺にしか感じれなくなってる。


「最後のどうやって攻撃してきたんだ?

魔力も制御している感じがしなかったし」


権能を使ったのと同時にコウの足元から間欠泉がお湯をふき出したみたいに紫色の煙が噴き出した。

ニョグダ?が魔法を使おうと魔力を制御した反応が全くなかった。

紫色の煙が噴き出した場所に魔力が集まる事も無かったので完全に反応が遅れてしまった。

結果左腕に紫の煙を浴びてしまい左腕が紫色に変色してしまっている。


「回復魔法で治るかな?」


試しに左腕に回復魔法をかけてみるが全く効果がなかった。それどころかじわじわと紫色の部分が広がって来ている。


「なんかこのままはやばい気がする。権能使えば止まるみたいだけど……切り落とすか」


このままにしておくのもまずい気がしたので魔法で自分の左腕を切り落とした。

フェムトに確認してもらうため左腕に権能を使っい直接触るのはなんか嫌だったので氷漬けにして収納魔法の中にしまった。


「魔力を消費するだけで欠損した部位が復活するって凄いよね。流石、半精神生命体

うへぇなんで生やした腕もこうなってるの」


なんと生やした腕も紫色に変色していた。

焦ってもう一度左腕を切り落としさっきと同じように処理をして収納した。


「魔力も少ないから無駄使いしたくないのに」


少ないと言っても本来レベルを1上げるのにも大量の経験値が必要なコウをフェムトの力技でLv50まで上げたので少ないと言ってもLv10のコウ5人分は余裕で残っているので余程の緊急事態がなければ問題ない。



「皆の確認に行きたかったけど左腕をどうにかするのが先か」


フェムトに左腕を診てもらうため精霊界に転移した。


「コウ早く左腕を見せて!」


「落ち着けフェムトなんの為に儂が来たと思ってる。ほれもう元通りじゃ」


精霊界に転移したらフェムトと一緒に知らないおっさんがいた。

おっさんがもう元通りと言ったので左腕を見ると本当に元通りになってる!


「驚いておるの。儂は皆に世界神と呼ばれている神じゃ、一時的にとはいえあれを封印してくれた事感謝する」


世界神ってフェムトが様付けで呼ぶ神様じゃん。おそらく最高位の神様だよね?だって世界神だし


「まぁ一応最高神をしておる。だがフェムトのように普通に接してくれ」


それは流石に難易度高いかな。

フェムトだって様付けしてる相手だよ?

あっ左腕治してもらったお礼しないと。


「まずは左腕を治してもらってありがとうございます」


「気にするな。ここまで大事にになったのはこちらのせいだからな。それで人間界の管理神でお主がニョグダと呼んでいたやつと関わっていたやつは対処しておいた。エステル以外全員対処することになったが…」


「管理神が一気にいなくなって人間界は大丈夫なんですか?」


「今回はこれ以上酷くならないように儂も手を貸すことにしたから問題ない。とはいえ後任も早く決める予定だが我こそがというやつが多すぎてな少し時間がかかる。

それと今回のお詫びと報酬を兼ねてお主に権能をさずけようと思っておる」


「権能を!」


それって報酬なんかで渡していいものなの?と思うコウだった。




読んでいただきありがとうございます。








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