第31話

マルタのレベリングを手伝った次の日、

コウはずっと何かしらやってて休んでないから今日は何もしないでダラダラする日ねと強制的に休みの日になった。

だったらと料理しようかなって調理場に行こうとしたら今日は料理も禁止って止められた。


なので精霊王の宝玉を作るために王座に魔力だけ込めて、今はフィアに膝枕をされながら耳掃除をしてもらってる。

これだけで人生勝ち組感が凄い。


「ちゃんと休んでるみたいだね。まぁフィアちゃんがいれば逃げたりはしないと思ってたけど」


フェムトが来たので膝枕から起き上がる。

また後でやってもらおう。


「そんなに信用ないの俺?元々ダラダラするのが好きな人間だからやることが無ければ一日中ダラダラしてる人だよ俺は。それにこっちに来てから自分のやりたいことしかやってないから実質毎日休み的な?」


後はあんまりだらけ過ぎてフィア達に嫌われるのも嫌だしね。


「好きなことしかして無くても体は疲れるんだからしっかり休まなきゃダメだよ」


「それもそうか。これから定期的に何もしない休みの日をとることにするよ。それとちょっと気になってたんだけど。俺って集団転移に巻き込まれてこの世界に来たんだよね?」


「そうだよ」


「じゃあハジメくん以外の転移者もいる訳だよね?その人達って今何してるの?」


「異世界デビュー決めようとして調子乗って死んだのが5人、いきなり強い力を手に入れて調子乗ってたから天罰で殺したのが15人。後はこないだコウが乗った飛行船作った子、元々仲の良かった子達で堅実に冒険者してる子達6人、後は聖王国に捕まっちゃった聖女の子で全員かな?」


「なんというかろくな奴がいなかったんだね。で、捕まっちゃったっていう子は何か悪いことして捕まってるの?」


もう既に約3分の2が死んでるし。

でも、残った子達ならもし会うことが会っても厄介なことにはならないかな。

聖女の子もフェムトの言い方からして悪いことして捕まったんじゃなくて聖王国が利用する為に捕まえたっぽいし。


「そうなんだよね〜。聖女の子は路銀を稼ぐために治療しながら自分にあった街を探してたんだけど、聖都に入ったのが悪かったね。直ぐに聖女だってバレて保護という名の監禁。教皇や1部の枢機卿が自らの権力を強めるために脅して利用してるかんじだね」


「それがホントなら神様的になにかしたりしないの神罰とか」


「いつもだったら神罰で今回の関係者一掃で終わりなんだけど今は異世界の神が潜伏して機会を伺ってるからそっちまで手が回らないんだよね。そもそも僕は人間界の管理神じゃないから神罰も落とせないし」


これにも異世界の神が関節的とはいえ関わってくるのか。

いや待てよ?恐らく今の教皇や1部の枢機卿は自分の権力とかにしか興味が無いとんでもない奴らだろう。

国として成り立っている以上教皇に野心が全く無いのも問題かもしれないけど。


そんな教皇たちに異世界の神が接触してる可能性は?もしかして既に異世界の神信仰してたりしない?


「ちなみにだけどフェムト、教皇とかって神託を受けたり出来るの?」


「……教皇や枢機卿だからと言って神託を受けれるわけじゃないけど確か聖都には身につければ神託を受けれるようになる神具って言われてる道具があった気がする。コウは異世界の神が神託という形で教皇とかに接触してるんじゃって言いたいんだね?」


「何となくそんな気がする」


「僕もそんな気がするから直ぐに人間界の管理神に確認取らせるよ。思った以上にことが大きくなりそうで頭が痛い。これが精霊界だったら僕が指揮をとって解決できるんだけど。今回それをやっちゃうと人間界の管理神のメンツを潰す事になっちゃう。でも色々後手に回ってるのは確かだし恨まれるの覚悟で介入するべきだろうか…」


神様も大変なんだな…。

真面目な表情をして悩んでるフェムトも可愛いな。

普段は絶対しないレアな表情しっかり目に焼き付けておかないと。


「はぁー、今返事あったんだけど教皇に異世界の神から神託を受けた形跡ありだって」


あちゃー当たって欲しくない予想が見事的中

フェムトも最悪って顔してる。


「俺も何か手伝った方がいい?」


「ひとまず聖王国は人間界の管理神達に任せよう。コウは帝国の方を警戒していた方がいいと思う。後は管理神達の信徒に紛れて異世界の神の信者がリンファスに紛れてこないかだけど、現時点だと見分けもつかないし対処が難しい。完全に良いように出し抜かれてる感じだね」


なんかこのままだとまずい気がする。

後、人間界の管理神頑張ってるんだろうけど

本当に解決できるの?って思っちゃう。

個人的にはフェムトの方が信頼出来る。


「あっエステルから連絡が来た。

なになに異世界の神を一時的にでもいいから封印して欲しいか」


「フェムトが封印してくれるならこれ以上好き勝手されるのは防げる?」


「いや、やっぱり僕が出張るのはダメらしい。エステルはほかの管理神を必死に説得したみたいだけどダメだったみたい」


「じゃあなんでフェムトにその話がきたの?まさかエステルさんの独断?」


「違うよ。一時的な封印をコウにやって欲しいだってさ。それならほかの管理神も渋々だけど納得してくれたって」


なんかまたややこしい事になってきたなーと思うコウだった。

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