第28話
「お疲れ様マルタ。戦闘が終わって気分が悪いとかそういうのは大丈夫?」
「はい!大丈夫です。それよりさっきの戦闘でこうした方がいいとかアドバイスありませんか?」
「初めてなのに凄い冷静だったしアドバイスとかはないかなぁ。だってあの倒し方したのだって素材として価値が下がらないようにって事まで考慮してでしょ?」
1cmぐらいの氷の塊を10個飛ばす、ストーンバレットの氷版みたいな魔法も使えるように練習してたはずだ。
この魔法ならウルフ程度なら全部を避けるのは難しいと思うのでさっきの戦闘より短時間で終わっただろう。
ただし何度も魔法で攻撃する事になるので毛皮が傷ついて素材としての価値は下がる事になるけど。
だから毛皮を傷つけないで一撃で倒す方法を考えた結果がさっきの戦い方だったんだろう。
初戦闘でここまで考えられるマルタにアドバイスなんて思い浮かばない。
これがフィアとかフェムトならアドバイスの一つや二つできたのだろうけど、俺も戦闘経験が豊富な訳じゃないし魔法でゴリ押しが基本戦法だからね。
「ウルフぐらいだったら気にしなくて良いかな?とも思ったんですけど急ぐような状況でもなかったですし、自分がどこまでやれるか確認も兼ねてあの戦い方をしました」
マルタがレベルをもっと上げるため魔物をもっとどんどん倒したそうにしてるので今までは森の外側を歩いていたけど中心に向かって歩いて行く事にした。
この森は中心に向かうほど魔物が強くなって数も増える感じになっている。
「やっぱり中心に向かって歩くと直ぐに魔物が見つかるね。今度はゴブリンかな?が5匹」
?がついたのは実はゴブリンまだ遭遇したことが無いんだよね。
異世界物の定番オークにも会ったことがない。やっぱりこの世界のオークもお肉が美味しいらしい。最近食べてるバハムートとかクジャタやシズには劣るけど。
この森には居るらしいからもしかしたら遭遇するかもしれない。
味が気になるし1回ぐらいは遭遇したいな。
そんな事より何体相手をするかマルタに確認しなきゃ。
「マルタ今回はどうする?」
「ゴブリンはウルフに比べれば足が遅いですし、元々素材としての価値が有りませんので気にせず攻撃が出来るので5匹全部私が倒します」
俺もそれで問題ないと思うのでマルタの邪魔にならないような位置に移動する。
少し待っているとゴブリンたちが現れた。
マルタはゴブリン達を確認すると予め準備していたストーンバレットの氷版、長いのでアイスバレットでいいか、アイスバレットでゴブリンに攻撃を仕掛ける何匹かが足を撃ち抜かれてその場で倒れた。
マルタはそれを確認しつつ2発目のアイスバレットを発射。
こんな感じでゴブリン達に反撃する暇を与えずアイスバレットを5連射したあたりでゴブリン達は全身から血を流して絶命していた。
これをウルフにやってたら毛皮が穴だらけで素材の価値がもの凄く下がっていただろう。
ゴブリンは元々素材としての価値が無いので問題ない。唯一魔石は売れるけど大した金額じゃないので別に取る必要もない。
倒したゴブリンはそのまま放置してどんどん中心に向かって歩くと5〜10体ぐらいの集団のゴブリンと何度も遭遇した。
直近ではゴブリンの上位種ホブゴブリンやゴブリンシャーマンが混じっていた。
皆マルタの経験値になったけど。
そのおかげでマルタは今までの倍ぐらいまでの魔力を制御しても大丈夫になっていた。
「進めど進めどゴブリンばかり。せっかくなら食べられる魔物が出てくればいいのに」
熊の魔物も出るって聞いてたから熊肉ちょっと期待してたのに。
「私は食べれる必要は無いですけど。確かにここ迄ゴブリンだらけだと気が滅入ります。ここら辺に巣でも有るんでしょうか?」
「ゴブリンが沢山集まっている所があるしそこが巣だと思うよ。丁度いいしこのまま巣まで行ってレベルをしよう」
「コウさん?たかがゴブリンと言っても流石に1人で巣を殲滅は無理だと思うのですが」
「俺がゴブリン全員の動きを止めるから。動かないゴブリンを1匹づつ倒すだけだから大丈夫だよ」
ゴブリンとはもう何度も戦闘したし若干パワーレベリングしても問題ないだろう。
魔法を使っての戦闘もティアナさんに鍛えられたからかそれとも才能があったのか、
凄い上手いし。
多分両方だろうな、才能があっても教えてくれる人が約立たずだったら意味ないし。
「良いんですか?」
「今まで戦闘を見てたけど想像の何倍もしっかり戦えてたしこれなら少しぐらいパワーレベリングしても大丈夫ですかなってそうした方が早くホムラの試練も受けられるでしょ?」
「コウさんが大丈夫と言うならそうしましょう。確かにホムラ様の試練は早く突破したいです」
方針も決まったのでゴブリンの巣と思われる場所に一直線に進んでいく。
道中やはり大量のゴブリンと遭遇するけど
俺が動きを止めてマルタにとどめをさしてもらうという感じで最速で経験値になって貰った。
「感知でわかってはいたけどこれだけ量がいると気持ち悪いな」
目の前には約1000体ゴブリン達の巣があった。
読んでいただきありがとうございます。
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