第29話

「……流石に多すぎませんか?この数なら確実にキングがいる規模ですよ?」


「こんなの数がいるうちに入らないから大丈夫。それにキングって言ったってゴブリンキングは良くてBランクだし、そもそも全員俺が拘束するからどれだけ居たって関係ないよ」


この巣でのマルタの仕事は全く動かないゴブリンを一体ずつ倒していくだけ。

それを1000回繰り返すと考えるとちょっと疲れるかもしれないけど。


「じゃあ早速殺っていこう。数がいるから時間がかかるしね」


権能を発動して、ゴブリン達の時間を停止させる。

俺自身もこの間レベリングしたからこのぐらいは余裕で出来るようになった。

レベリングと言えば何千何万単位でクラーケンが出てくる海底洞窟に連れてかれたな〜。

あの時ゴブリンみたいにクラーケンが出てくるって思ったけど実際はゴブリン以上に大量にいたな。あの海底洞窟どうなってるんだろう?


「え〜っとコウさん?何も起きてないように見えるんですけど」


動かなくなっただけで見た目の変化は無いからね。

分かりやすいようにゴブリンの前に歩いていってゴブリンに対して手を降ったりしてみる。当然ゴブリンはなんの反応もしない。


「ゴブリンに何をしたんですか?」


「結論を言うとゴブリン達の時間を止めて

る」


「……もうなんでも有りですね」


「なんでもは出来ないよ。出来るのは水属性の魔法と色んなものを停止出来るだけだよ。」


「十分過ぎます!うわぁ…本当に動きませんね」


マルタがゴブリンをつんつんして動かないのを確認している。


「ゴブリンをつんつんして遊ぶのもいいけど、数がいっぱいいるから早く倒していかないと帰るのがどんどん遅くなっちゃうよ?」


「その通りですね。いつまでも遊んでないで早く終わらせることにします」


そう言ってマルタがまずは普通のゴブリンからせっせと倒し始めた。


「ゴブリンだけでだいぶ時間がかかりました……ゴブリンだからあんなに倒したのに大してレベルも上がってないですし」


「確かに時間が掛かったけど残りは少しだけだし、上位種だからレベルも沢山上がると思うよ」


げんなりしていたマルタが確かに!とやる気を取り戻し残りの上位種を倒しに行った。


確かに普通のゴブリンを全部倒しきるのに2時間ぐらい掛かった。でも、この巣にいるゴブリンの9割が今倒した普通のゴブリンなので残りは1割だけ、と言っても残りはホブゴブリン、ゴブリンシャーマン、ゴブリンソルジャー、ゴブリンジェネラル、ゴブリンキングと言った上位種達なので普通のゴブリンより耐久が高くて倒すのに時間がかかるから

さっき迄と同じくらい時間がかかるかも知れないけどね。

これを言うとマルタのテンションが著しく下がるだろうから言わないけど。


結論から言うと2時間は掛からなかった。

1時間は掛かったのでそれなりに時間は掛かったけど。

途中からマルタがコウさんの嘘つき〜って言いながらゴブリンの上位種を倒していた。

代わりにレベルは大分上がったと思うので許して欲しい。


「マルタお疲れ様レベルいくつになった?」


「ちょっと待ってください今確認します…Lv31まで上がりました!」


おー中々レベルも上がったみたい。

これなら魔力抵抗もちょっとはマシになったかな?


「一度に使える魔力量も大分上がりました」


そう言って今日活躍したアイスバレットを発動すると。レベルを上げる前とは数も一つ一つの大きさも段違い。

これならBランクぐらいの魔物にもダメージを与えらるだろう。

数を減らして威力重視にすればAランクの魔物にもダメージを与えられるかもしれない。


でもダメージを与えられても倒すのは難しいと思うのでまだまだレベル上げが必要だろう。

今日は頑張ったしカニクリームコロッケを完成させなきゃ行けないから終わりだけど。


「あの…コウさん。最後にまた1人で戦いたいんですけどダメですか?」


どれぐらい魔法の威力が上がったか確認したくもなるか。

魔力感知をしたら丁度オークが近づいて来ていたのでそれの討伐を任せることにした。


「タイミングよくオークが近づいて来てるからそれを討伐しよう」


「オークですか?確かCランクの魔物でしたね。確かにどれぐらい魔法の威力が上がったか確認するには丁度いいかもしれませんね。待ってください!オークもゴブリンみたいに群れる魔物のはずです。何匹来てるんですか?」


おっ!ちゃんと気づいた。


「2匹しかいないから大丈夫だよ。もしダメそうだったら助けにはいるから」


「群れる魔物にしては少ないのは確かですが2匹ですか今日は1体1以外は避けてたんですけど…」


マルタは迷っているみたいだったけど

もうオークと接敵してしまった。


「ちょっそんなに近くにいたんですか?

今度来るまでに自分でも魔力感知を覚えておかないと」


マルタは咄嗟にアイスバレットをオーク達に向かって撃ち込んだ。

しかし威力より弾の数重視のアイスバレットだったのでオークが少し仰け反るぐらいのダメージしか与えられなかった。


「選択を間違えました。これならどうです?」


そう言って今度は氷の刃を複数オークに向かって飛ばして攻撃した。


氷の刃のサイズも大きくなってるし複数飛ばせるようになっていたみたい。


マルタの氷の刃が攻撃をされてマルタの方に突進していたオーク達の足を直撃、切り落とすことは出来なかったが深い傷を負わせた。

突進していた事もあってオーク達はバランスを崩して地面に倒れた。


「これで終わりです」


マルタは動けなくなったオーク達の首を

魔法で作った氷のギロチンで落とした。


読んでいただきありがとうございます。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る