第26話
「ほんとに片栗粉ですね。じゃがいもから出来るなら量も作れますし新しい料理も作れそうです」
ディアーネさんは量を使えるようになった片栗粉を使った新しい料理を考えているみたい。
肉団子の甘酢あんを教えて作ってもらおうかな?とか思ってたけど自分で考えるのが楽しそうだし少し時間を開けてからお願いすることにしよう。
カニクリームコロッケを作ろうと思ってたけど俺は邪魔かな?だったらフィアの所に行ってイチャイチャしてようかな。
「でも今はカニ料理です。コウ様、何を作るんですか?」
逃げられなかった。まぁカニクリームコロッケは食べたいし大人しく作ろう。
1回作ればディアーネさんがもっと美味しく作ってくれるし。
「カニクリームコロッケって言うのを作ろうと思います」
口頭で説明するより実際に作って見せた方が早いので早速調理を始める。
玉ねぎをみじん切りにしてバターで炒める。
全体が黄色っぽくなってきたら火を弱くしてから小麦粉を何回かに分けて入れてなじませる。
粉っぽさが無くなってきたら牛乳を少しづつ入れて滑らかな感じにする。
そこに主役のカニを入れて火を少し強くして
トロリとしてくるまで煮る。このときに塩コショウで味を調整する。
とろみがついたらパン粉を入れてサッと混ぜる。全体に混ざったら火を止めてトレイに移す。
ここで一度粗熱が取り2、3時間冷やす必要があるので時間ができる。
その間になにか作ろかな?と考えていると
調理場にマルタがやってきた。
「どうしたの?マルタ」
「レッドドラゴンを倒すにはレベルを上げて魔力抵抗を上げないと難しいと言われたのでレベル上げに行きたいのですが、皆さんがコウさんが一緒じゃないとダメと言うので一緒に来て欲しいです」
マルタは魔力抵抗がもの凄く低い。
それこそ魔力を使うために自分の魔力を制御しようとしただけでダメージを受けてしまう回復魔法でさえ逆にダメージを受けてしまうレベル。
今は自分の魔力抵抗以上の魔力を制御しないように練習して無詠唱魔法を使えるようになったけど、流石にレッドドラゴンにダメージを与えるのは難しい。
そこでレベル上げ。
レベルが上がれば魔力量や身体能力が上がるのと一緒で魔力抵抗も上昇する。
魔力抵抗を上昇させて一度に扱える魔力の量が増えさえすればマルタならレッドドラゴンとかいうトカゲぐらい余裕で討伐出来るだろう。
丁度時間が出来たのでマルタのレベルを上げる為に魔物討伐に行くことにした。
「2人っきりって初めてですね!」
今回出かけることはしっかり伝えたけど皆遠慮して着いてこなかった。
フェムトもちょうどいい魔物が出てくる場所に案内したあと転移でさっさと帰って行った。
多分自分達も2人っきりでどこかに行きたいって言う意思表示な向後がする。
魔物討伐デートってどうなの?
物騒な気もするけど2人っきりでなにかするのが重要か。
「本当はゆっくりデートとかしたいんだけどね」
「色々忙しいですし、しょうがないですよ。帝国と異世界の神が片付けばゆっくりできるでしょう。その時になったらしっかりデートに誘ってください」
「結婚式も出来てないし、早く問題を片付けてゆっくりしたい」
フィアの妊娠は凄く嬉しいけど、式を挙げる前に妊娠させてしまったのはちょっと罪悪感が有るんだよね。
「私を含めフェムト様に祝福して頂いてますし式を挙げる必要はないのでは?」
詳しく聞いたらこの世界の結婚式は教会で神に対して結婚を報告して祝福を与えてもらうもので当人たち以外立ち会うものじゃないし
俺たちは精霊神のフェムトに直接祝福して貰ってるので既に結婚式は終わっているという事らしい。知らなかった。
貴族の場合披露宴も行うみたいなのでそれに力を入れようと思う。
俺の招待一人もいないけど。フェムトに来てもらうか。
「披露宴プラス、リンファス、オルフェナスの王都、フロンでパレードもしなきゃ行けないので結構大変だと思いますよ」
披露宴が貴族に向けた結婚を祝うパーティ
パレードは国民や領民に祝福をしてもらうもの。
王族の結婚パレードは凄い派手にやらなきゃ行けないので正直疲れるってマルタも言ってた。
「それにどこで最初にするかで揉めると思います」
政治的なやつか…面倒臭いな。
「この際どこでやるかフェムトに決めてもらおうか。勿論、人間界に降臨して貰って」
流石にフェムトがこの順番でやれって言えば
反対する人なんていないだろう。
早い方が愛されてるとかそういうのじゃないって発言もして貰おう。
「だいぶ力技ですけど、それが一番穏便かもしれませんね。基本こう言うので騒ぐのは家族ですらない外野ですから」
確かに奥さんたちの家族の人たちはきちんと説明すれば納得してくれるだろうって感じがする。
派閥の末端とかがうるさいんだろうな。
うん絶対フェムトに決めてもらおう。
「おっ!この感じはただのウルフかな?
マルタ1人でやれる?」
「当然です!」
話をしながら森を歩いているとようやくウルフが出てきた。
1匹しか反応無いしマルタ1人で余裕だろうけど何があっても大丈夫なように俺も気を引き締めておこう。
読んでいただきありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます