第25話
シズの肉で作った唐揚げと親子丼は大人気だった。
特に唐揚げが人気で毎日食べても飽きないと騒いでいた。
後フィアには半熟じゃなくてしっかり火の通った親子丼を出したけど美味しいけど半熟の方も食べてみたいって顔をしていた。
出産して落ち着いたら好きなものを好きなだけ作ってあげるので我慢して欲しい。
その後は何事も無くその日は終了。
今は精霊王の宝玉を作るための日課を終わらせてフィアと一緒にリンファスの王城に向かっている途中だ。
「流石、王族が所有していた屋敷、実家の屋敷より豪華だったな」
一般人の俺からしたら豪華すぎるけど。
マルタからコウさんに譲渡される候補に上がったお屋敷の中でこのお屋敷が浴場に一番こだわって作られてますよ。
今からほかのお屋敷に変えることも可能ですがどう致しますか?って聞かれてお風呂のためならとこの屋敷にした。
「屋敷の決め手が浴場とは、私たちで注文したフロンの屋敷も浴場に一番こだわってたな。いやキッチンもいい勝負だったか?」
そんな話をしているとあっという間に王城に到着した。
「まさか宰相閣下が城門で待っているとは……」
「島ウミガメですからね。流石に部下には任せられません。かと言って国王陛下もお忙しくてお願いするのも難しかったので」
乗っている馬車に宰相さんに乗ってもらって
解体場所に設定された、王都の外にある平原へと向かった。
「島ウミガメとなると広い場所が必要ですし遮蔽物がなく警備もしやすいという事でこの場所になりました」
確かにここら一帯隠れられるような場所はないし怪しい動きをしていたらすぐにわかるだろう。
「フロンの解体場は空間魔法で空間拡張されてたけど王都のギルドはされてないんですか?」
「王都近辺には空間拡張が必要になるサイズの魔物は生息していないのでそれに空間拡張は定期的には魔法をかけ直さないと維持が出来なくなってしまうそうです。なので高難易度のダンジョンが近くにあり巨大な魔物を解体する可能性の高いフロンのギルドマスターに空間魔法を使える方を任命しているそうです」
そういう事か。考えて見れば王都に巨大な魔物が未解体で運ばれてくるなんてほとんど無いよね。現地に比べたら。
「それと大変失礼なお願いなのですが…」
「島ウミガメの支払いは素材を売却したあとで大丈夫ですよ。その分上乗せとかもしなくていいです」
「ほんとにですか!ですがそれではコウ殿に利益がないのでは?」
「正直今のところそこ迄お金が必要ないって言うのもあります。貯金する一方で俺1人に金貨が集まりすぎちゃう気がするんですよね。まだバハムートとかシズとかも残ってるし。あっ今度は解体をこちらでやりますので素材を直接持っていきますね」
「はっ!?バハムートにシズ?」
その後宰相さんはブツブツと国庫が空に……と言う機械になってしまったので、現場の責任者の人に立ち会ってもらって島ウミガメを所定の場所に置いて俺とフィアはそのまま精霊界に、宰相さんは乗ってきた馬車で城に送って貰うことにした。
現場にいた騎士の人もついてたし大丈夫でしょう。
「そんなに焦って帰ってくることは無かったんじゃないか?」
ホントだったら2人で王都を散歩したりもしたかったけど昨日ディアーネさんと料理を作る約束をしているのですっぽかすと後がとても怖い。
「そう言えば昨日そんな約束をしてたな。
王都に来るのを決めるより早く約束してたし仕方ないか」
という訳で精霊界にある自分の城に帰ってきてディアーネさんがいる調理場に直行。
自分の城って冷静になって考えると凄いことだよな。
「やっと来ましたね。今日はじゃがいもから片栗粉を作る方法とカニ料理です。早く作ってください。後、片栗粉の方が先でお願いします」
ご要望どうり片栗粉作りから始める。
用意しておいてもらったじゃがいもの皮を剥いてすりおろす。
すりおろしたじゃがいもをさらしに入れて口を紐で縛る。
水を張ったボウルにさらしで包んだじゃがいもを入れて10分ぐらい水の中で振ったりもんだりする。
ボウルの中でさらしをしっかりしぼって取り出す。
15分程放置したら白い粉がボウルの下に沈んでくるので水を静かに捨てて底に溜まった白い粉だけ残す。
もう一度ボウルに水を入れてよくかき混ぜる。
また15分程放置したら水が澄んできて下に白い粉が溜まってくるのでさっきと同じように静かに水だけ捨てる。
同じ事をもう一度繰り返したあと底に溜まっている白い粉をほぐしてトレイに広げる。
普通は乾くまで放置なんだけど魔法で水分を飛ばせるので放置することなく一瞬で乾燥。
最後に大きなかたまりになっているものを潰して細かい粉状にすればじゃがいもで作る片栗粉の完成。
完成したものをディアーネさんに渡して片栗粉を使う簡単な料理を作ってもらう。
丁度お昼だったし。
シズの鶏ガラスープに醤油で味を整えて
卵とニラを入れさっき作った片栗粉でとろみをつけたスープとBLTサンドイッチがお昼で出てきた。
しっかりとろみも着いていたし片栗粉もしっかりできたみたい。
作り方が気になって調べて見ただけで作ったことはなかったけど上手くいってよかった。
しっかり成功したことにほっと胸をなでおろしながら昼食を食べるコウだった。
読んでいただきありがとうございます。
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