第18話

リバイアサンの皆さんが解体する魔物がクジャタだと知った時のテンションの上がり方はえぐかった。

バハムートの時も凄かったけどその比じゃない、倍ぐらいの速度で解体が進んでる気がする。


「リバイアサン達が水中で生活している以上バハムートよりクジャタの方が珍しいからね。当然食べたことが無い人も多いだろうしね。リバイアサンからしたらバハムートは特別な日に食べる超高級お肉ぐらいの認識だろうし」


最初にバハムート持ってきてくれたのティアナさんだったもんね。


「まぁ早く終わるなら別の魔物の解体もお願いできるから良いけどね」


「ならシズにしようよ!シズの唐揚げ食べたい」


でっかい鳥だもんな確かに唐揚げにしたら美味しいそう。親子丼も作りたいけど卵は普通の鶏のものになっちゃうしそれだともったいない気がする。

すき焼きを食べる時に使う卵もそうじゃん!

何とかしてクジャタやシズに負けないレベルの卵を手に入れなきゃ!


「ていう訳でフェムト何かいい案ない?」


大体のことはフェムトに頼れば解決するので今回もフェムトを頼る。


「別に良いんだけどさ、昨日バハムートを使ったチャーハンは普通の鶏の卵使ってたよね?今回だって問題ないんじゃない?」


全くもってその通りなんだけど、気づいてしまったからには卵だって伝説レベルのものを用意したい。

その卵で作っただし巻き玉子とか最高に美味しいと思うんですよ!だからお願いします。


「そんなに必死にならなくてもちゃんと卵が手に入るよう手伝ってあげるから。でもだし巻き玉子はちゃんと作ってね」


「俺も食べたいし作るけど、伝説レベルの卵のあてはあるの?」


「もちろん!魔物じゃなくてグリンカムビっていう鶏の幻獣種なんだけどあの子達の卵ならきっと美味しいと思うよ」


という訳ですからそのグリンカムビがいる山の頂上目指して山登り、頂上に直接転移しないの?って聞いたらいつもそれじゃつまらないでしょって言われた。

山頂まで行かなくてもあっちが気づいて迎えに来るから時間はそこまでかからないとも言われたけど。


「あっ竹が生えてる!じゃあタケノコも探せばあるかな」


とこんな感じでタケノコが手に入ったりキノコを見つけて毒とか怖いからどうしようと迷っていたら、毒の有無ぐらい僕が見ればわかるよとフェムトが言うので確認をして貰いながらキノコを回収した。

超猛毒キノコにそっくりな食べれるキノコとか沢山あってやっぱり自分だけでキノコ採取するのは辞めようと改めて思ったけど。


「いや〜キノコにタケノコいっぱい取れたな。タケノコは採れたてだしアク抜きは必要ないかな?キノコは魔法で水分を飛ばしたら干したりせずに干しキノコ作れそう 、果物も同じ方法でドライフルーツ作れるかも。フェムト早く帰って色々試してみよう!」


「いやいや、グリンカムビに会う為にこの山に来たんでしょ?タケノコとキノコに満足して帰っちゃダメでしょ!」


あ〜そうだった。でもタケノコとキノコでもう満足だしグリンカムビに会うのはまた今度でいいかな。ぶっちゃけ早く炊き込みご飯作って食べたい。


「グリンカムビの子だってもう来てくれてるし」


「えっそうだったの?」


そういえばフェムトが金色の鶏を抱き抱えてる。サイズは俺が想像する普通の鶏と同じ、

もっとでかいのかと思ってた。


「大きければ動くだけで攻撃になるから強い幻獣種や魔物はでかい事が多いけど、ちっちゃいと弱い訳でもないよ。その分的は小さくなるし魔法なら体格差は関係ないし」


もし全く同じ実力ででっかいのとちっちゃいのがいたら確かにちっちゃい方が攻撃が当たらなそうで苦戦するかも。

それよりまず挨拶をしないと既に無視しちゃってた状態なわけだし。


「初めまして、色々あって水の精霊王になりましたコウです」


「グリンカムビのシャモといいます。フェムト様にお話はお聞きしました。コウ様はあくまで私たちの無精卵が欲しいだけで、私たちを鶏肉として食べるつもりはないのですね?」


「なんでそんな話に?欲しいのは無精卵だけだし鶏肉にするつもりなんて全くないけど」


「100年ぐらい前にグリンカムビで養鶏をしようとした水の精霊がいたから彼らもちょっと警戒してるんだよ」


「それってもしかしなくてもディアーネさんですよね」


寧ろディアーネさん以外だったら逆に驚く。


「ディアーネ以外にそんな事する精霊はいないからね。あの時はギリギリで僕が止めたんだけど、結構なトラウマになっちゃったみたいで」


「はい…未だに水の精霊を見ただけで震えが止まらなくなる者いるぐらいで…」


「ほんとに何してんだディアーネさん」


100年たってもまだ怖がってるって相当なトラウマだよ!


「何度も言いますけど、欲しいのは無精卵なのでグリンカムビを食べたりはしないです」


「私たちを食べるつもりがないというのは伝わりました。ですが無精卵は精霊神様と精霊王様がお二人で来られるほど価値のあるものなのでしょうか?」


そりゃ自分で産んだもの食べたりしないだろうから無精卵価値が分からないのか。

かと言って食べさせるのも酷だし、ディアーネさんのせいで警戒度MAXなグリンカムビ達を納得させるにはどうしたら良いんだろう



読んでいただきありがとうございます。

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