第16話
「おはようございますコウ様、朝食ですか?」
昨日聞いた通りディアーネさんは調理場でバハムートの内臓系を食べれるように下処理をしていた。
鍋が何個も火にかけられてよく1人で管理できるなーと感心する。
俺だったら2つぐらいなら同時に出来るけどそれ以上はあたふたして逆に時間がかかる。
「朝食もそうだけど大麦で作ったお茶を作ろうと思って」
「大麦でお茶ですか?大麦ってビールを作るのに使う大麦ですよね?」
「その大麦で合ってるよ。地球だとビールを作るのとはちょっと違う種類だった気がするけど、せっかくだし試してみようと思って」
「わざわざ大麦でお茶を作るという事は今あるお茶にはない効果があったりとか?」
「麦茶って言うんだけど妊娠中でも大丈夫だったり、汗をかいたときの水分補給にピッタリだったり、血がサラサラになったりって効果だった気がする…あ〜後体温を下げる効果もあったかもがするから飲みすぎは注意」
「色々効果があるみたいですが妊娠中でも飲めるから作ろうって事ですね?」
「そういう事。で、肝心の大麦をディアーネさん持ってる?」
「もちろん持ってますよ。皮を剥いてあるのとないのどっちがいいですか?」
「どっちでも作れる筈だけど今回は皮を剥いてある方で作ってみる」
ならこちらですねと10キロは入っているであろう麻袋を渡してきた。
こんなに使わないだろうけどまぁいっか。
まず、麦を水で綺麗に洗って乾かす本当なら
天日干しにして乾かす筈だけど時間がかかるので魔法で水分を抜き取って乾燥させた。
そしたら乾燥した麦を中火ぐらいの火力で炒る。少し膨らんできて色が濃くなってきたら火からあげて一旦冷ましておく。
冷めたら水に麦を入れて煮出すだけなんだけど、昨日まで無かったはずの大型の魔道具?
に気づいた。寧ろなんで今まで気づかなかったのか自分でもびっくりだけどディアーネさんに質問してみる。
「ディアーネさんあの大きな魔道具?なんだけどあれ何?」
「コウ様が来る前にフェムト様が置いていったんです。カカオマス、ココアパウダー、ココアバターをカカオを入れるだけで出来るすごい魔道具だよ!って言ってました」
でかいけどあれひとつでできるの!
結構手順がある筈なのに流石魔法でも肝心のカカオをまだ手に入れてないけど…取りに行けってことかな。
「後、フェムト様から渡されたカカオ?です」
「そこまでチョコ食べたかったのかフェムト」
作るの面倒臭いし、美味しく作れる気がしなかったから後回しにしてたんだけど…
「ちなみにカカオマス、ココアパウダー、ココアバターも貰ってます」
ディアーネさんにそう言って3つが入った袋を渡された。
…ディアーネさんがこちらをずっと見てくる
「これを使った料理が知りたいんですね?」
「はい!フェムト様は教えてくれませんでしたし、コウ様に聞けば教えてくれるよって仰ってました」
ここまでやったんだったらフェムトが教えればいいのに…とりあえずチョコを教えるのは今回無し、ココアで一旦お茶を濁そう。
ちょっと飲むぐらいならフィアも飲めるし。
ココアパウダー、砂糖、牛乳、塩を用意して
鍋にココアパウダー、砂糖、塩を入れていい感じに混ざるまで混ぜる。
(塩はひとつまみ程度)
混ざってきたら牛乳を少しだけ入れてゆるいペースト状になったら火をつけて少しグツグツしてきたら牛乳を適量入れてもう一度温めればホットココアの完成。
マグカップに移して2人に飲んでもらう。
「じゃあ麦茶を完成させてくるから」
2人がココアを飲んでる間に麦茶を理由にして逃げようとしたけど遅かった。
「麦茶は煮出すだけですよね?それなら私がやっておきますのでコウ様は食べれる物をお願いします。このままでは飲み物しかないので」
大人しく指示に従っておやつに食べれるようなもの…ココアパウダー混ぜたホットケーキでいっか。
ホットケーキミックスなんて便利なものは無いしベーキングパウダーも見た事ないので小麦粉とメレンゲを使って作るホットケーキ
作り方はメレンゲとココアパウダーを入れる以外変わらないので割と簡単。
メレンゲを作る分時間はかかるけど。
完成したけど麦茶には合わないよね。
お煎餅でも作ろうかと思ったけど、一気に新しいものを作るとディアーネさんと交渉材料にするためのレシピが尽きてしまうので今回は我慢。でも無性におかきが食べたくなってきた。気にせず作っちゃおうかなと1人で葛藤しているとディアーネさんが麦茶を持ってこっちに戻ってきた。
「完成したのでコウ様の知ってる麦茶と同じか確認してください」
色は少し薄いかな?飲んでみると味は全然問題なかった。
「ちゃんと麦茶だよ。思ってたよりしっかり麦茶の味がする」
「それは良かったです。コウ様が作ったのはココアパウダーを混ぜて作ったパン?ですか?」
「パンの亜種的なものかな、上にフルーツをのっけて食べても美味しい」
「それのレシピも後でしっかり教えてくださいね」
流石ディアーネさんブレないな。
読んでいただきありがとうございます。
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