第14話

「鯨肉って言うと唐揚げとか刺身でしか食べたことないけどディアーネさんはどんな料理にするつもり?」


「肉部分は刺身にしたりステーキや串焼きが多いです。内臓系も茹でて食べたりします

アク抜きに時間が掛かるものもあるので今日は食べれない部位もありますが」


流石ディアーネさん俺は鯨肉って言われたら

赤身の肉しか想像できなかった。

でも、本皮?とか聞いた事あったかも。


「今回は刺身はなしですからコウ様は唐揚げって言うのをお願いします。私は赤身の串うちと内臓系を茹でておきます」


やっぱり唐揚げは無かったか。

唐揚げ自体作るのは問題無いけど漬ける時間があるからその時間にもう1品作るか。

鉄板料理…お好み焼きはソースがないし

鯨肉を使ったチャーハンにしよう

ご飯は炊きたてのもの収納魔法で持ち歩いてるしなんとかなるだろう。


まずは唐揚げように鯨肉を1口大にカットして醤油、生姜、ニンニクを混ぜたものにつけておく最低でも30分はつけておきたいので唐揚げは一旦終了。


チャーハンの方に手をつける。

鯨肉は火が通りやすいように薄めに切って長ネギもみじん切りにしておく。

鉄板に油を敷いたら溶いた卵、白米ふたつが馴染んだら鯨肉を入れて最後にみじん切りにした長ネギを入れて火が通ったら醤油、塩コショウで味付けして完成。

簡単だけど量を作らないといけないから大変

唐揚げ用の肉の漬け込みが終わるまでチャーハンを量産してたらいつの間にか鉄板の前でイスカさんが欲しそうな目をしてこちらを見ていた。


「他のが出来るまで待ってください。もしイスカさんにあげたら他の人も食べたいってなちゃうでしょ」


「正論すぎてぐぅの音も出ません」


「でも、チャーハン作るのを手伝ってくれるなら味を知っている必要がでてきますし、ちょっと味見が必要ですね」


そろそろ唐揚げに戻りたいし、イスカさんに

チャーハンを任せよう。


「成程それなら確かに味見が必要ですね。」


ずっと見てたっぽいので必要ないかもだけど作り方の説明をして他の料理作ってくるからとイスカさんを置いてきた。


どこ行くんですか!これから2人でイチャイチャしながら料理する流れだったじゃないですか!って言ってたけどそんな空気は微塵も無かった。



唐揚げを揚げる為に底が深い鍋を用意して

油を入れて火にかけておく確か170℃ぐらいが理想だったけど温度計ないしどうしようか?

フェムトならわかりそうだな。


「フェムト〜」


「どうしたの突然?」


「この油の温度が170℃になったら教えて」


「その為だけに呼んだの!まぁいいけどさ〜」


油はそのままフェムトに任せて、唐揚げ用に漬けておいた鯨肉を取り出して水気をしっかり取ってっから小麦粉をまぶす。

量が量なのでだいぶ時間がかかった。

油絶対温度上がりすぎてるなと思いながらフェムトのところに行ったら


「170℃で止めてあるからピッタリ170℃だよ!」


権能の無駄使い!って最初思ったけど便利そうだし今度から俺もその使い方しよう。

ソーセージ作る時とか温度が上がるとか気にしなくていいのが凄い便利。


「後は油で揚げるだけで鯨肉の唐揚げ完成っと。ところでそんに大きく口を開けて何してるんですか?顎でも外れましたか?」


「いやわかるでしょ!」


「余熱で中まで火を通してる途中だからまだですよ」


「鯨肉なんだから火がちょっと通ってなくても食べれるから大丈夫でしょ」


確かに鶏肉みたいに火をしっかり通さなきゃいけない訳じゃないし別にいっか。


「はいあーん」


「ん〜しっかり味がついてて美味しい」


普通だったら口の中火傷すると思うんだけど、全く効いてない。


「これで準備は終わったしバーベキューする場所に移動するよ〜」


グリルが並べられて既にお祭り状態になってる場所に唐揚げとフェムトを置いて調理スペースに撤退。


「騒がしいのも嫌いじゃないけどやっぱりご飯は落ち着いて食べたい」


バーベキューしている場所からは丁度死角になっている場所で予め収納魔法に入れておいた料理を出して食べ始めた。


「臭みもないし火を通しても全く固くなってない。流石バハムートのお肉」


今回自分が調理したのは赤身の部分のみなので他の部位はまだ食べてないけど赤身の部分のあまりの美味しさに他の部位も上手いんだろうなと期待値がどんどん上がる。


「唐揚げとチャーハンってお酒が呑みたくなるな〜。ラガービールはあるのに焼酎がないんだ!焼酎がないからチューハイも無いし」


酒の作り方は知らないんだよな。

ダイワなら清酒あるかな?

ダイワにも早く行ってみたいけど今はそんな暇無いし早くゴタゴタが片付けば良いのに。


「そういえばこっちに来てから1人でご飯食べるの初めてかも、日本にいた時は1人で食べるのが当たり前だったのに今だと寂しいって感じちゃうな....砂浜に帰るか」


「あっいました!どこいってたんですか!

気づいたら居なくなってるしフェムト様に聞いても教えてくれないし」


戻ってきて早々にマルタに捕まった。

なんかテンションがいつもより高い

顔が赤いしお酒を呑んでちょっと酔ってるみたいだ。

フィアやメル、リバイアサン達もこっちに来てみんなで騒ぎながらバーベキューを楽しんだ。


ただし夕方から始めたのに深夜までバーベキューは続きやっぱりほどほどが一番だなと思うコウだった。



読んでいただきありがとうございます。









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