第13話

「ティアナさんサラッとアイテムボックス的なスキル持ってるんですね」


「伊達に長生きはしていませんよ。獲物の持ち運びに便利ですからね、時空間魔法を習得したら誰でも出来るようになりますよ。

精霊魔法が使えるコウ様は要らないかもしれませんが他の方はどうですか?」


「時空間魔法は人間界では既に失伝してしまった伝説の魔法です!それを教えていただけるんですか!」


「マルタちゃんは騙されちゃダメだよ。

こんな便利な魔法、完全に失伝してしまったのは単純に難易度高すぎて使える人が居なくなっちゃったからだし、リバイアサンの中でも未だにティアナしか使えるようになってないって言えばどれだけ難易度が高いかわかるでしょ?」


確かに使えれば便利な魔法なんだし他人に教える前に身内に教えるよね。


「それは…私には難しそうです」


「マルタちゃんはホムラの試練をクリアすれば精霊魔法も使えるようになるから時空間魔法を覚えなくても問題ないと思うよ」


「そうなんですか!」


良く考えてみると精霊ってだけで時空間魔法が使えるってだいぶズルい気がする。


自分から振った話だったけど本題は巨大すぎるクジラ、バハムートだったな。

最初クジラなのにバハムート?って思ったけど、どっかの神話だとでっかい魚だったり

クジラだった気がする。

マジででかいなティアナさんのリバイアサン状態よりは小さいけどイスカさんよりは大きい感じ、ふと思ったけど解体どうするんだろう?間違いなくディアーネさんはできるだろうけどひとりじゃいつまで経っても終わらないだろうし。


「本当は大人のバハムートをお持ちするつもりだったのですが子供の個体しか見つからずこんなに小さいバハムートになってしまいました」


「えっ!子供の個体で小さい?これでですか?」


正直予想外なんですけど。

だってティアナさんよりちょっと小さいぐらいのサイズだよ?

つまり大人になったらティアナさんよりでかくなるって事だよね!

正直想像つかないし、そんなにでかかったら逆に移動しずらかったりとかで不便そう。


「バハムートとだけでなくクジラ系の魔物は他の種類より大きいのが多いですからね。流石にバハムートはその中でも別格ですが」


「それとこれの解体ってどうするんですか?ディアーネさんにとりあえず食べる分だけ先に解体してもらうとかですか?」


「それなら私たちリバイアサンができますのでお任せ下さい。バハムートのみなら今日中に終わります」


リバイアサン魔物の解体できるの!

ちょっと以外失礼かもしれないけどそのまま丸呑みってイメージだったから。


「意外でしょう?と言っても捕った獲物を解体するようになったのはごく最近です。

そこのディアーネさんに料理を振る舞われて以来そのままでは美味しくなく感じるようになってしまって、自分たちでも料理が出来るよう解体などを覚えたんです。結果、人の状態でいることも多くなりました人の姿じゃないと細かい作業が出来ないので」


「ディアーネが精霊界で料理を振る舞い始めてからそういう幻獣種や精霊が沢山増えたよね〜。そのままが美味しいっていう種族もいるけど」


「そうですねいずれ全ての種族に料理した方が美味しいと言わせるのが私の目標です」


随分と壮大な目標だけど、実際リバイアサンみたいに料理の為に生活方法を変えるぐらい

料理にハマる種族もいるみたいだし、時間はかかるだろうけど案外達成しちゃうかも?


「それなら解体はリバイアサンにお願いしてディアーネさんには調理を始めてもらう感じが良いのかな?結構量作らないと足りなそうだし」


「砂浜でバーベキューにしましょう。それなら時間もかからないし楽に量を用意できます」


「料理するのはディアーネさんだし、ディアーネさんがバーベキューって言うならそれでいいと思うよ。そしたら俺は準備が出来るまで海岸でぼーっとしてるから」


採れたての海産物でバーベキューと美味しそうで楽しみだなーと思いながら木が生えてて日陰に移動しようとしたら、ディアーネさんに肩を掴まれてしまう。


「勿論、コウ様も下ごしらえ手伝ってくれますよね?」


口調は優しいけど目が怖い後、絶対逃がしませんってオーラが出てる。

1人で10人前は食べるリバイアサンが何十人といるもんね、ディアーネさんも流石に1人で用意するのは嫌みたい。


大人しく魚を捌いたりエビに串を刺したりといった下ごしらえを延々と手伝った。


「途中から皆が手伝ってくれて助かった。」


ただただ無心で下ごしらえをしていたら目が死んでて心配になったとフィア、マルタ、メルが手伝いに来てくれた。

3人とも魚を捌いたりは無理だと思うので

既に切ってある肉や野菜を串に刺したりといった簡単だけど大量に用意しなきゃ行けないものを手伝ってもらった


3人と一緒に料理ってだけで楽しかったな。

無理には誘わないけど機会があったら誘って一緒に料理したいな。


これで最低限用意は出来ました。

後はバハムートの調理をすれば終わりですね。


鯨肉か〜。日本でも数回しか食べたことなかったしちょっと楽しみ。

解体されてどんどん運ばれてくるバハムートの肉を見ながらどんな味なのか想像コウだった。




読んでいただきありがとうございます。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る