第12話

「ねぇフェムト、進化ってこんな簡単に出来るものなの?」


「出来るわけないよ!僕だってびっくりしてるんだから。半年はかかる計算だったのに言っとくけど、半年でも相当早いからね」


ですよね。そんなサラッと進化なんて出来るわけないよね。


「まぁ、これでフィアの心配事が1つ減ったんだから問題無し。スピリットヒューマンってヒューマンと明らかに違うって感じある?魔力は相当増えてるみたいだけど」


大体進化前の倍ぐらいはありそう。


「魔力が増えた以外にも、魔力制御がしやすくなったり半精神生命体なったから腕とか切り落とされても魔力があれば再生できると思う」


「一気に強くなった感じだね」


「オフィーリアちゃんは気づいて無いけど寿命も延びてるよ1000歳ぐらいまで」


「本当ですか!それが1番嬉しいです。

でも1000年じゃコウと最後まで一緒に入れないですよね多分。もっと寿命を延ばす方法は無いんですか?フェムト様」


「あるよ〜。あと二段階進化すれば寿命的な問題は解決できるよ!オフィーリアちゃんならそのうち進化してると思うよ。その上だって目指せそうだし」


「ならマルタとメルも合計で3段階種族進化すれば寿命的な問題は解決できるの?」


「2人はもっと簡単だよ。マルタちゃんとは火の精霊王の試練を、メルちゃんは白虎の試練をクリアすればおっけーだよ」


簡単じゃないだろうけどフィアに比べたら明確なゴールがあるし、簡単そう。

どっちも達成すれば人間の歴史に名が残るレベルの事っぽい感じはするけど。


「2人は火の精霊王と白虎が祖先だから純粋なヒューマンのオフィーリアちゃんと比べると楽になってるよ」


「じゃあ2人がその試練をクリアしたら、フィアレベルかそれ以上に強くなるってこと?」


「それは無理かな。2人が寿命の心配が無くなるのはコウと同じぐらい長生きする火の精霊王と白虎の血が覚醒する事による副次効果みたいなもんだし。強くなった結果寿命が延びる訳じゃないから試練をクリアしただけじゃオフィーリアちゃんレベルにはなれないよ。更に訓練すれば近づく事は出来ると思うけどね」


なんとなく理解した。強くなりたければ訓練しろって事ね。


「まあそれでいいや。お!ティアナも戻ってきたみたいだね」


「私の事興味無さすぎませんか?私もお手伝いしたんですよ?」


あっ!そういえばイスカさんの事すっかり忘れてた。


「フィアが既に進化してたのが衝撃的すぎてイスカさんの事忘れてた」


「ちょっとは言い訳してくれてもいいんですよ?」


「言い訳の仕様がないレベルでガン無視してましたからね。フィアについて行ってくれてありがとうございました。何か御礼に欲しいものとかありますか?」


「それだったら、1回全力で戦って欲しいです!自分より強い方と戦うことってほとんど無いので」


イスカさんが戦闘狂なのか、リバイアサンという種族自体が戦闘狂なのか。

まだティアナさんとイスカさんとしか話してないから分からないけどティアナさんは戦闘狂って感じしないし、その人の性格しだいかなって気がする。


「リバイアサンは個体差はあるけどほぼみんな戦闘狂だよ。ティアナだって初めて会った時僕に向かって攻撃してきたからね。

今はだいぶ丸くなったけど」


フェムトが俺にしか聞こえない声でコソッと衝撃の事実を教えてくれた。


ティアナさんがそんな事するなんて想像できないな。

フェムトが他に聞こえない教えてくれたって事はティアナさん的には黒歴史的な感じなんだろうな。


「フェムトに中々戦闘が上手くならないって言われてるし戦うぐらいだったら全然いいよ」


「ありがとうございます!いつやるかはコウ様が好きに決めてくれて構いません。どうせ暇なので」


「分かった。一緒に来たマルタとメルが精霊界に慣れてからってことで」


「それがいいです!私もお2人が精霊界に早く馴染めるようお手伝いします。そしてお二人とも仲良くなります!フィアさんは既に攻略済みなので2人を落とせば私の勝ちです」


イスカさんはなんで人の嫁でギャルゲーをしてるの?


「攻略キャラはコウで3人の攻略は前提条件みたいな感じだけどね」


前にちょっと言ってた、既に奥さんがいる人と結婚したいなら男より奥さんの方と仲良くなる方が重要ってやつか。


「フィア的にはイスカさんのことどう思

う?」


「悪い人じゃないし、コウを独占したいって感じも無いから、コウがお嫁さんにしたいなら反対しないって感じだな」


確かにフィアは攻略済みみたい。

この調子だと2人もそのうち攻略されそう

それまでにイスカさんとどうするかもう1回本気で考えとくか。


「予定ではもっと早く帰ってくる予定だったのですが、中々狙ってた魔物が見つからなくて申し訳ございません」


そうこう話している間にティアナさんが帰ってきた。

ティアナさんが全力で探して時間がかかったって数が少ないか隠れるのが得意な魔物かな?

どちらにせよ普通じゃ食べれない絶品魔物なんだろうな。


「ティアナさんでも中々見つけられなかった魔物ってなんなんですか?」


「バハムートです!お肉がとても美味しいですけど数が少ないし海と同化できるスキルを持っているせいで見つけるのが大変で」


そう言ってティアナさんが砂浜に超巨大なクジラを出した。


バハムートってまた凄まじいものが出てきたなと思うコウだった。



読んでいただきありがとうございます。





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