第6話

「で、なんの話してたんだっけ?フェムトのご機嫌取りに必死でなに話してたか忘れちゃった」


ご機嫌取りは現在も続行中で膝の上に乗せて

頭を撫で続けている。

もういいかなと撫でるのを辞めると手が勝手に動きフェムトの頭の上まで移動して止まる。

まだ撫でろと?一体いつまで撫でれば気が済むんだろうか?


「神様を膝の上に乗せてなでなで出来るなんて光栄な事だよ?もっと真面目に撫でるべきだよ」


「友達として接してって言ったのはフェムトでしょ?」


「先に神様扱いしたのはコウじゃん!

神様相手に結婚したいとか考えるだけで不敬とか言って、けっきょくコウと僕は友達ごっこをしてるだけで、駄々こねてる上司に嫌々付き合う部下みたいな関係だったて事なんだ!」


確かに対等な関係の友達って言ってたのに、いつもフェムトが上位者って気持ちはあったかもな。


「悪かったごめんねフェムト」


「じゃあ僕が好き!結婚したい!って行ったら本気で考えてくれる?」


色々な段階をすっ飛ばしすぎじゃないですか?

でも真面目に考えるとしたら性格とかも全然悪くないし、もしフェムトが他の男とイチャイチャしてたら嫉妬するぐらいには好きだとは思う。


「根本的な問題なんだけどさフェムトって完全に幼女じゃん?中身が幼女じゃないのは分かってるけど、結婚相手として考えられるか?って言われるとちょっと難しいかな」


俺がロリコンだったら大歓喜だったろうが、ロリコンじゃないしむしろ若干年上ぐらいの方が好みだ。


「姿に関しては問題ないよ。今は僕が100歳ぐらい?の時の姿になってるだけだから、コウがお望みの若干年上の姿にだってなれるよ」


ひょっと膝から降りたと思うとフェムトが光出してだんだん輪郭が大きくなっていく。

俺と変わらないぐらいの身長で大きくなるのが止まって光が収まっていく、完全に光が収まって中には黒髪ロングのストレートで控えめの胸をした女性が立っていた。


「姿を変えるなんてもう何万年もして無かったから、ちょっと心配だったけど問題ないねどう!綺麗でしょ!」


「可愛いとかじゃなくてほんとに綺麗って感じだね。上から目線ぽくなっちゃうけどその姿なら問題ないどころか凄いタイプ」


「そう、なら良かった。だけど髪の色によって好みの胸とかお尻のサイズが変わるのはどうかと思うよ?黒とか水色の髪は平均よりちょっとしたとか金髪は平均よりだいぶ上がとか。実際オフィーリアちゃんは平均よりだいぶ大きいよね?」


他人の性癖まで思考をあさって確認しないでください。そして暴露しないで下さい。


「そうなると、娘はタイプからは外れちゃうんですね」


ティアナさん冷静に分析しないでください。

余計恥ずかしいです。


「これ以上はコウが羞恥心で何し出すか分からないからこの話は終わり!元々の話はマルタちゃんにメルちゃんも精霊界連れて来ちゃえば?って話してた訳だけど、結局どうするの?」


「やっぱり危なくない?敵意はなくても力試しとか言って突然攻撃してきたりとかあるし」


一緒にいる時なら問題ないけど、別々に行動してる時にそういう事が起きたら助けたりできないって考えるとやっぱり危ないと思うんだよね。


「そもそもコウと一緒にいる為に精霊界に来るのに別行動なんてする?もしそうなってもコウがいない方に僕がついてってあげるよ」


言われてみれば確かに。それにフェムトもいるんだし怪我する方が難しいか。


「確かにそれなら危険はないか。でもメルがリンファスに向かって移動中でどこにいるか詳しく分からないし、連れてくるのはもうちょっと後かな?で、フェムトはどうして幼女に戻って膝の上乗ってきてるの?」


「幼女の姿じゃないと膝の上に座れないでしょ?それとメルちゃんはディアーネがついてるからディアーネを呼べば場所ぐらいすぐにわかるよ」


ああ、そういえばディアーネさん丁度良かったからメルの護衛頼んでたね。

今朝のことの筈なのにすっかり忘れてた。

そういえばリンファス王国に島ウミガメ売りつける話もしたな。

2人を連れに行くついでにその話もしっかりしてくるか。


「やっと乗り気になったみたいだね」


「まあそうだね。気が変わらないうちに人間界に行ってくるよ。フィアどうしようかなって思ったんだけど、イスカさんと仲良く話してるし、1人で行ってくるよ直ぐに帰って来れるだろうし」


立ち上がる為にフェムトを持ち上げて元々座っていた椅子に座らせる。

人間界に行くため精霊門を発動しようとしたらティアナさんから待ったがかかった。


「いきなり止めてしまい申し訳ございません。元々この海岸まで来た理由を聞いてなかったのを思い出しまして、何か用事があったのでは?」


そういえば、元々夕飯に海産物使いたかったからフェムトにこの海岸に連れてきてもらったんだった。色々濃くて忘れてた。


「元は海産物が欲しくて来たんだ。夕飯に使おうかなって思ってて」


「ああ、だからリバイアサン蒲焼と言っていたのですね。流石に仲間を差し出すことは出来ませんが、それ以外であれば私が集めておきましょう」


「それは助かる。代価としてなにを払えばいいかな?お金とかはいらないだろうし」


「それでは、夕食に招待して頂くというのはどうでしょうか?」


「それぐらいでいいの?」


「はい問題ないです。海での食料集めぐらい大したことないですし、この報酬の方が娘も喜ぶでしょう」


「それなら今回は夕飯が報酬ということで」


「ありがとうございます。では早速狩りに行ってきます」


そう言い残してティアナさんは海へ帰って行った。

イスカさんはそのままフィアと話しているけど連れてかなくて良かったのだろうか?


「奥さんが既にいる男を落とすなら、奥さん達と仲良くなるのが1番重要だったりするからね。ティアナはそこまで計算しておいてったんだと思うよ」


気づいたら外堀を完全に埋められてそうだなと思いつつ、精霊門で人間界に向かった。


読んでいただきありがとうございます。

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