第3話

「途中色々あったけど王座の間に到着だよ」


ついた部屋は学校の体育館ぐらいの広さがあって一番奥にはいかにも王座って感じの椅子が鎮座していた。


「王座も当然氷出できているんだな。何か敷くものが欲しくなるな。1ヶ月間毎日座ることになるわけだし」


「王座だけは氷以外のもので作ると、精霊王の宝玉が作れなくなるから、我慢してもらうしかないよ。と言っても座るのは1日1時間ぐらいだろうからそんなに辛くないと思うよ」


王座が氷で出来てるのはちゃんとした理由があるみたいだ。

それ以外も氷で作ったのは趣味だろうけど。

後、1日あたりの拘束時間はどうやらそこまで長くないみたいだ。地味に嬉しい。


「早速今日の分をやっちゃおう。座って精霊石を作る時と同じようにすれば、後は勝手に精霊王の宝玉が作られていくって事で良いんだよね?」


「そうだよ〜だから特に難しいことは無いんだけど、魔力を結構消費するからどうしても日数がかかっちゃうだよね〜」


場所が特別なだけで難しい事をする訳では無いと再確認も出来たので、無駄に豪華な王座に腰を掛けて、精霊石を作る時と同じように魔力を操作して1箇所に集める。

すると集めた傍からどんどん魔力を吸い取られていく。

獣王国の王都でフェムトから貰った魔道具を使った結果、魔力がすっからかんになってまだ半分しか回復してないので全体の2割分の魔力を吸い取られたあたりで一旦止めてこの位で良いかとフェムトに質問する。


「毎日この位ペースで作ったら日数的にはどれぐらいかかるかな?」


「これだと1ヶ月半はかかるかな。王座にも一日に吸収できる魔力量には限りがあって、コウが既に吸収させた半分ぐらいの量を吸収させてあげれば限界だからそのまま吸収させた方がいいと思うよ」


全体の3割を毎日王座に吸収させれば1ヶ月で出来るってことか。

一日で大体5割の魔力が回復するし、よっぽど大規模に権能を使わなければ、回復量の方が上だし問題ないかな。

その後、王座が魔力を吸収しなくなるまで、魔力を吸収させた後、この後何をするか休憩しながら話をしていた。


「フェムト気になってたんだけど俺の支配領域って雪が積もってるような場所しかないの?海とかあったら行ってみたいんだけど」


「勿論あるよ〜。今から行ってみる?何ヶ所かあるけど、どんな海がいい?」


「そうだね、暖かい地方で砂浜がある海が良いかな」


「おっけー。じゃあちゃちゃと移動しますか」


フェムトがそう言って指パッチンをした瞬間

椅子やテーブルごと砂浜に転移していた。


「いつも思うけど転移魔法が発動する予兆が全く感知できない。ほんとバグキャラだよねフェムトって」


「神様をバグキャラ扱いするコウだって相当だよ」


「そうかな?そんなことないと思うけど。

それより、なんかやばそうな反応が近づいて来てるんだけど」


フェムトやホムラは例外として、今までで1番強そうなオーラを出してる反応が近づいてきてる。

どうせ戦闘になるなら先制攻撃で倒しちゃいたい。


「警戒する必要ないよ〜。ただ挨拶に来るだけだから」


挨拶?じゃあフェムトの知り合いってことか。精霊ではなさそうだけど一体なんだろう?

そういえば、幻獣種っていうのがいるんだったな。

獣王国に向かう途中で話した幻獣種のドラゴンの事を思い出す。

おそらく此方に向かってきている者も幻獣種なんだろうなと結論づけた。


少し待っていると海面からシーサーペントのような海龍の顔が出てきた。

似ているだけで、大きさや迫力がシーサーペントと桁違いで全くの別種だと確認しなくてもわかってしまう。


「リバイアサン.......」


「あら私たちのことを知っていたのですか?私は幻獣種リバイアサンのまとめ役をしていますティアナと申します。新たな精霊王様これからどうぞよろしくお願いします」


「この度水の精霊王になりましたコウです。よろしくお願いします」


ほんとにただの挨拶だったな。実力を見せてくださいとか言われると思ったけど。

リバイアサンって旧約聖書に神を除けば最強の存在だけど、平和の怪獣として登場するだったかな?

この世界のリバイアサンも温厚な性格なのかもしれない。

そんな事を考えていたらもう一頭が顔を出したと思ったらいきなりブレスで攻撃してきた。

別に大した攻撃じゃないので、氷の壁で防御する。


「流石にこのぐらいは余裕みたいね!」


ティアナと比べてひと回り小さい攻撃してきたリバイアサンが喋りかけてきた。

相手からしたら実力を試すためにちょっとした挨拶だったのかもしれないけど、フィアも範囲に入ってたのがいただけない。

ちょっとビビらせるか。

神様オーラを出して.......なんかかっこ悪いよねこの名前、神威解放って呼ぼうそっちの方がかっこいい。

神威解放状態で話しかける。


「今晩なににするか悩んでたんだけど今決まった。リバイアサンの蒲焼にしよう」


「何これさっきとは別人じゃない。ほんとに私蒲焼にされる!」


小さい方のリバイアサンが光ったと思ったら

目の前に土下座した女の子がいた。


「ちょーしに乗って申し訳ございませんでした。蒲焼だけは勘弁してください」


やっぱり人化したリバイアサンみたいだ。


「本気で蒲焼にするつもりはないから、まずは人化をといて元に戻るか早く服をきて」




読んでいただきありがとうございます。









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