第2話
フェムトの城でちゃんとしたベットを確保して、氷のベットとかいう石の上に寝るのと変わらない場所で寝るのを回避した後、精霊王の宝玉を作るために王座がある場所に案内してもらっていた。
「僕もウッカリしてたよ。氷のベットてただの床だよね」
「そう事もあるよ。ドンマイ」
「コウは別に床で寝かしても問題ないけど。流石にオフィーリアちゃんにそんな事できないからね。妊娠もしてるから余計に」
いつもの事ながら酷い扱いだな。それにフィアが妊娠・・・妊娠って言った!
「フィアが妊娠してる!?ほんとに」
「わざわざそんな嘘つかないよ。妊娠2週間ぐらいだから本人も自覚ないだろうけど」
フィアは突然過ぎて口を開けたまま固まってる。
「フィア大丈夫?」
「え?ああなんとか。突然のことすぎて、
フェムト様本当にコウの子供を妊娠してるんですか?」
「ほんとだよ。ちゃんとお腹の中の子が成長できるように僕が一時的な加護をかけてあげるね」
母子の安全が確保されるのはすごく有難い。
「ありがとうフェムト、凄い助かる」
「このぐらいなんて事ないよ。それと産まれてくる子は精霊の血が濃く受け継がれるだろうから、知能の発達も早いと思うからびっくりしないでね」
種族によってそういう違いも出てくるのか。
他にも何かありそうだな。
今のうちに他にも何かあるか聞いておいた方が良さそうだな。
「他にも何か知っておいた方がいい事ってある?」
「んー、小さい頃に無意識に魔法を使っちゃって大惨事とかかな。そういう事故がないように、僕が魔道具を作っておくよ」
「そんな事になったら大変なのでほんとお願いします」
「コウにはやってもらわなきゃいけない事が沢山あるし、そのぐらいお易い御用さ」
異世界の神関係かな?ぶっちゃけ勇者のハジメくんが殺ってくれればいいなーって思うんだけど。
実際どうなんだろう、というかエステルさんに拉致られて、無事人間界に帰れたんだろうか。俺が獣王国にいる間には帰ってこなかったし。
「勇者くんね〜ホントだったらもうとっくに人間界に帰ってる予定だったけど、異世界の神関係でもっと強くなって貰わなきゃいけなくなったからまだエステルのところで修行中だよ」
エステルさんに拉致されたのを見ていた人がいるとはいえ、戦いから逃げた言われないかちょっと心配。もしそうなったらハジメくん可哀想だし。
「神殿に勇者は異世界から侵略してきた神を討伐するため神界で修行しているって神託はしたらしいから大丈夫だと思うよ多分」
多分ってその一言で余計不安になったわ。
まあ俺が心配したところで状況が変わる訳じゃないし、せいぜい早く修行が終わることを祈るぐらいしかやることもないか。
それにぶっちゃけ、フィアが妊娠してるってわかった方が大事だ。ついさっきまで戦場についてきて貰ったりしてたし、フェムトが一時的に加護を付与したって言ってたけどやっぱり心配。ひとまず休める部屋までお姫様抱っこで連れていった方が良いだろうか?
フィアの身の回りのお世話をしてくれる人も連れてこないと。
「そこまで過保護になる必要はないよ。
逆にストレスが溜まっちゃうよ?確かに戦闘とか激しい運動は控えた方がいいけど、適度な運動は必要なんだよ?」
気にしすぎても、余計なお節介にしかならないか。確かにその通りかも、フィアと相談しつつ決めるべきだね。
そう思いフィアの方を見ると、ボーッと自分のお腹を撫でながらほんとにコウの子供が・・・と呟いていた。
「どうしたの?」
「幸せすぎて夢を見てるんじゃないかと思って。一番最初に子を産むのはメルだと思ってたし」
「俺としてはフィアが一番最初になると思ってたけどなんでメル殿下が最初になるなんて思ったの?」
「日本から来たコウからすればそう思うよね。でもこの世界の人達は大体15~18歳ぐらいが1番妊娠しやすい期間でそれ以降どんどん妊娠しずらくなっちゃうんだよ。20歳すぎで行き遅れって言われちゃう理由のひとつだね。因みに男女比は大体3対7ぐらいね」
やっぱり細かなところで地球との違いは色々あるんだな。
マルタはまだ13歳だから結婚自体2年後だけど、メル殿下、結婚するんだからメルって呼んじゃっても問題ないかな?まあ本人と話してから決めればいっか。
メル殿下は17歳1番妊娠しやすい期間ど真ん中だから最初はメル殿下の可能性が高かったてことか。
俺的には順番とか全然気にしないけど、異世界の世間一般からすると重要だったりするのだろうか?
そう言うことも少しづつ聞いて日本とこの世界の細かな違いにも慣れていかないと。
「そろそろ精霊王の宝玉を作りに行こっか。出来る頃にはオフィーリアちゃんも妊娠したって自分でわかると思うし」
「それもそうだね。妊婦さんを廊下に立たせっぱなしってのも良くないし」
今日の夕飯何にしようかな。真鯛を使った料理とも思ったけど、まず真鯛が生息してるかも知らないし、美味しさで言ったらもっと美味しい魔物とかいっぱい居そう。
残ったのは収納魔法で保存できるし、色々作ればいいか。
今晩何を作るか考えながらフェムトの後ろについていくのだった。
読んでいただきありがとうございます。
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