精霊界編

第1話

「突然言われてもなんの事かさっぱり分からないだろうし、1から説明するからちゃんと聞いててね」


「よろしくお願いします」


「まず支配領域ってのはそのままの意味で各精霊王はみんな自分の特性にあった土地を持ってるんだよ。ホムラだったら8000m級の活火山がある土地が支配領域だね」


活火山か〜噴火とか怖いけど温泉とか無いのかな?もしかしたら宝石とかも取れるかも!

個人的には興味無いけど、プレゼントとかに便利そうだしあったら欲しいな。


「色々考えるのはいいけど説明ちゃんと聞いてよ?」


「大丈夫ちゃんと聞いてるから」


「ほんとに?後で聞かれても答えてあげないからね。支配領域は今の簡単な説明でもわかってくれたろうから次は精霊王の宝玉ね。

簡単に言うと精霊王だけに作れる精霊石って感じかな」


どういうものかってのは何となく分かった。

でも、わざわざ支配領域に行って精霊王の宝玉を作る理由は?

精霊王の宝玉が必要だとして、ここで作ったりは出来ないんだろうか?


「精霊王の宝玉は特別だからね。支配領域にある力が1番集まる場所じゃないと作れないんだよ」


「じゃあわざわざその精霊王の宝玉を作る意味はなんなの?」


「あれが有るだけで、その属性の小精霊が生まれてくるようになるんだよ。今までは水の精霊王が居ないせいで、僕が代わりに小精霊を生み出してたから、他の仕事が滞っちゃて大変だったんだよ。精霊王って言うシステムは元々僕ひとりじゃ管理しきれなくなっちゃったから作ったのにディアーネったら面倒臭いって拒否するし、他に精霊王になれるような水の精霊もいなかったし、コウが来てくれてほんとラッキーだったよ」


「ひとまず俺がやることは分かった。話が変わっちゃうんだけどディアーネさんが農園はそのままでお願いしますって言ってたんだけど農園って何?」


「普通に農作物を育ててる場所だよ?」


「それなら良いんだけど。わざわざ俺にそう言ってきたから、農園ってなにかの隠語でやばい施設なのかと」


「そんなことは無い。コウに話したのは農園のある場所が水の精霊王の支配領域つまりコウの土地にあるからだよ。規模も凄まじいからね。もしコウが農園を潰せっていえば従わない訳には行かないからね」


「わざわざそんな命令しないよ。ちょっと採れたものを分けて貰えると嬉しいけど」


ディアーネさんの事だから、野菜の品質には極限までこだわってるだろうし。

美味しい野菜俺も欲しい。


「料理が好きなコウがダメって言うとはディアーネも思ってないと思うし、ただ念の為ってだけだと思うよ」


実際に見て知ることになるよりか本人に予め教えて貰ってた方が良いしそこら辺を考えてって事かな?


「まあ、農園は時間があれば見てみるぐらいで十分かな。今回の目的、精霊王の宝玉だっけそれを早く作っちゃおう」


「どんなに急いでも1ヶ月はかかるから今日はゆっくり支配領域を回ってみるつもりだったけど、コウがそう言うなら早く作りに行こうか。じゃあコウのお城まで転移するね〜」


どんなに急いでも1ヶ月?まじかー

最初から1ヶ月ぐらい仕事をしてもらうとは言われてたけど、精霊王の宝玉を作るだけで1ヶ月かかるって事だったのか。

色々手伝って全部で1ヶ月だと思ってた。


ん?コウのお城って言った?慌てて質問しようとしたが視界が歪み元に戻ったと思ったら

辺り一面雪景色になっていて目の前には

氷で作られた大きな城が立っていた。


「なにこれ?」


「見ての通り氷でできたお城だよ!ここの王座に座りながら精霊王が精霊石を作ろうとすると精霊王の宝玉ができるんだよ。言った通りコウのお城だから部屋は自由に使えるからね」


城を自由にしていいって言われても八割ぐらいは使われない部屋になりそう。掃除とかだって大変そう。

他の精霊とかに頼めば掃除してくれるのかな?

後、わざわざ氷で作る必要はあったのだろうか。


「ロマンがないねーコウは」


「じゃあフェムトは氷の城と普通の城どっちかに住むってなったらどっちにする?」


「え!普通の城に決まってるじゃん!わざわざ氷を使う意味が分からないよ」


コノヤロウ、ロマンがないのは一緒じゃねーか。


「まあまあ、でも氷の城の場合コウの好きなように模様替えできるよ。普通の城じゃあ出来ない事だし、利点もちゃんと有るんだよ」


そっか部屋のサイズが小さかったら壁を撤去して部屋を大きくするとかも簡単に出来ちゃうのか。

確かに氷の城っていうのも悪くないかもしれない。


「よしコウも納得したことだし、王座に向かいながら気になるところがあれば案内するけど、どこかある?」


「キッチンとかあるの?あったとしてキッチンも氷で出来てるの?」


火で溶けなかったり、触っても冷たくない氷程度俺でも作れるのでそんなに心配していないが。


「キッチンもしっかりあるよ!勿論氷製だけど、調理する時に使う程度の熱量なら絶対解けないから安心して」


予想通り問題ないみたいなので安心して料理ができる。


「ねえ今気づいたたんだけど、もしかしてベットも氷」


そんなガッチガッチのベット嫌なんだけど。


「・・・1回、僕の城に行ってベットを持ってこよう。使ってないけど掃除はしてもらってるのがあるから」


寝る直前になって気づくとかじゃなくて良かったと思いつつフェムトの転移でベットを取りに行くのだった。


読んでいただきありがとうございます。

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