獣王国内乱
第1話
カメを回収しフィアのところに行こうとすると、既にフィアがこっちに向かってきていた。
「島に居るって言ってたのにどうしたの?」
ここは大分居たはずの島から離れているので、結構前からこっちに向かってきていた事になる。
「あんな派手な戦闘をしてよくそんなこと言えるな?何事かと思った」
カメの攻撃で爆音が響いてたな、そりゃ気になるか。
「丁度良かった。また王城に呼び出しがあって、迎えに行こうと思ってたんだ」
「今日もか?やっぱり色々片付くまでダンジョン攻略は無理だな。後でアレサ達にも謝っておかないと」
俺がダンジョン攻略したいから、信用出来る冒険者居る?ってフィアに交渉して貰ってたからな。申し訳ない事してしまった。
「それにしても、途中から見えていたが
島ウミガメがいるとは、クラーケンより高ランクの魔物だぞ」
フロアボスより強い魔物か、攻撃するまで近づいても敵対して来なかった。
本来は倒すのでは無く、甲羅に上陸して素材とかの採集をする、ボーナスエリア的な感じだったのではないだろうか。
木とかいっぱい生えてたし。
考えを伝えて見ると。
「確かにそれなら理解出来る。実際、何十年かに1度近海に現れ、運良く上陸して採集出来れば、一攫千金を狙えるとも言われてるし」
そんな話があるのか。
それなら丸々一体ってとんでもない金額になるのでは?
甲羅だけで1kmぐらいあるし、解体とか凄い時間かかるだろうけど。
「それより魔法無効化のスキルを持ってるのによく倒せたな」
大分厄介だった。やっぱり最低限、精霊刀を使えるように教えてもらおう。
今後同じようなのが出てくるかもしれないし。
「無効化できるのは表皮だけっぽかったから、精霊刀で傷をつけてそこに向かって魔法を撃って倒した」
「表皮だけなのか、それは知られてなかったはずだ。あの巨体だ近づいて攻撃する人が
いないからな」
冷静に考えればそうだよね。人間サイズじゃどれだけ斬っても致命傷にはならなそうだし。
「効果が残っていればいい革防具になるな」
どうなんだろう。収納魔法に仕舞えた事を考えると、無くなってそうだな。
「島ウミガメも重要だが、陛下に呼ばれているんだったな。早く行かないと」
そうだった。
昨日使った部屋に直接転移する許可を今回も貰ってるので、直接王城に転移する。
部屋に入ると人が沢山いる、会議をしてるっぽい。
部屋間違えた!いや、合ってるはず。
国王もいるし。
「急を要する話だったので、コウがくるこの部屋で会議をしていたのだ。驚かせたな」
もっと俺が早く転移してくる予定だったぽいな、タイミングが悪い。
「直ぐに来ることができず、申し訳ありませんでした。丁度フロン迷宮に潜っていたので遅くなりました」
取り敢えず謝罪しておこう。転移魔法使ってるからこれでも十分早いとは思うけど。
「突然呼び出してるのだ。直ぐに来れないのは仕方ないだろう。それより呼び出した説明をしたい、座ってくれ」
結構焦ってる?大人しく座って話を聞こう。
「昨日帝国に戦争を仕掛けるため各国に使者を出している話はしたな?」
早く片付ける必要が出てきたから、各国に使者を向かわせたって話をしたはず。
まさか使者が襲われたとか?
「はい、お聞きしました。まさか帝国が使者を攻撃したとか?」
「その可能性も考え、護衛を増やしている。幸いそのような事はまだ起きてない」
違ったみたい。人が足りないから、使者として俺にも行って欲しい国があるとか?
違うな、それだったら急を要する話とか言わないだろうし。
「一体何があったのですか?」
素直に聞くのが1番早いか。
「我が国の南方に位置する獣人の国についてなんだが」
獣人!王都やフロンでは見なかったけど、エルフがいるからどこかにいると思ってたんだ!
是非、仲良くなってもふらせて欲しい。
「オルフェナスは、未開拓領域である樹海を抜ける必要があるのもあって人員選びに時間がかかった。ようやく決まって出発となった時に、ある情報が入ってきてな」
オルフェナスって国名なのかな?
それより国王大分もったいぶるな、早く結論を教えて欲しい。
「獣人の国で何かがあると?」
「大分情勢が不安定になっていて、いつ内乱が起きてもおかしくない状態らしい」
思ったより数倍不味い状態だ。そしてなんで俺呼んだかも分かった。
「早い話、俺に獣人の国に行って欲しいということですね」
「その通りだ。確定では無いが獣王が暗殺されたと言う情報も入ってきてる。コウは国内にいてもらうべきだと言う意見も多かった。しかし、私の勘がコウを向かわせるべきだと言っていてな」
王が暗殺とか大分荒れてるな、それにしてもこのタイミングで内乱か。
裏で帝国が関わってそうなのがなんとも。
国王の勘もここら辺に反応したんじゃないか?
「陛下の願いとあらばどんな場所でも、向かう所存です。それでご相談なのですが、向かう人員は私とオフィーリア2人のみというのは可能でしょうか?」
戦力的に負けるとは思わないし。貴族関係はフィアが居れば十分だろうし。
「流石に2人は危険なのではないか?」
「人数が多いと攻撃しようとした時に、巻き込む可能性があります。転移魔法で逃げる場合も人数が少ない方が有利です」
大分それらしい言い訳が、できたのではないだろうか?まあぶっちゃけ知らない人が着いてくるのが面倒臭いだけだけど。
「確かに一理ある。今回はコウを信じる事にしよう、但し現地に協力者がいるので、その者達とは合流して欲しい」
流石にそれは断れない。
俺たちが着く頃には、もっと詳しくわかってるはずだし、情報は重要だ。
「畏まりました」
その後、リンファス王国からの正式な使者と
示す書状を貰い、獣人の国へと向かうのだった。
読んでいただきありがとうございます。
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