第6話

「オフィーリア様そろそろお時間が」

正座お説教コースが開催されてる中、執事

さんが王城に行く時間が近づいていると声をかける。

やっとお説教も終わりか、長かった足が痺れて直ぐに立てそうにない。

そうやって足をモゾモゾさせていると。

「誰が終わりと言ったんだ?全然反省してないみたいだな?」

やばい、今日のフィアは凄く厳しい、理不尽って訳では全然ないけど。

「もう勘弁してください。反省してますので、それに足がもう限界なんです」

フィアは大きなため息をついて、諦めたような顔をして話し出す。

「これ以上説教しても意味無さそうだし 、せめて今回みたいな重要な用事が決まっている時ぐらいは、大人しくしてくれ」

フィアの言ってる事が、全くもってその通りなので今度から大人しくしよう。

普段自由にさせて貰ってるわけだしね。

「今回は何をしてたんだ?コウが屋敷より高くジャンプしていると屋敷の皆に言われたぞ」

別に隠すことでもないので、正直に話す。

「水属性で身体強化出来ないかなって、結果があの大ジャンプって事」

「コウが使ってるのは本当に水属性の魔法なのか?実は別物だったりしないか?」

そんなことは無い。

「規模や効果は低くても他の水属性を使える魔法使いも再現出来るはずだ」

「なら、他の水属性の魔法使いにコウが教えるのも良いんじゃないか?」

それもありだとは思うけど、少人数で試してからだな。

これ以上話を続けていると約束に遅れてしまいそうなので、ここで切り上げて王城に向かう。


「直接、転移して大丈夫なのか?」

今回は最初から王城にある会議室に転移した。

「昨日、今回はこの部屋に直接転移してくれて構わないって言われてるから」

実際、俺が転移してくるのを待っていた

メイドさんが簡単な確認をとった後、陛下たちを呼びに行った。

直ぐに国王が1人でやってくる。

「待たせてしまってすまない。あの後マルタも無事目を覚ました、今は絶対安静だからなここに来たがるのを止めるのに時間がかかってしまった」

あの大怪我の後でそんなに動けるのなら、

治療もしっかり出来たということだろう。

「無事回復されたようで良かったです」

「それと、連れてこなかったのは襲撃犯に

ついて話すためと言うのもある」

王女殿下なのだから騎士が警護についたりと

厳重に守られていたはずだ。

それを躱すとなると相当な手誰かもしくは

「透明化の魔道具ですか?」

祝賀会で襲ってきた透明になれる襲撃犯、

襲撃犯の荷物を検査した結果、自身の魔力を消費して一時的に透明になれる魔道具が見つかった。

帝国の人間という証拠と一緒に。

あの後見破る魔法も教えたのだが、まだ練度不足だったか?

「その通りだ。コウが教えてくれた魔法で

見破りはしたが、感知できたのがギリギリだったらしくてな」

1歩間に合わずって事か。

「今は自主的に、探知魔法ばかり練習している。よっぽど悔しかったのだろう」

悪いことじゃ無いだろうが、頑張りすぎて倒れないかが心配、後で練習手伝ってみるか。

「騎士の方たちが、了承してくれるのなら

その練習手伝いましょうか?」

「技術が思うように上がらず悩んでおったから、喜ぶだろう」

話を通しておくから近いうちにお願いする事になるだろうと言われた。

どうやって練習するか考えとかないとな。

「この話に時間をかけすぎると、マルタがこの部屋に突撃してこないとも限らないので、結論を言うと、近い内に帝国に戦争を仕掛けることになる」

自国の姫様を攻撃された、それだけで十分な理由になるだろう。

「他国との連携はどうされるのですか?」

自国だけで攻めるつもりだろうか?

「既に各国へ使者を派遣した。勿論、透明化の魔道具を持たせて」

あれを見れば脅威と感じる国は多いか。

「自分も最前線で参戦しますが、よろしいでしょうか?」

「認定魔導師は最初から最前線で戦うような役柄ではないのだがな。止めようが無いからな、好きに暴れてくれ」

もう諦めたという顔をしているが、許可を貰ったので問題ないだろう。

突然ドアがノックされる。

「お父様、マルタです。まだお話は終わらないのですか?」

どうやら時間切れらしい、国王も苦笑をしながら

「どうやら今日はここまでみたいだ、詳しく決まり次第また召集をかけることになる」

「かしこまりました」

国王が入ってきなさいと声をかけると、

ドアが開き1人の少女が入ってきた。

「マルタ・リンファスとです。コウ様には命を助けて頂き、跡も残らないように綺麗に

治療して頂き本当にありがとうございます」

お礼を言われるのは嬉しいが、様呼びは恥ずかしい。

「無事に回復されたようで良かったです。

あと様呼びは恥ずかしいので、やめて頂けると」

「では、コウさんとお呼びしますね」

それなら何とか。

「オフィーリア嬢と一緒に来たという事はこの後どうなるか、予想がついてるということだろう?」

「なんとなくは」

「想像通りマルタの婚約者になってもらいたい」

やっぱちそうですよね。

昨日のうちに覚悟を決めておいて良かった。

「是非、受けたいと思います」

こうしてお嫁さんが2人に増えた。

でも肝心のマルタ王女殿下とまだ挨拶しかしてないんだよな。

フェムトから貰った魔道具も渡してないし。

「国王陛下、私からもお話したい事がありまして、お時間頂けないでしょうか?」


読んでいただきありがとうございます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る