第2話

海が終わったら次は砂漠だった。

「最初から今日一日で攻略出来るものとは

思ってなかったが、これは一筋縄では行かなそうだな」

海の階層だって飛んで進んだから、一日で

ボスまでたどり着けたのだ

船を使ってたら1ヶ月はかかる広さだった。

砂漠もそれぐらいの広さがあっても不思議じゃない。

現在進行形で探知をしているが、どうやら海の階層より広そうだ。

「今日この階層を進んでもボスにはたどり着けないだろうから、上に戻って海の魔物を

少し狩って帰る事にしない?」

そう提案してみると

「基本それで大丈夫だが、この階層の魔物を最低でも一体は狩って行きたい」

「わざわざ?」

「ギルドでただ4階層でこんな魔物がいたと報告するより、その階層の魔物の死体があった方が信憑性が有るだろう?」

なるほど確かに報告する時に魔物の有無は

結構重要な気がする。

探知した時に反応があった場所に向かって

歩いていく。

大して遠くないので直ぐに魔物を発見できた。

「レッドバジリスクだ!バジリスクの上位種奴の毒に触れたら即死と言われてるほどの毒を持ってるらしい」

そんなのが階段付近に生息してるとは、暑さで体力を奪い状態異常でも攻撃してくる

ほんとに厄介だ。

どうしたものかと考えていると、突然地面から近づいてくる魔物がいるのを探知する。

しまった!レッドバジリスクに気を取られすぎた。

急いでフィアに声をかける。

「フィア空に飛べ!」

自分は瞬時に飛ぶ魔法がないので足元を氷にして防御する。

直ぐに氷に固いものが当たる音と

フィアが立っていたところは、サソリの尻尾みたいな物が突き出てきた。

地上にいるのも危険そうだ大鷲で空に逃げる。

「あれ何かわかる?」

フィアに正体の確認をとる。

今度から魔物事典でも読んで勉強しておこう

「恐らくソルジャースコーピオンだ

100~200ぐらいの集団で活動するサソリの魔物だ」

数が多いタイプか厄介だ

「レッドバジリスク含め数体を凍らせるからそれを収納したら飛んで上の階層に戻ろう」

フィアが頷いたのでレッドバジリスクと

ソルジャースコーピオン30匹ぐらいを

凍らせ回収する。

もう用はないとそのまま飛んで3階層に戻った。

「酷い目にあった3階層で美味しい物でも探して気分転換しよう」

精霊王なので火力はあるが 、Lvが低いので防御力は紙なのだ。

もしあのレベルの魔物の攻撃をくらえば一撃で死ねる。

さっきは気を抜きすぎた、今度からは気を引き締めていこう

余り広範囲を探すのでなく階段がある島を

中心に探知をする。

「コウ黄金マグロは居ないのか?」

よっぽど美味しかったのかフィアが質問してくる。

「俺も食べたいから探してるんだけど見つからないんだよね」

それでも探知を続けると、カニのような反応を探知する。

水を操作し水面まで浮上させると

「ジュエルクラブ!身も絶品だが、外骨格が宝石のようなカニで個体によっては

宝石よりも価値が高い、これは確実に高い

価値がつく」

こっちから聞く前に丁寧な説明をしてくれた。

やっぱりフィアも宝石とか綺麗な物が好き

みたいだ。

追加でいないかと探してみるが見つからない。

「追加でいないか探したけどいないみたい」

その後、黄金マグロとジュエルクラブを

探すも見つからず、フロンに帰ることになった。

3階層を突破した報告をするため

冒険者ギルドに寄っていく

「やっぱりこの時間は混んでるんだね」

カウンターも人がいっぱい並んでいて

忙しそうだ。

「並ぶ?」

フィアに聞くと

「人が少なくなるまで酒場の椅子にでも

座って待ってればいいだろう」

フィアがそっちに行くとトラブルに巻き込まれる気がするんだけど。

止めるより早くフィアが行ってしまった。

急いでついて行くと小さいテーブルと椅子を2つ確保して待っていた。

「よくある事だからな、こういう事は慣れてる」

冒険者が一斉に注文しているのでお金を

渡したんだろう

確かに1番早い解決法な気がする

「お酒は流石にまずいからケーキでも食べて待ってようか」

すると、カウンターから人が居なくなるより早くギルドマスターがきた。

「お久しぶりです。コウ様にオフィーリア様本日は魔物の買取でしょうか?」

「買取も有りますが、3階層を突破したので報告をと思いまして」

3階層を突破したそれを言った瞬間、視線が

一斉にこちらに集まった。

「ボスはクラーケンでした」

「クラーケンと船上で、戦わないといけないという事ですか」

難しそうな顔をするギルドマスター

「因みに船で討伐されたのですか?」

「いや、魔法で飛んで討伐しました。」

「それも普通の魔法使いでは少し難しそうですね」

「ただでさえSランクモンスターで

普通、海で戦わず陸におびき寄せて戦う

あいてだからな、キルドマスターが頭を悩ませるのも仕方ない事だろう」

成程、基本あいての得意なフィールドでは

戦わないレベル魔物って事か

「海の魔物は海で戦うならランクをひとつ

上げて考えなきゃいけない」

クラーケンだったらSSランクって事か

フィア1人で圧倒してたけど。

「次の階層は砂漠で入口から10分の所で

レッドバジリスク、ソルジャースコーピオンがいたぞ勿論討伐したので買取に出す」

それを聞いてギルドマスターが溜息をする

「難易度が高すぎます。一体どう攻略しろと?」

もう一度溜息をした。

一気に老けた様の見える。

あまりに可哀想だったのでケーキをひとつ出してあげる。

「これ、もし良ければ後で食べてください」

「実は気になってたんですよ、有難うございます」

その後魔物を解体するためにギルドマスターと一緒に解体場に直接向かうのだった。


読んでいただきありがとうございます。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る