フロンでの日常編

第1話

「今日は不動産で家探しだったかな?」

 フロンに帰ってきた翌日、昨日そろそろ家を買いたいとフィアに相談したからそのはず。

「その予定です」

 フィアがそう答えると、オルトレーさんが

 1枚の紙を渡す。

「フィアはわかってると思うが、フロンの貴族街に屋敷を建てる許可証だ」

 成程そういうのも必要なのか

「コウ確認してなかったが今どのぐらい 持っているんだ?」

 認定魔導師の基本給とフロン迷宮3層の魔物を売却した分しか持ってないが足りるかな?

「2000万Zぐらいなんだけど足りるかな?」 それを聞いて難しい顔をしている。

足りないかー、やっぱり家はお金がかかる

「これから増えるであろう妻の事を考えると足りないと思うんだ」

お嫁さんが増える前提?俺ってそんなに信用ないの?

「お嫁さんが増える前提なんですか?」

「こればかりはな、コウの意志と関係なく最低でも数人は増える」

政略結婚ってやつ?

「褒美として王家から嫁を貰ったりとか

繋がりが欲しい貴族の娘とか全てを断るのは無理だぞ」

個人的にはフィアがいてくれるだけで幸せなんだけどな

「じゃあフロン迷宮でお金稼ぎ?」

現状これが1番早いと思います。

「極端すぎるだろ、私が出すことだって出来るし、公爵家に出してもらう事だって出来るだろう」

それも有りなんだろうが

こればっかりは自分で稼いだお金で建てたい。

それを話すと妥協案として貴族街の空いてる土地を公爵家が用意して、それ以外は俺が用意することになった。

「私もフロン迷宮に潜るからな!」

フィアがそう言うので一緒に潜ることになった。

そして、今はフロン迷宮の入口の前にフィアと二人で立っている状態だ。

「久しぶりに潜るなフロン迷宮」

寧ろフィアは潜ったことあったのか!

そんな態度が顔に出ていたのかフィアが喋り出す。

「貴族でも迷宮に潜るのは普通だからな

資源の山だし何よりLv上げもしやすい」

そうかもしれないがそれはもっと難易度の低いダンジョンでする事だろう。

「攻略されてない高難易度ダンジョンを?」

目を見てフィアに質問したら目を逸らされた

やはりそういう事なのだろう。

「いつまでも入口で突っ立ってないで中に行こうか」

それを聞いたフィアは

「そうだな時間が勿体ないからな」

これでこの話から逃げれると急いで中に入っていく。

1階、2階は前回同様、大鷲で飛んで抜ける

今回は3階層を攻略するつもりで探索する。

「コウ本当に3階層を抜けるつもりか?」

フィア的には3階層でも稼げるのでは?という事だろう。

「せっかく攻略されてないダンジョンがあるんだよ、攻略を目指さなきゃ!」

それを聞きこれだから男の子はって顔をしている。

「フィアは攻略したいと思わないの?」

じゃじゃ馬姫なら攻略したいって思いそうなもんだが。

「別にそこまで」

凄い冷めた顔で言われた。

そんな話をしてる間にも、しっかりフロアボスっぽいのはいないかなと探知していた。

「ボスっぽいの見つけたからそっち行ってみよう」

そう言って大鷲の進路を変更する。

少しすると巨大なイカが見えてきた。

「あれはクラーケンだな

Sランクモンスターだぞ、本来2人で挑むとか自殺行為だな」

その割には落ち着いてるねと思っていると

「知ってるか?実はわかりやすいように

精霊にもランクがついているんだ」

「へぇー初めて知った。精霊王にもランクついてるの?」

精霊王がSSランクとかだからSランクぐらいじゃ驚かないってことかな?

「ああしっかりついてるぞ!

測定不能EXランクがな」

1段階上とかそんな次元じゃないっぽい。

「それに何度か精霊王同士の戦闘を見てるんだぞクラーケンなんて 、その気にならなくてもひと捻りだろ」

まあそうなんだけど慣れって怖いな

「じゃあ折角だからフィアがやってみる?」

そう言うと分かったと言って重力魔法を使い

クラーケンを海から持ち上げる。

「大分慣れてきたね重力魔法」

フェムトから重力の知識を貰ってから

ずっと練習してたからな。

今では自由に飛んだりもできる、その状態で別の魔法を使うのは厳しいらしいが

「持ち上げたのは良いがこの後どうしようか?」

釣ったイカを神経〆をする時、目と目の間を刺すんだよな?

「目と目の間が弱点かも」

そうフィアに助言すると大きな槍を氷で作っていた。

「こんな事出来なかったんだが

コウと一緒に寝るようになってから

水属性魔法が日に日に得意になってな

今では時間はかかるがこんな事も出来るようになった」

考えなくとも俺が水の精霊王だからだろうな

そのまま見ていると大きな槍がありえない

速度で飛んで行った。

まさか重力魔法で重力の向きを変えて加速させた?

「今の重力魔法?」

質問したら少し悔しそうに

「やっぱりわかるか、その通りだ

飛ばした瞬間に重力の向きを変えた」

本当に使いこなしてるなー

クラーケンは重力の檻に囚われているので

避けることも出来ず

目と目の間にヒットする。

その瞬間クラーケンは真っ白になってしまった。

「倒したみたいだね」

結局フィア1人で倒してしまった。

人間目線で見れば十分フィアも規格外だと思う。

そんな事を考えていると

「重力魔法で持ち上げ続けるのは疲れる

早く収納魔法で閉まってくれ」

フィアが重力魔法で目の前までクラーケンを持ってきていた。

クラーケンをしまい次の階層に降りる階段を探す。

すると近くにある島に発見し2人で降りていった。

2人は次の階層を見て絶句する。

「殺意高すぎない?このダンジョン」

「ほんとにな」

目の前には砂漠が広がっていた。


読んでいただきありがとうございます。







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