第6話

執務室の前につき

フィアがドアをノックする。

「お父様只今戻りました入ってよろしいでしょうか?」

すると直ぐに入りなさいと返事が帰って来た。

「信じていたが無事に帰ってきてよかった

楽しかったかい?」

いきなり精霊界行こうって言うやつが

いるんだもんなー、そりゃ心配だろう

「はい、とても美しいところでした」

このまま話に入ってしまう雰囲気だが

一旦割って入ろう

「話に割り込んでしまい申し訳ありません

精霊界にて頂いたケーキがあります。これを食べながら話などいかがでしょうか?」

するとフィアが

「お父様にも出すのか大量にはないんだぞ?」

まさか出さない為に早く話に行こうとしたのか。

「また精霊界に行けば何時でも貰えるから」

「そうだったな、コウなら何時でも自由に行けるのか」

「フィアがそこまで言うケーキかぜひ食べてみたいな」

何味を出すのが良いだろうか

「お父様はチーズケーキが好きだったはずだ」

それなら貰ってきてるはずだ。

「こちらです」

オルトレーさんの前にチーズケーキをおく。

「見た目は同じなのだな、だが匂いから違う素晴らしい匂いだ」

オルトレーさん匂いで満足してしまいそうだ。

「早速頂こう」

そう言い1口食べると言葉を発すること無く

黙々と食べ初めてしまった。

「素晴らしいチーズケーキだった。これ以上のチーズケーキに出会うことが出来るのだろうか?」

とても気に入ってくれたようだ。

実は俺自身もチーズケーキは好きなので

今度もしっかり作ってもらおう

「フェムトに白ワイン貰ってくれば良かったな」

それを聞いてオルトレーさんが反応する。

「白ワインと言うことは、コウくんもチーズケーキが好きなんだね」

「はい、なので貰って来る時は必ずチーズケーキが入ってると思います」

それを聞きオルトレーさんは上機嫌だ

「ちなみにコウがフェムトと言ったお方なのですが、精霊神様です」

それを聞いてオルトレーさんが動かなくなってしまった。

恐る恐る聞き返してくる

「聞き間違いかな?精霊神様って聞こえたんだが」

聞き方がフィアとそっくりだな

「俺の事を転移させた精霊が精霊神様で

その時仲良くなったんです」

「精霊王なら知り合いでもおかしくないか」

なんか心に言い聞かせて無理やり納得してる様にも見えるがまぁいっか。

「コウくん、一様確認だけど明日の予定

忘れてないよね?」

流石に覚えてますよ

「任命式と祝賀会ですよね」

フラフラと出掛けてばかりだったので心配させてしまったようだ。

「覚えているなら問題ない任命式、祝賀会は他国の代表も参加する、気をつけてほしい」

明日は認定魔導師として初仕事の日って事か

恥をかかないように気をつけますか。

「わかりました」

その後は、他愛もない話をしながら

他のスイーツを食べたり、果実酒を呑んだ


「はぁ、さっと任命されて終わりってなれば楽なのに」

「それが無理なのは分かってるだろう?」

わかってるから大人しく馬と馬車を氷で

作って王城に向かってるでしょう?

「わかってても苦手なんですよ、こういうのって」

「今後も参加する事になるんだ慣れるしかないぞ」

慣れるしかないか、その場の流れに任せて乗り切ろう。

王城について休む間もなく任命式が始まってしまった。

「今回、認定魔導師となる者は前へ」

事前に説目のあった場所に移動して

国王に対して片膝をつく

「コウ、そなたを王国認定魔導師に任命する、その名に恥じぬ活躍を期待している」

「王国認定魔導師に恥じぬ活躍が出来るよう、これからも精進していきます」

最後に1本の杖を渡される。

細かな加工がされていて豪華な杖だ

この杖は実戦で使うというより

認定魔導師と証明する時に使うものらしい

そう説明された。

「次に魔法演武に移ります」

俺が魔法でこんなこと出来るよって見せる事になるのだが

何しよう、ただ大きな氷を作っても

つまらないし大鷲や馬みたいに生き物を再現した物を沢山出すか。

タイミングはこっちで決めていいと言われてるので魔力を高め魔法を使う、すると

大小様々な動物たちが氷で作り出され

自由に動き回っている。

貴族たちの反応も良さそうなので

これで大丈夫だろう。

後は祝賀会だけだと気を緩めようとしたら、突然魔力感知に銃弾のような形をした物が

飛んで来てると感知する。

着弾まで時間も無いので、氷の壁を生成し

防御する。

当然無傷だが、突然の事に貴族がパニックになってる。

そっちは国王に任せよう

攻撃して来たやつの場所は分かってるので

妖精門を使い真後ろに転移してやる。

「わざわざご苦労さま」

そう言って喋らせる前に凍らせた。

「国王陛下、攻撃してきたものを捕らえて参りました」

貴族たちが口々に転移魔法と呟いている

人間からすれば転移魔法も希少だったか

少し考えればわかる事だったな。

「大儀であった、魔法演武はこれで終了にする」

続けるのは無理だろうしな。

「コウは一緒に来てくれるか?」

国王について行き部屋に入る

「面倒な事になったな直ぐに捕らえたから、まだ良いが騎士の厳重警備を掻い潜るとは」

「城壁からの狙撃でしたね簡単に説明するとまた異世界の知識が使われてます。」

それを聞き国王の顔はいっそう険しくなってしまった。


読んでいただきありがとうございます。





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