第4話
「精霊門は出るだけなら使えるみたいだ。」
ダンジョンから直接フロンに転移できたが
フロンからダンジョン内に
直接転移は出来なかった。
とりあえずフロンの中に入って。
冒険者ギルドに行く。
混むギリギリの時間なのだろうか
若干人が増えてる。
「フロン迷宮3層の魔物の買取
お願いしたいんだけど。」
受付の人に声をかける
「通常の買取室では
無理なサイズということでしょうか?」
10mぐらいの魔物であれば、
問題ないサイズが通常の買取室にも
あるみたいだが、
深海クジラ(アイテムボックスに
収納した時に出た名前)
は30mはあるから入らない。
「深海クジラがアイテムボックスに
入ってるから」
そう言うと少し驚いた様子で
「でしたら直接解体倉庫にお願いします。
私がご案内します。」
受付に導かれるまま連れていかれる、
見た目はそこまで大きくない。
倉庫に案内される。中に入ると
「成程、空間拡張か」
外からは考えられない広さになっていた。
「うちはギルドマスターが空間魔法の
ユニーク持ちなのでこうなっています。
親方、深海クジラが入りました。」
受付の人がそう声をかけると
いかにもな格好な男性がこっちに来た。
「深海クジラがあるならこっちに
出してくれ」
とりあえず指示通りの場所に置く。
「あとシーサーペント
黄金マグロがあって黄金マグロは最速で解体してもらって持ち帰りたいんですけど。」
「なら黄金マグロはこの台の上
シーサーペントはあっちの冷蔵庫の中に
入れてくれないか」
台の上に黄金マグロを置くと親方は
早速解体を初めてしまったので
受付の人に案内してもらう。
「腕は確かなんですが
解体しか興味がなくて」
腕がいいなら個人的には問題ない
冷蔵庫にシーサーペントを置く
「ここからは私がお話しますので
あなたは受付業務に戻ってください
人が増えてくる時間ですので」
「わかりましたギルドマスター
ではこれで失礼します。」
ギルドマスターが直接対応してくれるらしい
「改めましてギルドマスターをしている
サバールです。よろしくお願いします。」
凄い礼儀正しい人だ。
「丁寧にありがとうございます。
認定魔導師のコウです。」
「フロンを救って頂いた時から
わかっていましたが
素晴らしい腕をお持ちですね。
どれも私は初めて見ました。」
詳しく聞いてみるとどれも30年ぐらい
討伐記録がない魔物らしく肉はどれも
美味しいらしい。黄金マグロも
少し下ろしてくれないかと頼まれたのだが。それだけはとお断りした。
その代わりにほかは全部売ることにした。
「黄金マグロは残念ですがそれでも
凄い利益になります。
ありがとうございます。
そろそろ解体も終わるでしょうから
ご案内します。」
さっきの場所に戻ると既に解体が終わって
待っている親方がいた。
「解体終わったぞマグロは総じて
鮮度が落ちるのが早い気をつけろよ」
やっぱりいい人だったな。
「わかりました、ありがとうございます。」
フロンの公爵邸によって黄金マグロを
お裾分けして王都に帰る
王都の中に入ってから妖精門を使って
屋敷の前まで一気に移動する。
門番にも顔パスで通してもらい。
中に入った。
「ただいま戻りました。」
「おかえりコウ結局どこに行ってたんだ?」
フィアに質問されたので正直に答える。
「フロン迷宮の3層」
優雅に紅茶を飲んでたフィアが噎せた。
「何をいったいどうしたら
最初からそんな所に挑戦したんだ。」
呆れた顔で見られている。
「いや、だって海産物好きだったから
お土産に黄金マグロあるよ?」
フィアの呆れ顔レベルが
さらに上がった気がする
「そんな簡単にお土産と言って出てくる
ものじゃないぞ、それは」
呆れ顔から戻ってくれない
「じゃあフィアは要らない?」
「嫌だ、絶対食べるぞ」
「そんな意地悪しませんよ
とりあえずコック長に渡して夕食を
待ちましょう。」
夕食までの間、2人で今日起きたことの話をして時間を潰す。
話に夢中になりすぎて
呼びに来てもらうまで話続ける事になった。
「黄金マグロか私の御父上が
小さい頃に食べたことがあると
自慢されたぐらいだったが
食べる事が出来るとはね」
オルトレーさんでも食べた事がないと
聞き本当にレアなんだなって再認識する。
「日本人は食べ物への情熱が凄いと聞くが
本当みたいだな。」
ちょっと気になっていたが
ナイフ、フォーク、スプーンの他に
箸があったり醤油が用意してある
「箸とか醤油って日本人が
広めたんですか?」
この世界にもダイワと言う国があって
想像通り日本に激似らしい。
そこの料理を転移してきた日本人が
広めまくった結果この国でも箸が普及したり
和食が食べれるらしい。
「まあ、召喚者やドリフターに国に
居着いて貰いたいって言う打算も
あるけどね。
ダイワ食が美味しいのは本心だがね」
特に社交界シーズンは胃に優しい
ダイワ食はとても助かるそうだ。
「俺としても、故郷の料理に似た者を
食べれるのは嬉しいですね。」
日本で食べて
この世界で無い物の再現とかも良いかも
「今は黄金マグロですね」
今回は刺し身とカルパッチョが
用意されている。
まずは刺身の赤身から
日本で高いマグロなんか食べた事無いので
比べようがないが
今まで食べたことがない美味しさだ
水っぽさが全くない。
中トロや大トロがまだある
魚じゃないだろってぐらい油が乗ってるのに
全然重たくない。
口に入れた瞬間溶けてしまうレベルだった
カルパッチョとてもいい味
さすが公爵家の料理人だ
「召喚者にドリフターに食べさせたら
それだけで仲間に出来るレベルですね」
それを聞いた2人がそれほどかと呆れ顔を
している。
「そう言えば陛下が勇者が黄金マグロの
噂を聞いてフロン3層に行きたがって
困ってる。と愚痴ってたな。」
勇者か悪い奴では無かったし。
王城に届けてやるか。
「明日陛下に献上してきます。」
2人が苦笑いをしながら頷いた。
「そうかなら魔道具で連絡しておこう」
それで一旦話は終わり。
残りを夢中に食べる。
ソファーで食休みをしながら
アイテムボックスについて考える
(こういう小説だと
転移も収納魔法も空間魔法系
だったりするよな)
となると精霊門の様に精霊専用の収納魔法があるんじゃないか?と考える。
「ていうか、この指輪がその魔法で
作られてんのか?」
何度か起動し確かめてみると
確かに精霊門に似ている。
精霊門は入口と出口を作るイメージで
収納魔法は入口を作りその空間を
広げるイメージ
何度か試すと指輪なしで
収納魔法が起動した。
すると指輪の異空間と今作り出した異空間が繋がり手紙が1枚増えていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コウへ
この手紙を読んでるということは
指輪の魔法に気がついて
〈精霊のおもちゃ箱〉を習得したという
ことだろう。
これなら時間経過を気にせず。
収納する事が出来るからね。
直接起動するより指輪を使って起動した方が簡単だろうから指輪もそのまま使ってね
フェムト
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
どうやらフェムトなりの試練
だったみたいだ。
まあこれで今度からは気にせずに
食材集めが出来る。
そんな事をしていると。
オルトレーさんが部屋に訪れる。
「さっき王城に連絡を入れたんだが
朝イチで取りに来るらしい。」
よっぽど欲しいらしい。
凄い美味しかったから
わからなくはないけど。
この間、ずっと隣で本を読んでいた
フィアに話しかける
「フィアは明日用事あったりする?」
「祝賀会の日まで特に予定はないぞ」
「じゃあ明日は2人で精霊界に行こうか」
2人の頭の上にはてなマークが浮かんでいる
「聞き間違いか?精霊界って
聞こえたんだが」
フィアに聞き返されてしまった。
「精霊界だよ。」
2人はもう訳が分からんと
考えるのを辞めてしまった。
「コウくん、フィアに危険はないんだね」
それは気になるだろうな
「当たり前です。」
「じゃあ気をつけて行ってきなさい」
「お土産も持って帰りますので」
そう言って皆、寝室に移動して行った。
読んでいただきありがとうございます。
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