第6話 これからどうする?

ひとりひとり治してると時間がかかって面倒なので、怪我人を一箇所に全部集めて貰い

1回で終わらせる。

別に魔力枯渇とかには余裕でならないが精神的に疲れる。

治った人の中には俺の事を崇め始める人もいたが、恥ずかしいのでやめて欲しい。

マチェスさんに疲れたから。休憩したいと

いって屋敷に案内してもらった。


「それにしても〈癒しの水〉かいい2つ名じゃないか」


恥ずかしがってたのがバレているので

フィアがからかってくる。


「じゃじゃ馬姫よりはよっぽどね。」


カウンターをお見舞いすると

ムスッとした顔をして反論してくる。


「それは昔の話だ。今は〈ワルキューレ〉とか言われてるんだぞ。」


日本人からしたらそれめっちゃ恥ずかしい。

癒しの水ってまだ優しい方だな。


「どうした。いきなり黙ってまさか騙してると思ってるのか?酷いぞコウ」

なんか勘違いしてる。


「違うよ、元いた世界には2つ名とか無かったから、こっちの世界だとつくと名誉なことなんだなーって思っただけだよ。」


そういう事かとフィアも納得してくれた。


「ドリフターだったなコウはそれで水が爆発したり毒になる魔法、説明してくれるな?」

忘れて無かったか。


「元いた世界には魔法が無かった変わりに科学ってのがあったんだ。熱気球もその知識を使ったものだ。

俺も科学の知識を魔法に活用したんだ」


詳しい話は長くなるからなー

これで納得してくれないかなー


「肝心の原理については教えてくれないのか?」


まあ、そうなるよね


「説明するには科学の基礎を理解してる必要があるから時間がかかるし教材がない。

魔法だって基礎も覚えてない人が、ファイアーボールだけ教えてくれとか来ても無理でしょ」


確かにと納得してくれたようだ。


「時間が出来れば基礎から教えてくれるんだな?」


誰にでもというのは厳しいがフィアなら

問題ないだろう。


「準備が出来たらね。

で、俺はこの後どうすればいい?

公爵家はこれから忙しいでしょ。」


冒険者にでもなってLv上げでもしようかな


「私としては一緒にいて欲しいが婚約者

なわけだし。でもいくらドリフターだとしても、それだけでは文句を言う貴族が多いだろうし。お父様次第だからなんとも言えない」


そっか

じゃあフロンに1回帰らないと行けないか。


「じゃあ報告もあるし1回フロンに帰ろうか精霊門で一瞬だから。」


まじで便利転移魔法。


「そうだなそれとエルは残っていいからな。」


確かに旦那さんが代官だもんな。


「私はオフィーリア様の護衛です。」


想像通りの返答だな。


「私の代わりにオーストに待機していて欲しいんだ。また攻めてくる可能性もある。それに護衛ならコウがいるからな少し休め。」


結構強引だなでもそれぐらいしないと

休んでくれなそうだし。


「そこまで言うのでしたら、残ります。」


「ちなみにケルディオも残りだ。フロンから来ているであろう兵士達に説明を頼む」


「承知致しました!」


「最初からこの予定だったから2人っきりでゆっくり帰れると思ってたのだが。」


転移魔法が使えるから意味が無いと。


「これが片付けば時間はいっぱいありますから」


何とかなだめて精霊門をくぐりフロンに帰ってくる。

出てきたら人がいっぱい居た。門から少し

離れたところに繋げたんだけど。


「オフィーリア様!」


あっ!団長さんだフィアが説明をしてくれる。

オーストに向かって兵を出すところだったらしい。結果、精霊門を使ってオーストに送り届けることになった。


「いやー、時間が短縮出来ました。」


今は輸送してる間に迎えに来た馬車で公爵家の屋敷に向かっている。


「一先ずオーストが無事で良かったです。

それとアンセム様は反逆者として既に民衆の前で処刑しました。」


フィアはそうかとだけいい黙ってしまった。

団長さんがこっちを見て何とかしてって

顔してるけど、無理だよ家族の問題だもん

結局一言も喋る事無く屋敷についた。


「よく帰ってきたオーストを救ってくれてあ

りがとう」


入口でオルトレーさんが待っていた。

「お父様、報告が色々あるので時間もかかると思います。執務室で話をしたいのですが」


当然俺のことも報告があるだろうから

聞く人は少ない方が良いからね。

ありがたい

執務室に案内された。


「ではフィア報告を頼む」


「では初めに....」


かれこれ1時間ぐらいで報告が終わる。


「正直、帝国とかどうでもいいな永久凍土に火と水の精霊王の戦闘、王国が滅びなくて本当に良かった。」


報告もそっちの方が長かったもんね。

「あっちがちょっかい出して来ただけで、ちょっとしたじゃれ合い程度です。周りに影響が出るまでやるつもりは無かったかはずですよ」


フィアが凄いジト目で見てくる。


「サイズこそ小さい火球と水球だったが、両方とも相殺出来てなかったら少なくともオーストは消えてた。それだけのエネルギー量を感じたぞ」


しっかりバレてた。

オルトレーさんもまじかよって顔でこっちを見てくる。


「フィアも言ったけど相殺する必要があったからあれだけの威力を出しただけだからね」


「その話は置いといてコウ君のこれからの事だ。コウ君には王国認定魔導師になって貰いたい」


王国認定魔導師とは国に認められた魔法使いのことで、この称号持ちがいれば

敗走寸前の戦況でもひっくり返せると

言われているらしい。


「認定魔導師に成れば王家と結婚しても

他の貴族は文句を言ってこない。」


成程その称号が有れば、フィアとの結婚にもケチがつかないと


「でも、国に仕えるって事になるんですよね?ずっと王都に居なきゃいけないとか

あったりしませんか?」


せっかくの異世界世界を回ってみたい。


「問題ない、貴族になると簡単な文を送れる魔道具が貸し出される。認定魔導師もそれを貸し出されるので、国内で有れば自由だ」


成程、それならいいや。


「分かりました。どうしたらなれるんですか?」


「今日を含め三日後に国家認定魔導師試験が

行われるコラーソ公爵家の推薦で出て欲しい。」


三日後!すぐじゃん


「明日、今回の報告で王都へ行くそれに

護衛として着いてきて欲しい。

しっかりとした服を用意したいから採寸だけさせてくれ」


そう言い執事を呼んでその場で採寸された。


「大鷲で飛んでいくという事で良いんですよね?」


地理は分からないが馬車じゃ直ぐにつかない場所だろう。


「その通りだ何人ぐらいなら乗せれる?」


大鷲のサイズ自体を変更すれば問題ないが

まあ良いか


「合計で10人ぐらいです。王都に着いてからも馬車と馬も氷で作れると思うので、それで行きましょう。見た人が勝手に噂を流してくれるでしょう?」


貴族の牽制にもなるだろう。


「それなら頼めるか」


「かしこまりました。」


面倒臭い貴族に絡まれたくないので

俺としてもその方が楽だ。


「これで取り敢えずの話は終わりだ国家認定魔導師になったら王城で、記念祝賀会が行われる。フィアをそこでパートナーとして連れて行ってくれれば正式に婚約者と宣伝出来る」


精霊王の力を使ったとしても国家認定魔導師

になってやる。


「コウちゃんと手加減するんだぞ」


呆れた顔でフィアに見られてた


「まあ、私も心配はしていない。それとコウ君の分まで夕食を用意させてる妻や息子の紹介もするから一緒に来てくれるか?」


結論から言うとめっちゃいい人達だった。

でも緊張しすぎて味がわからなかった。

気づいたら終わって部屋に案内されてた。

ボーッとしているとドアがノックされる


「オフィーリアだ開けてくれるか」


フィアか


「開いてるから入って」


開いてるぐらいのところでドアが開いた気がするが別にいいか。それより凄く薄い

ネグリジェを服の中に来てたみたいで、ドアを閉めたあとネグリジェだけになってこっちに来る。


「フィア流石に早いんじゃないかな?まだ婚約すら発表出来てないんだよ。」


ここで手を出したらどう転ぶか分からない

「問題ないぞこれもお母様が着ていくといいって渡してきたものだ」


何てものを


「それに私の部屋も入れないようにされてしまってな。一緒に寝てくれないなら廊下で寝るしかない。」


なんでそんな事になってんの!


「私の年齢のせいでもあるんだがコウを逃したらほんとに結婚出来ないと屋敷のもの達が

張り切っていてな。」


そんなことが


「分かったけど俺も男だからね。絶対に手出しちゃうよ。その姿で一緒に寝るなら」


「元よりそのつもりだ優しくしてくれよ」


理性が保てるわけがなく寝るのはもっと夜遅くになったのだった。


読んでいただきありがとうございます。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る