第19話 仲間

ハァハァハァ


黒星は先程の戦いで既に疲れきっていた。

それでも止まらないと戦うがとうとう追い詰められてしまった。


「歌能力なんて、喉を潰せば発動しないんだよね。だから、ごめんけど潰すね。」


「ラララ〜ラララ〜♪」


(これでほのかちゃんを回復させればきっと…)


「潰される前に相手を回復させたのか。いい考えだね。じゃあグッと痛みを堪えてね。」


そう言うと悪魔は黒星の首を締め始めた。


「1度でいいから、首を絞めてみたかったんだよね。こんな所で出来るなんて嬉しい!」


「グッグッ…」


黒星はとうとう気を失ってしまった。


「黒星…待ってて今助けるから。」


「おっと。ほのかちゃん起き上がっちゃったのか。先にこっちを片付けようと思ったのにな。こっちは気を失ってるみたいだし先に殺してあげる。」


タッタッタッ


悪魔はものすごいスピードでほのかに近づく。


「さよなら。悪魔。」


「何言ってるの。さよならするのはそっちだ。」


「気づかなかったみたいだけど、まだ生きてるよ。」


「生きてるって誰が?」


バンッ


「こっからは俺らの出番だ!覚悟しとけよ!悪魔!」


「なんで生きてるんだ!?あれだけの悪魔の数が居たのに生き残るとは…」


「悪魔は全部倒したんや。残っているのはお前だけやね。」


「まさか、冗談言わないでくれよ。」


「冗談なんかじゃありません。もう、悪魔はあなた以外全滅しました。」


「嘘だ…そんなはずはない…」


悪魔はものすごく動揺していた。


そして、その隙をほのかは見逃さなかった。


「ハァッ!」


グハッ


悪魔はよろけた。

その隙を狙って陽太は攻撃する。


グハッ


「痛い…な。もう…辞めてくれよ。僕の負けだよ。降参だ。」


「何を言ってるんや。喧嘩はどっちかが倒れるまでするもんや。」


ウワッ


悪魔は倒れた。

もうなんの力も出せずに悔しそうな表情をした。


「仲間を信じたから、この結果を得られた。悪魔に足りないのは仲間じゃないの。協力することも無く、ただひたすら人間を狂わす。悪魔は孤独な生き物だね。」


ほのかは悲しそうな表情で悪魔を見た。

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