第17話 2人と2人
やっとのことで扉までたどり着いたほのか達。
扉を開けると中はひんやりしていて、静かさが余計に緊張を誘う。
アゥアゥアゥ
後ろから悪魔の声がした。
振り返るとたくさんの悪魔がこっちに向かってきていた。
「ここは俺に任せろや。」
「なら、私も紫雨と一緒にここに残る。」
「夢乃、先に行った方がいいんじゃないんか?」
「私は紫雨を置いていけない。一緒にいたい。」
迷いながらも紫雨は夢乃と一緒に残ることにした。
ほのかと黒星は2人を信じて先に進んだ。
「やぁ、君たち。よく来たね。」
「あなたは!」
黒星はその顔に見覚えがあった。
その男は死んだお兄ちゃんだった。
「どうしてお兄ちゃんが!?生きて…いたの?」
「そうだよ。僕は生きている。ここにいるだろ。」
「でも死んだはずじゃ?」
「確かに死んだよ。でも、死ぬ寸前で能力を得たんだ。不死身の能力をね。」
「そんな…」
「嘘じゃないよ。姿を表さなかったのは命を狙われない為なんだ。黙っててごめんね。」
黒星は戸惑いながらも兄が生きていることにほっとしていた。
「本当にこの人、黒星のお兄ちゃん?」
ほのかは黒星の顔を見た。
「お兄ちゃんよ。でもあんまり似てないって言われるの。」
「そうなんだ。私はほのかよろしくね。」
「よろしく。」
ほのかは黒星の兄と握手をした。
「やっぱり、この人。おかしいよ。」
「おかしいって何が?」
「この人から悪魔の匂いがするの。」
「悪魔を倒したからじゃない?」
「倒しても匂いは付かないし、血を浴びてもつかないの。」
ほのかは指をさして言った。
「この人は、死んだお兄ちゃんに取り付いた悪魔だよ!」
黒星は驚いてその場に崩れた。
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