第15話 決戦開始

「何…これ…」


当たりを見渡すと無数の悪魔がそこには居て、中には悪魔に取りつかれている者もいた。

逃げ惑う人々の中には、親とはぐれた子供、恐怖に怯えた人々などがが泣いていた。


「ボッーとしてないで、戦うわよ。」


黒星が先陣を切って走っていった。

ほのか達もそれに続いて走る。


「ほのか、悪魔がどこから来てるのかわかったりする?」


「もう少し先のところから来てるみたい。」


「じゃあ、そこに行って止めるしかないよね。」


「うん。」


「じゃあ、もう少し先を目指しましょ。」


グァァ


突然、悪魔がこっちに向かって走り出した。


「ハァッ!」


陽太はいつの間にか黒星を抜かして先頭に立って居た。


「ここら辺のは俺がやるから、お前たちは先にいけ!」


「本当に一人で大丈夫なの?私もここで戦った方がいいんじゃ…」


「そうだよ。1人で戦うなんて…」


4人は不安そうな顔を浮かべた。


「大丈夫だよ、みんな。俺には死ねねぇ理由がある。だから大丈夫だ!」


「死ねない理由?」


「そうだ。俺は、こんな所で死ねないんだよ。それにほら、これを見てみろよ。」


そう言うとポケットからスマホを取り出し見せた。


「今日の運勢は俺が1位なんだ。今日一運がいい俺に任せとけ!」


「そこまで言うなら、大丈夫やね。」


紫雨は笑った。


「でも…」


ほのかと夢乃はまだ納得できない様子だった。


「ほのかと夢乃さんは、陽太さんのこと信じられない?」


2人は顔を見合わせてこう言った。


「信じれるに決まってる!」


「陽太、頼んだわよ!」


「おう!任せとけ!」


4人は陽太に背を向けて走り出した。

振り返ることなく。


(黒星に好きって伝えるまでは絶対死なない。好きって伝えた後も絶対死なない。)

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