第6話 力能力

「ほのかちゃん、この人から感じる?」


「うん!この人だ!」


男はため息をついた。


「一体何の話ですか?」


「私達は、能力者を探しているの。あなた能力者ですよね?」


黒星はそう言い、男に近づく。


男は焦る。


「まさかお前たちも、能力者なのか?」


「私とこの子が能力者。少し話があるけど、よろしいですか?」


男は少し考え、家に入れることにした。


「話って?」


「私達は能力者を探し、集めて、悪魔を全部倒そうとしているの。」


「そんなの無理に決まってる。ただでさえ1匹倒すのにも苦労するのに…」


「わかってる。でもこのまま、追われっぱなしで、警戒しながら生きるなんて、そんなの…」


黒星は泣いた。


黒星は、この能力を持った数日後、悪魔に襲われ、たった1人の兄を失った。

ずっと警戒しながら、怯えながら生きてた。

ずっと仇を打ちたかった。

でも、自分にそんな力はなかった。。

だから、ずっと他の能力者を探していた。

そして見つけた。


「わかった。協力するよ。」


黒星は顔を上げた。


「いいの?」


「女が泣いてるのに手を貸さない男がどこにいるっていうんだ?」


(泣き顔にやられたなんて言えねえよ…)


「ありがとう!!あなた名前は?」


「俺は竜王りゅうお陽太だ。陽太って呼んでくれ。陽太よろしくな!!」


「私の名前は、黒星。こっちがほのかちゃんで、こっちが夢乃ちゃん。これからよろしく。」


「よろしくお願いします!!」


ほのかと夢乃は同時に言った。


「黒星か。いい響きだ。」


「陽太の能力ってどんなの?」


ほのかは目をキラキラ輝かせて聞いた。


「俺は、力能力だ。」


「運動神経がいいってことですよね!いいな!」


夢乃は運動神経抜群な陽太を少し羨ましいと思った。


「私だけ、攻撃でもない、回復でもないって悲しすぎる。」


ほのかは、ほっぺたをふくらませた。


「相手の居場所を察知する能力。この能力を使えるのは、ほのかちゃんしかいない。」


「その能力、早く見てみたい。俺、楽しみだ。」


「ほのかは、自分が思っている以上に凄い子だよ。」


ほのかは、嬉しそうな顔をした。


「みんな、ありがと!!」


「さて、残りの能力者を探そうか。」


「その前に、昼ごはん食べないか?美味しい店を知ってるんだ。」


陽太はニコニコ笑った。

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