第4話 アイデア

「頭が混乱してるけど、とりあえず、昨日言ってた体が軽くなるって嘘だったってことでいいんだよね?」


ほのかは、カバンに入れていたお茶を飲み、黒星に聞いてみた。


「そうだよ。私はあの瓶の中にある物を飲ませることが出来れば良かった。だから、嘘をついたって訳だよ。でも、まさかホントに飲んでくれるなんて思わなかったけど。」


そう言うと黒星は笑った。


「最後の瓶を渡した私は、他の能力者を本格的に見つけて悪魔を倒そうと思っているの。私だけの力じゃ倒すことも難しいから。」


黒星は昨日のことを思い返した。


「他に何か聞きたいことある?」


「私は、鼻が元々良くて、あれを飲んだことで、この鼻を強力にたってことなんですよね?」


「そういうことになるね。」


(確かに私は、鼻がいいけど、まさかこの体の中で1番いいなんてね…)


ほのかは少し、俯いた。


「ほのかが飲んだってことは、あと3人を探せばいいってことですよね?」


「そうなんだよ。でも全く居場所が掴めなくて…」


黒星はこの5年間、能力者を探していたが未だ何も掴めていない。


「そうだ!!ほのかに匂いを嗅いで見つけてもらえばいいんだ!!」


夢乃はキラキラ目を輝かせて、アイデアを伝えた。


「それはいい考えね!もしかしたら、居場所がわかるかも。」


ワシャワシャ


黒星は、夢乃の頭を撫でた。


「私の能力で見つけられるのかな?いや、やってみるしかないよね!!」


バシッ


ほのかは頬を叩いて、前を向いた。


「そういえば2人の名前聞いていなかったね。なんて言うの?」


「私は、桃海 ほのか。高校1年生。」


「ほのかちゃんね。よろしく。」


「そっちの子は?」


「私は、音那 夢乃、高校1年生です。」


「夢乃ちゃん。よろしく。」


「今から、悪魔の対処法について教えるけど時間大丈夫?」


「大丈夫です!!」


2人は同時に答えた。

3人は、顔を見合わせて笑った。


これから先、何があっても、この瞬間みたいに笑えたらいいなと3人は心の底から思った。

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