第3話 能力

「昨日の瓶のことについて、知りたいんでしょ?教えてあげるから、ついてきて。」


昨日とは別人のような女の笑顔に、驚くも、ついて行くことにした。



「ここは、私の家よ。そしてここが、唯一の安心できる場所だと思いなさい。」


2人はその言葉が、どういう意味なのか分からなかったが、聞こうとはしなかった。


「そこに座って。今から、2人には、この国に存在する能力について話す。別に、信じてもらいたいなんて思っていないけど、信じなければ命を落とす可能性が高くなる。わかった?」


2人は首を縦に振った。


これから何が話されるのか。

あの瓶の正体のこと。

この女のこと。


分からないことだらけの中、2人は耳を傾けた。


「さて、話を始めましょうか。」



「私の名前は、朝倉 黒星くろほ。5年前に、あなたと同じ物を飲んで能力が宿ったの。あの瓶は、最初、魔女が弟子を作るため、この国に持ってきたらしい。だけど、1人目の人間を弟子にした後、死んだ。死ぬ前、魔女はその弟子に、瓶を他の人に渡してほしいと頼んだ。その瓶は5つで、その弟子と合わせて6本存在した。弟子は瓶を渡し始めて、最後の2本で私のところに来た。その弟子は、病気になっていて、死期が近いのを悟って、私に2本の瓶を渡した。瓶は、魔女の血と、涙で作られ、匂い消しの粉を入れたと魔女から聞いたらしい。悪魔に裏切られ、その魔女だけになり、この世から不思議な力を消さないために、能力として作り上げた。そして能力は使う人によってバラバラで、その人の中で1番使えそうな部分を強力にするという力が宿る。そう答えた後、その弟子は死んだ。今も私以外の能力者は見つけられないまま。そして、私は悪魔に狙われているの。おそらく、魔女の血の匂いを感じたからね。でも、この瓶を渡して飲んでもらうまで死ぬわけには行かなかった。そして昨日、あなたに渡して私は使命から解放された。これが私が説明できる全てよ。」


2人は、驚きを隠せなかった。

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