10話「幸せに暮らしました」最終話
私の卒業と同時に皇太子殿下と婚約し、ナウマン公爵家は爵位を返上、一族でロイヒテン帝国に移住しました。
ナウマン公爵家の人間がいなくなり、ユーベル王国は仕事が回らないそうです。
国王が父に「私が悪かった! 息子達を厳しくしつけるから戻ってきてくれ!」と泣きついて来ましたが父は無視しました。
国王は一年前にハインツ様が私に冤罪を着せようとしたとき、ハインツ様に厳しい罰を与えるべきでした。
私に冤罪を着せ国外追放しようとしたハインツ様と、そのハインツ様の処分を甘くした国王にナウマン家の人間は憤りを感じています。
今更ユーベル王国の仕事が回らないと言われても、爪の先ほども気持ちは動きません。
ナウマン家はロイヒテン帝国で新たに公爵位を賜りました。「優秀な人間にはそれなりの地位を与えないとね」と皇太子殿下は仰っていました。
父や親族も仕事の能力を買われ、難しい仕事を任されバリバリ働いております。
ナウマン家のロイヒテン帝国での評価は急上昇しております。
私も皇太子殿下の婚約者とし、皇太子殿下を全力でサポートしております。
皇太子殿下はとても賢く決断力があり努力家ですから、仕事のサポートのしがいがあります。
ハインツ様の婚約者だったときは大変でした。ハインツ様は頭が悪く怠け者で横柄で乱暴な方でしたから、仕事を全部押し付けられ、手柄だけ横取りされ、ストレスがたまり、精神を病みそうでした。
皇太子殿下とはお互いに助け合い、良好な関係を築いております。
皇太子殿下は家臣と民に大変慕われています。
皇太子殿下が私を大切に扱ってくれるおかげで、ロイヒテン帝国の皇太子の婚約者として、すんなりと受け入れてもらえました。
一年の婚約期間を得て、私は皇太子殿下と結婚しました。
二年後子宝にも恵まれて幸せに暮らしております。
――終わり――
追記
皇太子の独り言
「ユーベル王国への通行税を上げたことはリリーには内緒、ユーベル王国は三方を高い山に囲まれているからロイヒテン帝国を通らないと他国と交易出来ない。ユーベル王国の物流は滞り、徐々に衰退していくだろう。リリーを傷つけたハインツを厳罰に処すことも出来ない国なんて、なくなってしまえばいいんだよ」
ご愛読ありがとうございました。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【後書き】
8話に担任教師へのざまぁがないというご指摘を受けたので、8話に担任教師へのざまぁを追加しました。
ハインツへのざまぁがないというご指摘を受けたので、ユーベル王国の後日談を書きました。
ハインツ「父上、腹が空きました、ステーキが食べたいです。最高級の牛を一頭潰して下さい、焼き方はミディアムレアでお願いします」
国王「馬鹿もの! 貴様がロイヒテン帝国の皇太子を怒らせたので、我が国は火の車だ! 衛兵、ハインツを牢屋に入れろ! 水一滴与えるな!」
ハインツ「あんまりです父上ーー!!」
「クラスメイトの私物を盗んだ疑いをかけられた私は王太子に婚約破棄され国外追放を命ぜられる〜ピンチを救ってくれたのは隣国の皇太子殿下でした」完結 まほりろ @tukumosawa
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