天稚彦物語
それともうひとつ、「七夕」で検索してみたらこんな伝説が出てきました。
「
あるところに三人の娘と父親がおりました。そこに突然現れた大蛇が「命を奪わぬ。娘を嫁にくれ」とかいったそうです。
けれど、姉二人は拒みます。
だれも大蛇の嫁などなりたいはずがありません。けれど、末娘だけがそれを承諾するのです。おそらく、末娘は家族を守るために自分を犠牲にしようとしたのでしょう。
そして、末娘は大蛇のもとへ向かうわけです。すると大蛇のなかから美しい男性が現れるわけです。
彼の名は「天稚彦」
その美しさに娘は惚れまくったに違いありません。天稚彦もまた娘にぞっこんだったでしょう。
結婚したふたりは仲良く暮らしていくわけです。
そんなある日、天稚彦は「天に用事がある」と出掛けていきます。しかし、彼はなかなか帰ってきません。彼を心配した娘は「天」へと乗り込んでいくわけです。
すると、天稚彦が実は鬼の子であることを知るわけですが、すでに彼を愛していた娘がそれで逃げるわけではありません。
彼の父は娘と天稚彦の仲をよく思っておらずに、すぐにでも引き離したいと思っています。だからといって、娘も天稚彦もあっさりも別れるつもりはないわけです。
そこで天稚彦の父親はそれほどに一緒にいたいならばと娘に無理難題を突きつけます。けれど、娘はどうにかその無理難題をクリアするわけです。
まあ、どんな無理だったのかはわかりません。想像もつくことができないのですが、「かぐら姫」が自分にいいよる男どもに突きつけたような無理難題だったのかもしれませんね。
とりあえず、娘がこなせるものだと考えたならば、かぐや姫の無理難題ほどではなかったのかもしれません。
というわけで無理難題をがんばってこなした娘を認めるわけです。
そして、一年に一度7月7日のみ会うことを許すのです。
認めたならば、一年に一度ではなく、今まで通りに一緒に住まわせてやればいいのにと思いたいところですが、それなりに事情があるのでしょうね。
なにせ人の子と大蛇から出てきた鬼の子ですからね。
ちなみに天稚彦は父親に娘のことを伝えてはいなかったようです。なぜなら、人の子です。人の子が嫁だと知れば、父親はたちまち娘と離縁させられることがわかっていたからでしょう。そのために、父親が訪れるたびに娘の存在をひた隠しにしてきたようです。だけど、ずっと隠し通せるわけだはありません。
とうとう娘の存在に気づかれることになります。それゆえに天稚彦は父に認めさせるために天へ向かったのでしょう。だけど、娘のもとへ帰ることのできない状態に追いやられてしまったのかもしれません。
そこで娘のほうから乗り込んだといったことではないでしょうか。
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