野槌
目も鼻もなき物也といへり。
鳥山石燕『今昔画図続百鬼』より
一、
一滴の
あれから、いったいどれほどの時間が経ったのだろう。肉体から流れ出た
ほどなくして、投与された薬の効果も切れるはずだ。その時のことを思うと、怖くて
僕は毒に侵された
僕自身も決して
だが、羊の群れの中に
《
しかし、僕の
僕は想像の中で、少し指先に引っ掛かる
――僕の手足はどこへ消え去ってしまったのだろうか。何としても見つけ出さなくてはならない――
居ても立ってもいられなくなり、
僕は
身を
ヒタヒタ、という足音が
ブチブチ、と
それは
ああ、また肉を食いちぎられた。
二、
それは両腕両脚を
友人は、自身が
私の眼にはこの上なく美しく見えるものも、友人にとってはそうでもないらしい。友人が
女の
その
山野を
私は子どものころに妄信した
いつの間にか、私はカンバスに向かって、
あの
アトリエの壁を飾るのは、十六世紀の
ホーム・センターで電動ノコギリとゴム管を購入した。
次は素材をどこで入手するか。できるだけ美しく
――
アトリエとして建て直した蔵に積もった
――あの子と交わした約束を果たそう。彼を
遠くの森で
三、
はい、間違いありません。私の名前でございますか。
まさか、こんなことになろうとは思ってもみませんでした。それは、昔から、ちょっとばかり風変わりと言いますか――
大学卒業後、当人は大学院に進むことを希望していたようですが、
えッ、まだ見つかってないのですか。犯行現場を特定している――
そういえば、思いあたる節がございます。
絵巻の内容でございますか。さあ、悪趣味なものでしたね。不気味な絵という印象しか残っておりません。
一度だけ、
今となっては
そうですか。蔵から切断された男性の手足が見つかりましたか。
と申し上げましても、
一時、私はその宝箱が
お菓子の空き缶の中には、
私は
私も医師を
私が
こちらは
あら、もうこんな時間なのね。刑事さん、
四、
一九九八年六月七日
報道と警察は
両親から
必要な毒薬は全て、
赤ワインにエスタゾラムを十二ミリグラムほど混ぜて男に飲ませる。昏倒した男を
しかし、
ある日、
いくらかのレントゲンと採血検査の結果を見て、医者たちは
私は自身の
山の神の姿を
きっと、多くの
私は
深い満足感に
(了)
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