百々目鬼
鳥山石燕『今昔画図続百鬼』より
一、ある私娼が語る噂話
ああ、本当に
それでも、こうして
近頃、世間を騒がせている
このような暮らしを続けておりますと、奇妙な
ほとんどが根も葉もない
「こんな夜更けに女の独り歩きとは奇妙だな」と思いつつも
道具屋の主人が慌てて、
「さては、先刻の女に金子を盗られたに違いない」と思った男が肩を
道具屋の主が怒りのままに、女の手に握られている
女の腕には
私のように
きっと、その
ああ、本当に
あら、そんな風に私を
でも、どうか、
あら、嫌ですわ。やっぱり、お酒をいただき過ぎてしまったようです。罪人に情けを掛けて、涙を流すなんて、私らしくもありませんね。どうか、
二、或る道具屋が語る体験談
はい、
そこの長屋に
ご
人が集まれば自然と様々な
さて、このドウメキという名の女盗賊ですが、ずいぶんと
女は
私は月明りに照らされて
思い返せば、
いや、
ああ、どうかお許してくださいませ。商人の
三、或る寺院の僧侶が語る説法
ああ、江戸に住まう人々の
彼女は生まれながらにして身体に
か弱い身体に生まれついた姉は、まだ
やがて、姉妹は江戸の裏で
しかし、
御仏は彼女の身の上を
さて、夜も更けてきたことでございますので、私はそろそろお
(了)
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