鎌鼬
一 目撃者の
はい、はい。その通りでございます。あれは昭和二十五年の
後になって警察の方から聞いた話によりますと、
はい。私は
親子とすれ違って
たっぷりと時間を掛けて、
可哀想なことに、女性はすっかり
「つむじ風が吹いたかと思ったら、知らない動物さんが走ってきて、長くて怖い爪で
女の子はたどたどしい口ぶりでそんなことを言っていました。山深い道のことですから
私は嫌な予感がして赤ん坊の様子を見ようとしました。
母親が
私は
「つむじ風が吹いたかと思ったら、知らない動物さんが走ってきて、長くて怖い爪で
あの辺りは、昔に
「イタチさんくらいの大きさだったの。すごい速さで
私も長い間に
都会の方ではこの正体の知れない
二 医者の所見
やあ、元気にしているかい。
世間では
君から送られてきた捜査資料を見てすぐに分かった。医学生だって気が付くほどに、単純な話さ。あれはね、人の
それに、この
それにしても、被害者の一人である女の子が全く痛みを
出血と痛みの
正直に言うとね、僕は母親のことを疑っているのだよ。傷を負った娘を
ハハハ、それは逆なんじゃないか。つまり、初めから
うん。少し
子どもが嘘をついている理由はいろいろと考えられるが、おそらく母親を
君の話では親子は
さて、僕はそろそろ次の仕事が
三 雑誌記者の原稿
《
一月二十三日午後五時ごろに
長女である
警察当局と
《
一月二十三日に
警察当局の科学捜査によって被害者である
警察当局の捜査により、
《
一月三十日に
一月二十三日に
警察当局は医師の立会いのもとに
(編集長のメモ)
君は
君の書いた記事は受け入れられない。記者として
四 子どもの手紙
ママといっしょにおうちにかえりたいです。弟がいなくなったから、ママはきっと元気になったはずです。
夜になると弟は泣いて、ママがねむっているのをじゃまします。ゆっくりとおやすみすることもできないなんて、かわいそうです。
お外からかえってきたママはびっくりしていました。
ママは
みんなでさか道を歩きました。ママは小さな声でだれかとおはなししていました。
ダイニチサマにおまいりしましょう。
そして、みんなでおわりにしましょう。
ママはだれかとおはなししていました。
ママをダイニチサマにとられると思いました。
風にのって小さなどうぶつさんがやってきた、と
けいさつのおじさん。
(了)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます