022.君とは旨い酒が飲めそうだ
10人ほどが俺を囲む。
刃物を向けられているのに、心はものすごく静かだ。
元々一人称は安定してない自覚あるけど、この戦闘モードな心持ちで『僕』は無いよなあ、と。
そんなどうでもいいことに意識が飛ぶぐらい。
道場とかでしっかり連携の練習してる相手でもなければ、囲まれてても実質1対1の勝負の連続だという漫画ラノベ知識。
刀身の長いソード系なんて使ってると、なおさらね。
できるかどうかはともかく。
「おらああぁぁぁ!」
ひとり元気に剣を振りかぶって踏み込んでくる。
〈
モーションの顔位置に棒の先端を置いておくイメージ。
予定調和、吸い込まれるように
キャンセルされた〈斬撃〉
返す刀で横腹狙ってフルスイング。刃はついてないけどな。
慣れない左打ちスイングだから力が乗り切らないけど、いい角度で入った。気がする。
ひとり簡単にぶち転がされたのを見て、むしろ戦意が上がるってゴブリンかな?
一斉にわさっとかかってきた。
とはいえ、片面を教会敷地の塀を背にする位置取りを保っているので警戒するのは半円エリアだけ。
基本、武器を弾いて武器を持ってる手の甲や手首を狙う。
連携とは言っても「せーの」で同時攻撃程度のレベルなので、先に1歩踏み込んで片側を先制。
たまに〈
硬直時間0.2秒とか、もっと大技だと0.5秒ぐらい持っていかれるけど、この乱戦で0.2秒(12フレーム)とか気にしてたら駄目だな。気にしすぎ。
あと、技の発動中は意識を手放せる。技の発動に体を任せておけば、勝手に振りかぶって勝手に攻撃してくれる。
攻撃モーション中、わりと冷静に周囲の状況確認したり魔法の詠唱とかの準備はできそう。
とはいえ、攻撃に使えそうな魔法って無いんだよな。
〈
ものは試しに、〈
いい感じに棒の先端から閃光のフラッシュが。
目をつむっててもまぶたの裏から光とその光の熱を感じるぐらいだから相当まぶしいだろう。
自分へのダメージ、たぶんパーティーメンバーへのフレンドリーファイアも無い。
『
使ったこと無いけど魔法の杖を構えて魔法使うとこんな感じなのかな?
考え事しながら体を動かしていると、ふと相手の手が止まる。
気がつけば10人以上が転がって呻き声を出している。
立って武器を構えてる人数もまだ10人ぐらいはいる。
「やはり、こいつらでは相手にならんか」
筋肉男が動く。
ゆっくり前線に出てくる。
貫禄あるなあ。
悪の組織の幹部が、大柄なプロレスラーみたいな見事な筋肉をどうやって維持してるんだろ。
ある程度の地位まで行けば、酒と女に溺れる自堕落な生活してるとしか思えないんだけど。
毎日筋トレとか走りこみとかして筋肉を維持してるのかと思うと微笑ましい。
〈気配察知〉〈危険感知〉では近くにいるイケメン剣士ともう一人、その奥の女性?にすごく警報を出している。
さすがに筋肉とあわせて4人でかかってこられたらまずそうだな。
【Side:教会シスター、アメリア】
タモツさんさすがです❤
【Side:裏組織レイブン、細剣士マーレイ】
「やはり実力隠してたか。
今もシロウト臭い動きに騙されるけど戦い慣れてやがる。
今思い出してみても、あの時妙に冷静で余裕あったんだよなあいつ」
【Side:ルミエスタ街守隊斥候】
「やるじゃんデブ。
幹部っぽいの何人かいるしこれ以上増援は無さそうだし通路はだいたい封鎖してる。
あとは突入のタイミングだけなんよね。
まだ頑張れそうだしもうちょい様子見、かな?」
――――――――――――――――
新連載はじめました
【ポーターが戦闘できないって誰が言った?】
まあ見切り発進ですが。
新作ページのURLってどこから取ればいいんだろうか。
なんか作者本人の作業ページっぽい、いろいろくっついてるからそのまま貼って公開するのがなんとなく怖い。
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