020.おっさん、微笑む
まえがき
バトルの前に、【主人公最強】タグつけておきました。
このあとの展開、安心してください。
作者、健康中毒の力量的に『本気で強敵な格上相手とのバトル、苦戦、逆転』が書けないとも言う。
【俺Tueee】はイキリ倒して誘い受けのチンピラ挑発撲殺ざまあはやらない予定なのでつけない。
そういう話は是非とも別で書きたいと思っている。
【ストレスフリー】はタグに入れたいけど、更新不定期がストレスと言う、ね。
――――――――――――――――
「それで本題なんですが」
ちょっと真面目な声色にして話題を変える。
「はじめて僕がこのへんに来たとき、3日前でしたか4日前でしたか。
あのときのチンピラがそろそろ仕返しに来そうなんですよ」
「えぇ!? 大丈夫なんですか?」
「あんまりだいじょばないです」
「だい・・・じょば?」
「ないです。10人から20人規模で人を集めてますね。
衛兵詰め所に話を通したり、できることはやっておいたんですが。
あいつらの目的は自分だと思うんですけど、元々は孤児院乗っ取りと子供の拉致だから、どう動くかがわからないんですよ。
孤児院乗っ取りのほうは裏で動いてたナントカ男爵を追い詰めてもらっていて計画は頓挫してるようなので、こちらはもう問題無いんですが。」
「いろいろ動いてくださっていたのですね。ありがとうございます」
「お礼は今夜を乗り切ってから、ですよ。
たぶん今日の深夜に来ます」
伝えたいことは伝えたかな。
シスターはわちゃわちゃしてたけど、子供たちには伝えない方向で。
丁稚奉公に出てる年長組4人には帰ってきてから伝えて、いざというとき子供たちを集めたりコントロールする役目をやってもらう予定。
おひるね終わって起きてきた孤児っ子たちとなんとなく遊ぶ。
ビーチボールをいくつか召喚して、膨らまし方、空気の入れ方抜き方を軽く教える。
ルールも何も無い「投げっこ」だけでも楽しいようだ。
偶然なのか誰かの気遣いなのか、こちらにボールが飛んできたのでグーパンチで返してあげる。
「わぁーーー」っと歓声が上がって、その後なにやら別のゲームが始まったようだ。
キャッチしないでパンチやキックで返す、バレーボール的な何かに変わった。
日差しが暖かい。
おだやかに時間が流れていく。
〈危険察知〉のレーダーが蚊の羽音のようにイライラする警告を出さなければ、こんなに幸せを感じることはいつぶりだろうか。
眠気で意識が飛びそうになりながら「子供っていいな」なんてことを考えてたら、なまあたたかい視線を感じた。
アメリアさんに微笑み返す。
デブの40おっさんの微笑み、どんな顔してるのか自分で想像してみても正直言ってキモチワルイ。
にちゃあ、ぐへへ。
頬を撫でる風に少し涼しさを感じるようになって目が覚めた。
小一時間ほど寝てたかな。
立ち上がって伸びをする。腰を軽く回す。
さっき棒を持って振り回してた腕が少しだるい。熱を持ってる。
〈
自分の〈ヒール〉は時空魔法系統、時間遡行で怪我が無かったことになるタイプのようだ。
筋トレの疲労回復に使うと、ただの疲れ損になるという話。
生活魔法、と言ってごまかせるヒールは持ってないようだ。
ポーチに入ってたD級ポーションは疲労に効くのかどうか。
仕事に出てた子が帰ってきたようなので、夕飯の支度でもしようか。
シスターに声掛けをお願いして食堂に行く。
何人か、自分の後ろをぞろぞろとついてくる。
昼と同じく、大机におしぼり、紙コップとドリンクを用意する。
ドリンクは昼の水・お茶だけじゃなくコーラと炭酸グレープジュースに恒例の野菜ジュースも追加。
冷やしたいけど、氷水は用意できても大きめの“たらい”みたいなのが無いな。
用意できるかシスターに聞いてみよう。
長机にピザ3種とカルビ握りを並べると、勝手知ったる孤児っ子たちが綺麗に並ぶ。
ピザは1切れづつ紙皿に乗せて渡す。
Mサイズ8切り、食べても4切れ(Mサイズ半分)というところだろう。
昼よりは忙しくならないと思う。
今は行列ができるほどでもないので女の子も悩んで選ぶ余裕がある。
自分用にビールを1本ぷしゅっと。飲んで食べながらでも配膳が間に合う。
さすがに『この後』があるからこれ以上は飲まない。・・・つもりだ。
流れが落ち着いて、談話モードに。
クッキーを3種2箱づつ
1箱に3枚づつ3袋入ってるので全部で18袋になる計算。
今食べない子は自室に持って帰ってもいいし。
そんな中、アメリアさんが丁稚奉公に出てた年長組4人を集めて席を外した。
〈危険察知〉の警報もかなり切羽詰っている。
そろそろ〈気配感知〉にも教会敷地まわりの路地に敵対反応が出はじめている。
衛兵さんたち、来てくれるかな
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