俺の人生に充実を

@FutonX

第1話 あめに歌えば

夏休み直前。梅雨の真っ只中。学校に行くのは面倒だ。そんな面倒事から目をそらすように夜更かしをする。そしてどこかの誰かの幸せを見ながら、自分のこの虚無感に、胸に空いた穴に、何かを感じられずにはいられない。


8:00 まず、起きたらスマホを見る。特に目的なんてない。ただ見る。そして重いからだを起こし、支度をする。しかし今日は雨だ。チャリ通にはなんとも耐え難い事実、怒りを抑え、ただ止むことだけを一瞬祈る。


8:30 雨は止まない。現実、そうあまくないものだ。本当にあまくない。過去の栄光にひたすら入り浸り、現実からは目をそらす。そして毎朝思う。今日は何かが起こりそうだ。そう例えば空から美少女が落ちてくるとか...。そんなフラグは読者には回収させないという嫌がらせをしたところで学校に着く。


9:00 いつもと同じ一日だ。正直、友達はいる。どちらかといえば多い方だ。しかし人気者ではない。誰にでもいい顔をしているだけのバカで、グズで、アホだ。そんな悪口しかでない。やっぱりポンコツだ。しかし、俺にだってやる時はやる。勉強だって本気をだせば結構できる。はぁ、彼女がほしいですね。知っている、口にだすと余計に出来ないことを。だから言わない。そんな思いを隠し、本当の自分を隠し、初めての彼女のことを思い出す。めっっっちゃ可愛かった彼女。手を繋いだこととか思い出すと笑みが止まらない。でもそんな自分を客観視するとキモすぎてすぐに正気に戻る。


18:00 家に着く。携帯は小三時間ほどいじり倒した後で、親の作ってくれたご飯を食べる。そして筋トレをする。なぜかハマっている。正直に言って面倒だが、やらなければ、何かしなければいけない気がする。そして、諸々済ませて始めに戻る。これが今の自分。


2:30 これは言わば日記である。自分を題材にした物語である。ほとんどの物語が自分を投影したものであると思っている。そうでなければ人の心は掴めない。つまり、自分を主人公にするために、自分のなりたいようにするための道具である。文字に写した劇場とも言えよう。自分の物語がラブコメになるか、ハーレムか、友情か、青春か、はたまた異世界転生か、どれになるかはわからない。しかし、自分が変わろうと思った結果、今に至る。ここまで読んだ人は物好きだ。こんな日記じみた物をこれからも書いていこうと思う。一週間に一回。どんなに短くても。

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